2024.04.26 update

EL BORDEとは

2024.04.26 update

2023.10.30 NEW

元千葉ロッテ・里崎智也さんが貫く「勝者のメンタリティー」、堅実貯蓄から始まった投資

元千葉ロッテ・里崎智也さんが貫く「勝者のメンタリティー」、堅実貯蓄から始まった投資のイメージ

撮影/齋藤大輔

里崎智也さんは千葉ロッテマリーンズの選手として16年間プレーし、2006ワールド・ベースボール・クラシックでは正捕手として日本代表を初代王者に導きました。2014年に現役引退後は野球解説者、千葉ロッテスペシャルアドバイザー、タレント、YouTuberとマルチに活躍する中に、投資家という一面もあります。

「僕はお金に困る人生を歩みたくないんですよ。失うことが怖いから勝ち続けないといけない。ただし現状を失わないようにするための“保険”も大事。それが勝者のメンタリティーです」

そんな里崎さんの投資の始まりは現役時代の「毎月10万円預金」でした。里崎さんにお金との向き合い方についてお話を聞きました。

人生は未確定だから

「毎月10万円預金」はいつからどんな目的で始めましたか。
里崎:1998年にプロになってすぐです。普段使うお金はいつでも引き出せるようにして、それとは口座を分けて10万円を天引きして定期預金にし、最初からないものにしておく。それで1年で120万円、仮に5年で引退となったとしても600万円貯まるとその当時に考えました。600万円あったら次のキャリアに向けてもう1回大学に通い直すこともできるし、次の仕事を探すための生活費にも充てられるかもしれないし、何か資格を取るための資金にもなるかもしれない。その用途であれば少なくない金額だと思います。
プロ2年目には1軍出場を果たしていましたし、第一線で活躍されていたプロ野球選手としてかなり堅実な印象を受けました。
里崎:プロ野球で言えば、第一線と言えるのはレギュラーになった人たちだけです。1軍の層の厚さを考えると、2軍でも第五線ぐらいです。12球団の支配下登録714選手の平均年俸は4,468万円(日本プロ野球選手会が発表した2023年シーズンの年俸調査結果より)なので、それ以上もらっている人たちが第一線。僕は16年プレーできましたが、それは結果論であって人生は未確定ですから。アスリートに限らず言えることですが、労働は一生ではなく、会社が倒産した、病気になった、怪我をしたなど、有限なものでいつ何が起こるか分からない。だから貯金をするわけです。
毎月10万円貯金は2014年に引退するまで、金額もずっと変わらず続けたのでしょうか。
里崎:16年やったので、2,000万円ぐらいで終わりました。最後は用途が変わります。個人事業者のプロ野球選手は、前年分の年俸の税金を翌年申告するため、引退翌年の納税が問題となりますが、引退しているので年俸はもらえません。なので、貯めていたお金をその税金に充てようと考えていました。結局、税金は他のお金でまかなったので、2,000万円ぐらいがそのまま残りました。元々ないつもりで貯めていたお金だし、他に使う用途がない。だったら、勉強がてら投資でもやってみようかと思ったわけです。

現役時代に投資をやってみようとは考えませんでしたか。
里崎:やっていたのは保険商品だけでした。目の前の一戦一戦に全てを注いでいるような野球界、スポーツ界にいる人間からすると、アナリストのような投資のプロが手にするような情報をいつでも仕入れられるような環境ではないから、投資を本格的に考えるのは今ではないなと当時の僕は考えていました。命の次に大事なお金ですからね。お金があればなんでも買えるわけじゃないですが、限りなく不幸を回避できます。

