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2020.10.01 NEW変革のメソッド

自己肯定感がある人の創造性は3倍――強メンタルを保つ「1分」習慣

自己肯定感がある人の創造性は3倍――強メンタルを保つ「1分」習慣のイメージ

頑張っているのに、なぜか結果が出ない。そんな感覚に陥り、空回りしているビジネスパーソンも多いだろう。

周囲を見渡せば、自分ほど努力していないように見えるのに、失敗やピンチをものともせず成功を手にしている同僚や友人がいる。だが、焦る気持ちを抑え、落ち着いて考えてみてほしい。空回りする自分と成功する友人に、そもそもそれほど大きな能力の差があるだろうか?

実はほとんどの場合、前者と後者に大きな能力の差はない。決定的な違いは「自己肯定感」の高さであり、「自己肯定感」は簡単に鍛えることができる――そう主張するのは、第一線で活動する心理カウンセラーであり、ベストセラー『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)の著者である中島輝(なかしま てる)さんだ。

仕事の質を左右する「自己肯定感」

空回りした状態から抜け出すには「いますぐに動くこと」だと指南する書籍や専門家は多い。それも間違いではないのだろうが、メンタルの状態が良くないまま闇雲に動いても、空回りを増長させるだけだろう。そんなとき、メンタルの状態を一瞬で切り替えるカギになるのが「自己肯定感」だ。

では、自己肯定感とはなんなのか。ひとことで表すと「自分の軸を支えるエネルギー」だと中島さんは言う。

「より具体的に言えば、“選択肢をつくる力”のことです。自分で考え、自分で選んだ行動に対して、それがどんな結果を招こうと、つねに『イエス』と言えるのが自己肯定感。自己肯定感が高ければ、ポジティブな感情を保ち、物事をプラスに捉え、行動にアクセルをかけ続けることができます」

要するに、行動を起こせるかどうか、行動によって出た結果をどう受け止めるかには、感情や物事の捉え方が深くかかわっているということ。たしかに、心から幸福だと感じる出来事があったとき、妙にフットワークが軽くなることがある。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』2012年5月号によると、幸福感の高い社員の生産性は、平均で31%、売上は37%、創造性は3倍高い。また、人生の満足度が高い従業員が働いている小売店の店舗面積利益は他店のそれよりも21%高いことがわかったという。

図1:「幸福度とパフォーマンスの関係」

図1:「幸福度とパフォーマンスの関係」

出典:『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』(ダイヤモンド社)2012年5月号

人間の行動は、良くも悪くも自分で考えている以上に感情に左右される。それはもちろんビジネスも例外ではないのだ。中島さんによると、自己肯定感が高いと結果的に実際のビジネスシーンにも役立つ次の“3つの力”が身につくという。

1:マネジメント(調整力)
一時的に不安になり、葛藤し、感情が乱れたとしても、すぐに自分を取り戻すことができる。また、喜怒哀楽の感情を状況に合わせてコントロールできるようになる。

2:レジリエンス(修正力)
間違った選択や失敗につながる行動をとっても、それを糧にしてリカバリーすることができる。逆境を楽しむ視座の高さをもつこともできる。

3:グリット(やり抜く力)
客観的に物事を捉えることができる。自分の力不足に気づいても、それを認めたうえで「それでもうまくいくことはある」と信じ、さらに行動することができる。

“メタ認知力”を鍛えてメンタルを強くする

とはいえ、人間である以上、常にポジティブな感情である自己肯定感を維持するのはむずかしい。大切なのは、ネガティブな感情をうまくコントロールし、フラットな状態に持っていくこと。

そこでポイントになるのが「メタ認知」と呼ばれる力だ。

「メタ認知とは、簡単にいえば自分を客観視する力のことです。もうひとりの自分が、頭上から自分の感情を眺めているようなイメージでしょうか。

メタ認知力があれば、小さな物事にとらわれず、ひとつの物事に執着せず、目先の不安に流されることが少なくなる。自分の感情の変化をしっかり見つめ、フラットな状態に戻すことができるのです」

