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2018.06.25 NEW

親が就かせたい職業と子どもが憧れる職業、過去20年でどんな変化が!?

親が就かせたい職業と子どもが憧れる職業、過去20年でどんな変化が!?のイメージ

誰しも子どもの頃に夢見た憧れの職業があったはず。親が子に就いて欲しい職業と子どもたちの“憧れの職業”、過去20年の変遷から見えてくるものは?

我が子には堅実に…親の思いは20年前から同じ?

全国で結婚式場の運営などを行うアニヴェルセル株式会社が20~30代のカップルを対象に行った調査によると、「将来子どもに就かせたい職業」の1位と2位は、下位に大きな差を付けて会社員と公務員がトップ(図1)。

図1:子どもに就かせたい職業
  男の子の親 女の子の親
順位 職業 割合(%) 職業 割合(%)
1 会社員 44.3 会社員 46.3
2 公務員 42.3 公務員 37.4
3 医師 23.1 医師 14.9
4 エンジニア 21.0 エンジニア 12.0
5 スポーツ選手 20.0 スポーツ選手 8.4
6 弁護士 12.6 弁護士 8.3
7 芸能人 6.1 芸能人 7.5
8 その他 13.6 その他 16.5
出典:アニヴェルセル株式会社「子どもに就かせたい職業人気度ランキング」
※全国の23~39歳の男女1,236人を対象にしたインターネット調査。2017年4月4日~4月5日に実施。

依然として日本では公務員の人気が高く、「我が子には安定した暮らしをして欲しい」という親の心情はよくわかる。が、1位が単純に会社員というのは、少し夢がないような気も…。とはいえ、我が子に堅実な生活を望むこうした傾向は、何も若手世代に限ったことではない。

ランドセル素材などを製造・販売する化学メーカーである株式会社クラレの調査によると、新小学1年生の親が「子どもに就かせたい職業」のトップは、20年前から変わらず男子が公務員で女子は看護師となっている(図2)。男の子のランキングを過去10年単位で見ると、多少の順位変動はあるものの2位と3位はスポーツ選手と医師で同じ。そして4位にはやっぱり会社員が入っている。

図2:新小学1年生の親が就かせたい職業
男の子の親
職業 2018年 2008年 1998年
公務員 1位 1位 1位
医師 2位 3位 3位
スポーツ選手 3位 2位 2位
会社員 4位 4位 4位
消防・レスキュー隊 5位 5位 -
エンジニア 6位 9位 5位
研究者 7位 - -
警察官 8位 - -
パイロット 9位 6位 6位
建築家 10位 10位 9位
女の子の親
職業 2018年 2008年 1998年
看護師 1位 1位 1位
公務員 2位 2位 4位
薬剤師 3位 6位 -
医師 4位 5位 5位
医療関係 5位 - -
教員 6位 4位 2位
会社員 7位 7位 8位
ケーキ屋・パン屋 8位 9位 9位
保育士 9位 3位 3位
美容師 10位 10位 -
出典:株式会社クラレ「新小学1年生の“将来就きたい職業”、親の“就かせたい職業”」
※毎年4月に小学校に入学する子どもとその親が対象。<クラリーノ>製ランドセル購入者にはがき及びインターネットでアンケートを実施。有効回答数4,000名(男女各2,000名)、その親 4,000名(1998年のみ3,000名)。

若い親世代が子どもの頃に抱いた“将来の夢”は?

では、現在の若い親世代がまだ小学生だった約20年前、彼らは将来、どんな職業に就くことを夢見ていたのだろうか?

株式会社クラレの同様の調査によると、1999年の新小学1年生の「就きたい職業」ランキングでは、男子でスポーツ選手、女子でケーキ屋・パン屋さんがトップ。過去10年単位で見ると、男の子では運転士・運転手や警察官、消防・レスキュー隊員などが人気。女の子では、花屋さんや看護師、芸能人・歌手モデルが人気の職業となっている(図3)。

