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2018.10.25 NEW

若者の“クルマ離れ”ってホント? 80年代生まれの“クルマ選び”の実態とは?

若者の“クルマ離れ”ってホント? 80年代生まれの“クルマ選び”の実態とは?のイメージ

近年よく耳にする「若者のクルマ離れ」は事実なのか。この実態を探るべく、まずはどの程度の若者が車を現在所有しているのか、また運転免許を持っているのかを見てみよう。

自動車の普及率は? 運転免許の保有率は?

総務省が実施する「全国消費実態調査」の年代別自動車普及率の推移によると、29歳以下の世帯では、2009~2017年までの8年間で59.1%から47.9%まで約11%低下しており、30~39歳の世帯でも同期間で7%ほど下がっている。徐々にではあるものの、全体的に若い世代は車を所有しなくなっていることがわかる(図1)。

図1:自動車普及率の推移(総世帯)

図1:自動車普及率の推移(総世帯)

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出典:総務省「全国消費実態調査」を基に編集部作成

一方、警視庁が発表している各年代別の運転免許保有率を見ると、20代、30代ともに8年間で2~4%ほど減少傾向にあるものの、前述の「自動車普及率」に比べて大きな減少は見受けられない(図2)。もちろん自動車の普及や運転免許の取得には、住んでいる場所や経済的な事情も影響するだろう。運転免許保有率を見ると多少数値は下がってはいるものの、クルマに対して、若い世代が移動手段としての必要性を感じなくなったわけではなさそうだ。

図2:運転免許保有率の推移

図2:運転免許保有率の推移

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出典:警視庁「交通安全白書 男女別運転免許保有者数と年齢層別保有者率」を基に編集部作成

80年代生まれがクルマに求めるものは、コスパ?

個人で所有するモノのなかで最も高額な買い物のひとつとなる自動車。それだけに他の消費財と比べて慎重に吟味する傾向にあるといえるだろう。

EL BORDEでは若者のクルマ選びの実態を探るべく、80年代生まれのビジネスパーソン1,239名を対象にリサーチを実施した。「車の何に価値の重きを置く?」という質問をしたところ、「スペックが高い高級外車」と回答したのは全体の25.0%。対して、29.2%が「維持費が安い軽自動車」、次いで27.4%が「環境にやさしいエコカー」を回答し、全体の約半数以上がコストパフォーマンスを重視したクルマ選びをするという傾向となった。「使えるときにあればいい、カーシェアリング」や「車はいらない、自転車でよい」と回答した方はそれぞれ8.4%と9.9%となり、少数派ではあるもののクルマや移動手段に対する新しい見方がうかがえる(図3)。

図3:車の何に価値の重きを置く?

図3:車の何に価値の重きを置く?

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※EL BORDEが、全国の80年代生まれの男性1,239人を対象にしたインターネット調査。2018年1月30日~2月1日に実施。各構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならないことがあります。

若い世代における自動車の所有率が年々減少していることは事実としてある。しかしながら、所有率の減少に対して運転免許保有率が高い数値を保ちつづけているという実態を、「若者のクルマ離れ」という言葉だけで結論付けるのは軽率だろう。リーズナブルでオシャレを楽しむことができるファストファッションの流行が象徴するように、クルマに対する考え方そのものが変わりつつある。クルマの価値を合理的に判断して軽自動車やエコカーを選択したり、また保有自体の合理性を考慮してカーシェアリングや自転車を選択するという堅実な消費行動が、現代の若者を象徴するスタイルと言えるのかもしれない。

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