日本株式の売却益で米国株式へ、投資信託へ

里崎さんご自身の投資経験についてうかがいます。ソフトバンクが2018年12月19日に東京証券取引所1部へ上場したタイミングで、里崎さんは初めて株式を購入したと聞きました。その時の印象はいかがでしたか。
里崎:案外、自分にもできるものなのだなと。ある証券会社の担当者から「ソフトバンクが上場するから投資をしてみませんか」と何度か勧誘を受けていました。ソフトバンクだったら身近な通信事業をやっている会社だし、親会社はプロ野球チームも持っているし、倒産する可能性も低いだろうし、ならいいかと思って買いました。すると初値は公募価格を下回り、初日は15%安と急落。初めての投資だったし、いったん利益を確定したくて「手数料を差し引いた上で、どこまでいけばプラスになりますか」と担当者に売り時を相談し、株価が購入時の1,500円を超えたタイミングで売りました。
最初の株式投資に続く次の一手はどう考えましたか。

里崎:ソフトバンクの株式は配当もあって数十万円のプラスになりましたが、でもそれほどは増えていないなと。そんな時にさきほどの証券会社の担当者からアメリカ株式の提案を受けました。何社か候補を挙げてもらった中で、Amazon.comなら僕もサービスを使っているし、ありかなと思いました。それで2019年後半に購入したら、コロナ禍の影響で一時急落したものの、その後はビビるぐらい一気に株価が上がりました。その後、担当者から「大統領選挙(2020年11月)の結果次第では変動するかもしれません」と電話を受けたので、下がり始める前に売り切りました。

じゃあ次どうしようかなと思った時に、担当者からAlphabet(アルファベット、Googleの持ち株会社)の提案を受けました。僕自身もYouTubeをやっていてなじみがあったので買ったのですが、これも結果的には成功しました。

投資を始めて約3年は担当者を信頼して個別銘柄投資をやっていましたが、忙しいと担当者からの電話に出られない時もあるじゃないですか。株式だと買い時と売り時があるので、タイミングを逃すことなく判断しないといけないのに。だから「里崎さんの生活スタイルにマッチすることを考えたら、長期運用できる投資信託がいいのでは」とアドバイスをもらい、そっちの方が面倒じゃなくていいなと考え、今は投資信託を運用しています。長期運用という意味では、銀行や証券会社が実施しているキャンペーンも活用しながら、国債や社債なども買っています。

これまでの投資は証券会社の担当者との信頼関係が大きかったようですね。

里崎:基本的に担当者のことを信頼していますが、一方で、僕自身の考えも正直に言うようにしています。例えば、下がっている株式について「今チャンスだから買い増ししましょう」とアドバイスを受けたとしても、「今のままでも配当金は十分あるし、そんな慌てず長い目で見ればいいんじゃないですか? だから今は追加したくない」などと伝えることもありました。

投資を始めた頃に比べて運用資金は着実に増えていますが、投資を始めて10倍になったら夢がありますよね。

手数料はサービスの一環

里崎さんの場合、現役時代に毎月貯金していた資金で投資を始めました。今だったらどんな方法でお金を準備すると思いますか。

里崎:自分が若い頃は預金しか知らなかったし、投資する知識もなかったので預金一択でした。今だったらNISAという制度もあるし、金融知識も色々なところで昔より簡単に得られるようになったから、NISAを使うのも一つの手だと思います。売却益などが非課税になるというメリットは大きいです。

月1万円を積み立てると投資元本は20年で240万円、月2万円を積み立てると投資元本は20年で480万円、月3万円を積み立てると投資元本は20年で720万円。2024年から始まる新NISA制度では上限1,800万円なので、20年やったとしてもまだ枠が使えますよね。20代から始めたとして、20年後だったら40代。元本は変動すると思いますが、うまく運用できていれば40代になった頃にはある程度まとまった金額になっているはず。引き出して家を買うでもいいし、緊急性がないなら継続して運用するでも、それを元手にしてまた別の投資をしてもいいじゃないですか。

投資を始めてから里崎さんご自身も勉強をするようになりましたか。

里崎:ほぼしていないです。そもそも投資先は自分が知っているところ、使っているところだけなので、勉強しようとしなくても日常生活の中で情報が入っているところばかりです。自分が勉強しなくても担当者が情報を仕入れてくれ、経過報告をしてくれ、決算報告を送ってくれる。

