ロボット・AIの100年史と近未来－生成AIがロボットに地殻変動を起こす－｜コラム

ロボット・AIの100年史と近未来

人類のものづくりは、手作業から道具、機械化を経て、現在はロボットによる自律化へと移り変わってきました。本レポートでは、こうした生産形態の変遷とロボットとAIの関係を整理したうえで、生成AIがロボット産業に与える影響とそれに伴う競争戦略を考察しています。

ロボット用基盤モデル（RFM）は、カメラ入力や人の言語指示から動作を生成するため、従来型ロボットと比べてタスク設定や切替の柔軟性が高く、多様な業務に適用ができます。現状、RFM分野では北米のビッグテックが先行しており、人間の形状や関節構造を模したヒューマノイドの開発が注目されています。ヒューマノイドは既存の人間向けインフラ（ドア、階段など）を活用できるため、多様な作業環境に対応しやすい利点があります。

現時点では多くのロボットが単一領域の反復作業に特化していますが、将来的には複数ドメインで汎用的に作業をこなせるロボットの登場が期待され、産業用・サービス用ともに市場の拡大が見込まれます。加えて、ロボット産業のサプライチェーンはRFMを起点に再編成される可能性があります。既存プレイヤーにはコモディティ化のリスクが生じます。そのため、RFMプラットフォーマーと連携し、生成AIを搭載したロボットの開発・導入を検討することが重要と考えています。ロボットや近年の生成AIとの連携を念頭にしたロボット産業の変化に関心のある方は、ぜひご一読ください。