メタ認知力が高まると、自己肯定感も高くなる。そして、メタ認知力を鍛えるために必要なのは、毎日たった1分の習慣だけだ。中島さんは自己肯定感を高めるメソッドとして、心理学、脳科学、行動科学などで実証されたさまざま方法を「1分メソッド」として紹介している。

これまでの中島さんのコーチングの経験をもとに、ビジネスパーソンが抱いてしまいがちな悩みのケースと、その対策として有効的なメソッドを教えてもらった。

足踏み状態から抜け出す「タイムマネジメント」

ケース1:「日々の仕事に全力で取り組んでいるのに結果が出ない。空回りしていると感じる」

こういった状況に陥っている人は、さまざまな要因が重なって、自分の人生がコントロールできなくなっていると中島さんは言う。「自分の人生は自分で決めることができる」という思いが弱くなっているため、なにをやってもうまくいかず、「なぜかいつもうまくいかない」「自分はいつも失敗する」とネガティブな気持ちの堂々めぐりになる。その結果、フォーカスすべき対象が散漫になってしまうのだ。

このケースにあてはまる人に、中島さんがおすすめするのが「タイムマネジメント」というメソッドだ。

「まずは付箋とノートを準備してください。はじめに、いま自分が抱えている業務ややるべきことのToDoをリストアップして、ひとつずつ付箋に書き出していきましょう。

次にノートに線を引き、4分割の枠をつくります。そして次の図のように、ノートの枠左に『重要ではない』『重要』、枠上に『緊急ではない』『緊急』と書き込みます」

図2:「タイムマネジメント」

図2:「タイムマネジメント」

出典:『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』(SBクリエイティブ)

「これで準備完了です。できたら、ToDoリストを書いた付箋を、4つの枠に振り分けていきます。そうすると、『緊急』で『重要』な事柄と、そうでない事柄が可視化され、自分はいまどの仕事から取り組むべきなのかが、決めやすくなります。

これは単なるスケジュール管理のメソッドではなく、『重要だけれど、いますぐにやらなくていい』『よく考えたら自分がやらなくていい』といった判断をする手助けにもなります」

そうして優先的にやるべき事柄にフォーカスすることで、自然と仕事の質が高まっていく。「いつも多くの業務量をこなしているのに、いつも自分はうまくいっていない気がする」という状況から抜け出せば、次第に感情はポジティブになっていくはずだ。

将来への漠然とした不安を解消する「感情の数値化」

ケース2:将来のことを考えると「このままで大丈夫か」と、もやもやしてしまう。

未来のことはわからないにもかかわらず、仕事やお金、結婚、親子関係の不安をあれこれ想像してしまう。ついネガティブな想像をして、ネガティブな感情がさらにネガティブな感情を呼び、どんどん増幅してしまうというのが癖づいてしまっているケースだ。

中島さんはそのようなネガティブな感情には、「感情を数値化し、客観的に捉えなおすことでコントロールする」という解決策を勧める。

まずは、自分がこれまでの人生で経験したなかで最もネガディブな感情を、原因となった出来事とともに思い出し、そのときのネガティブな感情を10点満点中の10点とする。

次に、「いま自分が感じているネガティブな感情」の種類(不安、とまどい、怒りなど)を書き出し、先ほどの最もネガティブな感情をものさしに、10点満点中何点なのか採点するのだ。

「その感情が10点中5点くらいのものなら『なんだ、たった5点か』と消えていくでしょう。逆に9点や8点をつけるような強いネガティブな感情を抱いてしまったら、1分とは言わず特別に時間を作って、原因となっている事柄から1時間だけ離れてみましょう。たとえば職場の人間関係が原因なら、会社を休んで緑の多い場所に出かけてみるのもいいかもしれません。