僕の場合は担当者にサポートしてもらっている部分が大きいですが、それが自分でできる人なら自分でやればいい。手数料はサービスの一環だと僕は考えていますし、僕の場合はそのサービスを活用して成果を積み上げられています。あくまでも元アスリートの僕の感覚ですが、手数料を払ってもプラスになるなら勝ち、手数料が低くてもマイナスになるなら負けです。自分に合った勝つ選択をした方がいいです。

要はどうやってお金を増やすかという話です。お金を増やす方法は基本的に、自分が働いてお金を増やす「労働」かお金に働いてもらってお金を増やす「投資」かしかないですよね。でも労働は一生ではなく、いつ何が起こるか分かりません。労働だけだと何かが起きて働けなくなってしまうとお金を増やす手段がなくなってしまいますが、もし投資をしていたらお金を増やす手段が他にもある状況になります。逆も言えます。だから両方の手段を用意しておくことは、「勝者のメンタリティー」として大事なポイントだと思います。

今、学校現場では金融教育への取り組みも増えてきましたが、里崎さんがご自身の経験も踏まえてお子さんに伝えていることはありますか。
里崎:投資について、僕自身は自分の子ども対して積極的に伝えることはないですね。もし学生のうちからアルバイトで得たお金で投資を始めると言い出したとしても、自分の経験からあれこれ口を出すことはしないと思います。まずはしっかり自分でお金を得る知識と能力を身に着けてほしいと願っています。
でも里崎さんの姿に、お子さんも自然と投資を含めたお金との向き合い方を学んでいるかもしれませんね。
里崎:世間では「子は親の背中を見て育つ」と言いますが、そもそも、僕の背中を超えるのは生半可ではないんでね(笑)。

里崎智也
徳島県鳴門市出身。鳴門工高校(現・鳴門渦潮高校)から帝京大学を経て、1998年に千葉ロッテマリーンズを逆指名し、ドラフト2位で入団。2005年にリーグ優勝と日本一、2006年にはワールド・ベースボール・クラシック優勝に貢献。以降は不動の正捕手としてチームを支え、2010年にはリーグ3位から日本一を成し遂げている。2014年に現役を引退し、2015年に千葉ロッテのスペシャルアドバイザーに就任。野球評論家として活躍するほか、2019年にはYouTubeチャンネル「Satozaki Channel」を開設し、人気を博している。

※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。

手数料等およびリスクについて

当社で取扱う商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(国内株式取引の場合は約定代金に対して最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された購入時手数料(換金時手数料)および運用管理費用(信託報酬)等の諸経費、年金保険・終身保険・養老保険・終身医療保険の場合は商品ごとに設定された契約時・運用期間中にご負担いただく費用および一定期間内の解約時の解約控除、等)をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引をご利用いただく場合は、所定の委託保証金または委託証拠金をいただきます。信用取引、先物・オプション取引には元本を超える損失が生じるおそれがあります。証券保管振替機構を通じて他の証券会社等へ株式等を移管する場合には、数量に応じて、移管する銘柄ごとに11,000円(税込み)を上限額として移管手数料をいただきます。有価証券や金銭のお預かりについては、料金をいただきません。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。

株式の手数料等およびリスクについて

国内株式(国内REIT、国内ETF、国内ETN、国内インフラファンドを含む)の売買取引には、約定代金に対し最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は2,860円(税込み))の売買手数料をいただきます。国内株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。国内株式は株価の変動により損失が生じるおそれがあります。国内REITは運用する不動産の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。国内ETFおよび国内ETNは連動する指数等の変動により損失が生じるおそれがあります。国内インフラファンドは運用するインフラ資産等の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。
外国株式(外国ETF、外国預託証券を含む)の売買取引には、売買金額(現地約定金額に現地手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対し最大1.045%(税込み)(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。外国株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。外国株式は株価の変動および為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
詳しくは、契約締結前交付書面や上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。