図3:新小学1年生の子どもが就きたい職業
男の子の親
職業 2018年 2008年 1999年
スポーツ選手 1位 1位 1位
警察官 2位 4位 3位
消防・レスキュー隊 3位 2位 7位
運転士・運転手 4位 3位 2位
TV・アニメキャラクター 5位 8位 -
研究者 6位 10位 -
医師 7位 9位 10位
大工・職人 8位 5位 -
ケーキ屋・パン屋 9位 6位 8位
自営業 10位 - 5位
女の子の親
職業 2018年 2008年 1999年
ケーキ屋・パン屋 1位 1位 1位
芸能人・歌手・モデル 2位 3位 6位
看護士 3位 4位 3位
花屋 4位 2位 2位
医師 5位 7位 7位
保育士 6位 6位 5位
教員 7位 5位 4位
美容師 8位 8位 -
警察官 9位 - -
TV・アニメキャラクター 10位 - -
出典:株式会社クラレ「新小学1年生の“将来就きたい職業”、親の“就かせたい職業”」
※毎年4月に小学校に入学する子どもとその親が対象。<クラリーノ>製ランドセル購入者にはがき及びインターネットでアンケートを実施。有効回答数4,000名(男女各2,000名)、その親 4,000名。

これらのランキングを見ると、男の子の場合は「夢のある職業」として親にも子にも根強い人気を誇るのがスポーツ選手。“野球”か“サッカー”かは世代によって分かれるところだが、同じ調査では1999年の時点で子どもはサッカー選手に、親は野球選手になることを望んでいることがわかる(図4)。

図4:新小学1年生の子どもが就きたい職業(スポーツ選手の内訳1999年)
順位 スポーツ種目
1 サッカー 57.4 15.6
2 野球 27.3 31.1
3 レーサー・ライダー 2.0 1.3
4 ゴルフ 1.1 4.0
5 水泳 0.7 -
6 体操 0.4 -
6 ボード・スキー 0.4 -
6 競輪 競艇 競馬 0.4 -
  単にスポーツ選手 10.3 44.4

(%)

出典:株式会社クラレ「新小学1年生の“将来就きたい職業”、親の“就かせたい職業”」
※毎年4月に小学校に入学する子どもとその親が対象。<クラリーノ>製ランドセル購入者にはがき及びインターネットでアンケートを実施。有効回答数4,000名(男女各2,000名)、その親 4,000名。

1993年にはJリーグが開幕し、同年にはW杯最終予選“ドーハの悲劇”が社会現象に。そして1998年のW杯初出場などもあり、すでにこの頃には子どもたちの憧れが、プロ野球選手からプロサッカー選手へと移っていたのだろう。

新たな“憧れの職業”としてユーチューバーの注目度がアップ!

そんな「子どもたちが憧れる職業」といえば、今流行りのユーチューバー。日本FP協会の調査では2017年には初めてトップ10入りを果たし6位にランクインするなど、現在の子どもたちにとって注目度の高い“憧れの職業”となっている(図5)。

図5:小学生の「将来なりたい職業」
順位(前回) 職業 票数
1(1) サッカー選手・監督など 189
2(2) 野球選手・監督など 181
3(3) 医師 109
4(4) ゲーム制作関連 105
5(5) 建築士 62
6(14) ユーチューバー 51
7(6) バスケットボール選手・コーチ 50
8(11) 大工 43
8(8) 警察官・警察関連 43
10(17) 科学者・研究者 40
出典:日本FP協会「将来なりたい職業」ランキング
※第11回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」応募作品より集計。応募作品数3,974点(男子1,857点、女子2,117点)。応募期間2017年5月1日~10月31日。

ちなみに、冒頭に紹介したアニヴェルセル株式会社の調査によると、子どもの将来に役立ちそうな「習わせたい習いごと」の1位は男子・女子ともに同じ英語で、2位にはともにプログラミングなどのIT系がランクイン(図6)。

図6:子どもに習わせたい(将来の役に立ちそうな)習いごと
  男の子の親 女の子の親
順位 項目 割合(%) 項目 割合(%)
1 英語 83.9 英語 81.4
2 プログラミングなどのIT系 73.1 プログラミングなどのIT系 73.6
3 習字 71.1 公文などの勉強系 70.6
4 公文などの勉強系 70.5 習字 69.8
5 水泳 57.6 水泳 57.3
出典:アニヴェルセル株式会社「子どもに就かせたい職業人気度ランキング」
※全国の23~39歳の男女1,236人を対象にしたインターネット調査。2017年4月4日~4月5日に実施。

もちろん、これらはグローバルかつIT化が進む現代においては必須とも言えるスキル。我が子がどんな職業を目指そうとも役に立ちそうではあるが、子どもたちが将来、英語やITのスキルを活かして夢のユーチューバーに…。安定・堅実を求める親の希望とは裏腹に、そんな未来が遠からずやってくるのかもしれない。

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