2025.09.22 NEW

9月末の配当落ちに伴う日経平均株価のインパクトは? 野村證券ストラテジストが解説

9月末の配当落ちに伴う日経平均株価のインパクトは? 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

トータルリターン(=配当込み)が重要

野村證券は、2025年9月12日付で日本株の主要指数見通しを見直しました。2025年末のTOPIX(東証株価指数)は3,200、日経平均株価は44,500円、2026年末のTOPIXは3,350、日経平均株価は46,000円、2027年末のTOPIXは3,500、日経平均株価は47,500円とする見通しをメインシナリオとしています。2026年以降の日本株主要指数については、期待リターン(年率プラス6%程度)並みの上昇を想定しています。

ここで示す期待リターンは、「持続可能なリターン」という考え方に基づき、配当を含めた数値です。そのため、指数ベースでみた年間リターンは、配当込みでおおむねプラス4%程度が目安となります。一方で、配当込みリターンは一部の投資家にはなじみが薄いかもしれません。日本における金融リテラシーの向上には、配当込みリターンの普及も重要と考えられます。事実、配当込み指数で見ると、TOPIXは2021年1月に、1989年12月の高値を更新しています。

日本株指数(配当なし、配当込み)

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(注)日経平均の配当込み指数が2002年1月より算出されているため、2001年末=100として指数化した。
(出所)日本経済新聞社、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成

9月末の配当落ちに伴う日経平均インパクトは300円前後

2025年9月26日が9月末の配当権利付き最終日となります。配当落ちの株価インパクトは、TOPIXで21.8ポイント(0.69%)、日経平均株価で303円(0.68%)と試算されます。指数上昇や配当金額増加により、配当落ちの影響は着実に大きくなっています。

日経平均株価の9月配当落ち金額と、権利落ち日の実際の変化幅

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(出所)日本経済新聞社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

権利落ち日の日経平均株価が配当落ち分を早期に埋めるかどうかは、市場の強さを示すバロメーターと捉えられることが多いです。検証すると、その後の株価動向とは逆相関にある傾向も見られます。

9月の権利落ち日に配当落ち分を埋めたかどうかと、その後25営業日にかけての日経平均騰落率

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(注)2012年以降で検証。日経平均は配当込み指数を使用。
(出所)日本経済新聞社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

過去のデータから、9月の配当落ち前後では、35~40営業日後にかけてTOPIXや高配当株いずれも一進一退の展開となりやすく、その後に上昇する傾向が確認されています。

9月の配当落ち前後のTOPIXの傾向

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(注)2000年以降の平均値。直近2025年のTOPIXは、中間配当落ち前に関しては、配当込みと配当なしでほとんど差がないため、TOPIX(配当込み)のみを表示。
(出所)JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成

9月の配当落ち前後の高配当株指数の傾向

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(注)2002年以降の平均値を算出。直近2025年の日経高配当50は、中間配当落ち前に関しては、配当込みと配当なしでほとんど差がないため、日経高配当50(配当込み)のみを表示。
(出所)日本経済新聞社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

(編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

編集元アナリストレポート

日本株ウィークリー(2025年9月18日) – トータルリターン(=配当込み)で行こう(2025年9月18日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※この記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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