NISAのご利用にあたり、ご留意いただきたい事項
  1. 日本にお住まいの18歳以上の方(NISAをご利用になる年の1月1日現在で18歳以上の方)が対象です。
  2. すべての金融機関を通じて、同一年内におひとり様1口座に限り利用することができます。
  3. 特定預り、一般預りで保有している上場株式等をNISA預りに移管することはできません。
  4. NISA預りとして保有している上場株式等をNISA預りのまま、他社に移管することはできません。
  5. 年間投資枠はつみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円です。また非課税保有限度額(総枠)は、成長投資枠・つみたて投資枠合わせて1,800万円、そのうち成長投資枠は最大で1,200万円までとなります。なお、非課税保有限度額については、NISA口座で上場株式等を売却した場合、当該売却した上場株式等が費消していた分だけ非課税保有額(NISA口座で保有する上場株式等の残高)が減少し、その翌年以降の年間投資枠の範囲内で再利用することができます。
  6. NISA預りに係る配当金等や売却損益等と、特定預り、一般預りとの損益通算はできません。また、NISA預りの売却損は税務上ないものとみなされ、繰越控除はできません。
  7. NISA預りから払い出された上場株式等の取得価額は、払出日の時価となります。
  8. NISA預りとして保有している公募株式投資信託の分配金は非課税となります。ただし、当該分配金を再投資する際、当社ではNISA預り以外のお預り(特定預りや一般預り)でのご購入となります。
  9. 投資信託の分配金のうち、元本払戻金(特別分配金)は、NISA預りでの保有であるかどうかにかかわらず非課税であるため、NISA預りにおける非課税のメリットは享受できません。
  10. お客様のご住所・お名前・お取引店が変更となる場合または国外に出国する場合等は、所定の書類をご提出いただく必要があります。
成長投資枠のご利用にあたり、特にご留意いただきたい事項
  1. 当社が成長投資枠で取扱う金融商品は、上場株式、上場投資信託、不動産投資信託、公募株式投資信託等(ただし上場新株予約権付社債、国外の取引所に上場している株式等、外国籍の公募株式投資信託等、整理・監理銘柄に該当する上場株式、信託期間20年未満又はデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等もしくは毎月分配型の投資信託等を除く)です。
  2. 上場株式等の配当金等は、株式数比例配分方式を利用して受領する場合のみ非課税となります。株式数比例配分方式のお申込みはお取引店にお申付けください。
  3. 成長投資枠により買付けた投資信託について、原則として年1回、信託報酬等の概算値を通知いたします。
つみたて投資枠のご利用にあたり、特にご留意いただきたい事項
  1. 当社がつみたて投資枠で取扱う金融商品は、当社で選定した、法令等の要件を満たす公募株式投資信託等になります。
  2. つみたて投資枠のご利用には、積立契約(累積投資契約)を締結いただく必要があります。この契約に基づき、定期かつ継続的な方法で買付けが行われます。
  3. つみたて投資枠に係る積立契約(累積投資契約)により買付けた投資信託について、原則として年1回、信託報酬等の概算値を通知いたします。
  4. 法令により、当社は、NISA口座に初めてつみたて投資枠を設けた日から10年を経過した日及び同日の翌日以後5年を経過した日ごとの日における、お客様のお名前・ご住所について確認させていただきます。確認ができない場合は、新たに買付けた金融商品をNISAへ受入れることができなくなります。
つみたて投資枠を利用した投資信託のお取引について

購入時手数料はございません。なお、換金時には基準価額に対して最大2.0%の信託財産留保額を、投資信託の保有期間中には信託財産の純資産総額に対する運用管理費用(信託報酬)(最大1.65%(税込み・年率))等の諸経費をご負担いただく場合があります。
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とするため、当該資産の価格や為替の変動等により基準価額が変動することから、損失が生じるおそれがあります。個別の投資信託ごとに費用やリスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては目論見書や契約締結前交付書面をよくお読みください。

  • EL_BORDEをフォローする

最新記事

記事一覧

あなたへのおすすめ

記事一覧

  • 気になるテーマから投資をはじめる! テーマ投資のすすめ 詳しくはこちら

ページの先頭へ