そうして心が落ち着いたら、ふたたび『感情の数値化』をおこなってみてください。強いネガティブな感情は、3点、4点くらいまで下がっているはずです」

この訓練を毎回1分でも日常的に繰り返すことで、急な感情の変化にも落ち着いて対処できるようになる。漠然とした不安をキャッチしたときに、「あのときの試練より低い点数か」「あのときと同じようなパターンか」というふうに捉えることで、次第にポジティブに受け入れられるようになっていくだろう。

「弱み」を「強み」へ変えるメソッド

ケース3:「職場の人間関係や客先への対応が苦手。自分はメンタルが弱いのではないか?」

この例だけをみると、たしかにメンタルが弱く見えるかもしれない。しかしこの人の場合、職場の人間関係が苦手だと自覚している――つまり自分の弱みをジャッジできているため、むしろメンタルを強くすることのできる可能性が高いというのが中島さんの意見だ。では、どうしたら自分の弱みを強みに変えていくことができるのか?

「具体的には、自分の弱みをよく理解し、上下動してしまう感情をうまくコントロールしていきます。まずは自分が抱えている課題を『ざっくりした曖昧な視点』から『より具体的な視点』へと細分化しましょう」

このケースの場合、「職場や客先で話すのが苦手」というのがざっくりした視点での弱みだ。それを「みんなが話している輪の中に入っていけない」「いきなり相手に話を振られると、頭が真っ白になってうまく返せない」などに細分化していく。

「弱みを具体的に理解すると、それぞれの対策を考えることができます。みんなが話している輪の中に入っていけないのなら、自分が話題の起点になってみるとか。客先で話を振られたときにうまく返せないなら、あらかじめ振られる可能性のある話題をたくさん想定しておくとか。

あるいは、対策を考えても職場で同僚の輪の中に入れない、ひとりになってしまうと感じる瞬間があるのならば、その時間は『自分で選んでひとりになった』と考えるようにしましょう」

弱みを細分化しても、解決できない部分があるならそこは「だれからも邪魔されずに、自分と向き合う時間をつくった」というふうに自己決定をする。そうやって自分自身を肯定していくことで、心身の健康によい影響が出て、仕事のパフォーマンスも上がっていくはずだ。

1日1分の積み重ねが人生を変える

ここで紹介したのは、中島さんが提唱するメソッドのほんの一部。どれも簡単なテクニックだが、日々続けることで自己肯定感が高くなり、物事の捉え方が変わる。物事の捉え方が変われば、行動が変わる。行動が変われば、未来が変わる。すべて、かつてメンタルの問題に悩まされていた中島さんが、自らを実験台にして実践してきたことだ。

「私自身の経験としてもいえることですが、本当にささいなマインドセットの変化で人生は変わります

人生を変えるためにまず大切なのは、目標を明確にすること。そのための行動を自分が自己決定しているという意識をもつことです。そういった意味でも、自分の新しい習慣として、1日1分の自己肯定感を高める行動を繰り返すことは効果的。その日々の積み重ねが、必ずゴールに導いてくれるはずです」

たかが1分、されど1分。この記事を読み終えたあとの1分を、あなたはなにに使うだろうか。

中島 輝(なかしま てる)
自己肯定感の第一人者/心理カウンセラー。25歳のときに背負った巨額の借金がきっかけで持病のパニック障害と過呼吸発作が悪化。10年間実家に引きこもりつつ、代表取締役としてグループ会社を運営。独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを自ら実践しつづける。35歳のとき、恩師の死を契機にメンタルを克服。その後、30年間の人体実験と独学で習得した技法を用い、心理的な問題を抱えた重度の方から上場企業の経営者まで、多くのクライアントにカウンセリングやコーチングを行う。回復率95%、6カ月800人以上の予約待ちに。現在はメディアでも活躍するほか、著書も多数。おもな著作に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』(SBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)などがある。

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