2024.05.23 NEW
決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2024年4-5月発表分)
日本企業の2024年1-3月期の決算発表シーズンが一巡しました。今回、東証上場銘柄の中でも特に時価総額の大きい銘柄から成る「TOPIX100」構成銘柄を対象に、2024年4月1日から5月20日までの期間で決算を発表した銘柄について、発表当日と翌日の株価(終値ベース)の変化率に基づいてランキングを作成しました。
なお、ENEOSホールディングス(5020)のように、取引時間中に決算を発表した銘柄については、決算発表前日と当日の株価(終値)を比較しました。
TOPIX100銘柄 決算発表後の株価騰落率ランキング(2024年4月1日~5月20日発表分)
順位 | 銘柄コード | 銘柄名 | 決算 発表日 |
時間 | 発表日前日株価 | 発表日当日株価 | 発表日翌日株価 | 発表日当日と翌日の株価変化率(場中発表は前日と当日の比較) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(円) | (円) | (円) | (%) | |||||
1位 | 6503 | 三菱電機 | 2024年 4月26日 |
15:00 | 2,397.0 | 2,393.0 | 2,773.0 | 15.88 |
2位 | 6920 | レーザーテック | 2024年 4月30日 |
16:00 | 34,080 | 34,600 | 39,750 | 14.88 |
3位 | 8725 | MS&ADインシュアランスグループホールディングス | 2024年 5月20日 |
16:00 | 2,789.0 | 2,767.5 | 3,149 | 13.79 |
4位 | 6301 | 小松製作所 | 2024年 4月26日 |
15:00 | 4,337 | 4,264 | 4,755 | 11.52 |
5位 | 5020 | ENEOSホールディングス | 2024年 5月14日 |
13:00 | 714.0 | 790.8 | 764.6 | 10.76 |
6位 | 7733 | オリンパス | 2024年 5月10日 |
15:00 | 2,282.0 | 2,289.0 | 2,510.0 | 9.65 |
7位 | 6098 | リクルートホールディングス | 2024年 5月15日 |
15:00 | 7,000 | 7,066 | 7,710 | 9.11 |
8位 | 8309 | 三井住友トラスト・ホールディングス | 2024年 5月14日 |
17:15 | 3,283 | 3,295 | 3,584 | 8.77 |
9位 | 9021 | 西日本旅客鉄道 | 2024年 4月30日 |
15:00 | 2,963.5 | 2,994.0 | 3,250 | 8.55 |
10位 | 6501 | 日立製作所 | 2024年 4月26日 |
15:00 | 13,235 | 13,475 | 14,620 | 8.50 |
11位 | 6758 | ソニーグループ | 2024年 5月14日 |
15:00 | 11,920 | 11,965 | 12,950 | 8.23 |
12位 | 6367 | ダイキン工業 | 2024年 5月9日 |
15:20 | 22,275 | 22,825 | 24,685 | 8.15 |
13位 | 6861 | キーエンス | 2024年 4月25日 |
16:00 | 65,920 | 64,580 | 69,610 | 7.79 |
14位 | 7741 | HOYA | 2024年 5月15日 |
11:00 | 18,035 | 19,280 | 19,290 | 6.90 |
15位 | 6645 | オムロン | 2024年 5月8日 |
15:05 | 5,680 | 5,645 | 6,013 | 6.52 |
16位 | 7269 | スズキ | 2024年 5月13日 |
15:00 | 1,787.0 | 1,737.5 | 1,848.0 | 6.36 |
17位 | 8591 | オリックス | 2024年 5月8日 |
15:00 | 3,258 | 3,223 | 3,426 | 6.30 |
18位 | 4578 | 大塚ホールディングス | 2024年 4月30日 |
13:30 | 6,370 | 6,742 | 6,561 | 5.84 |
19位 | 2802 | 味の素 | 2024年 5月9日 |
15:00 | 5,752 | 5,759 | 6,089 | 5.73 |
20位 | 7832 | バンダイナムコホールディングス | 2024年 5月9日 |
15:00 | 2,979.5 | 2,975.0 | 3,141 | 5.58 |
(注1)母集団はTOPIX100構成銘柄。決算発表の対象期間は2024年4月1日~5月20日。決算発表当日と翌日(休場日の場合は翌日以降最も近い取引日)の株価終値を比較している。決算発表が取引時間中に実施された銘柄については、発表前日(休場日の場合は前日以前最も近い取引日)と当日の株価終値を比較している。上位20位を掲載している。
(注2)決算発表時間と株価変化率の枠を水色で示した銘柄は、取引時間中に決算を発表したことを表している。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
トップ3を確認します。1位は三菱電機(6503)となりました。同社は円安の恩恵もあって、2024.3期に最高益を更新し、2025.3期の会社計画も最高益更新が見込まれています。2位はレーザーテック(6920)となりました。同社は2024年1-3月期(3Q)の受注高が前年同期比2.3倍の763億円となり、半導体検査装置とサービスの両面で大幅に増加しました。3位はMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)となりました。同社は決算発表と同時に上限1,900億円の自社株買いを発表しました。また、2025.3期の1株当たり配当金予想を145円(普通配当100円、特別配当45円)としました。
業種別(東証33業種)に見ると、円安進行などが追い風となったこともあり、電気機器が最も多くランクインしました。具体的には、三菱電機、レーザーテック、日立製作所(6501)、ソニーグループ(6758)、キーエンス(6861)、オムロン(6645)の6銘柄です。
今回の決算発表シーズンでは、年初からの自社株買いが8.5兆円(2024年5月16日時点)と前年同期を大きく上回った点が注目されました。さらに、配当性向の引き上げや、株主資本配当率(DOE)の導入、累進配当の導入など、株主還元を強化する動きも目立っています。
具体的な企業の動向としては、4位の小松製作所(6301)は決算発表と同時に上限1,000億円の自社株買いを発表しました。また5位のENEOSホールディングス(5020)は現行の自社株買いを終了し、上限2,000億円の新たな自社株買いの実施を発表しました。6位のオリンパス(7733)も上限1,000億円の自社株買いを発表しています。
7位のリクルートホールディングス(6098)は、2024年3月期末のネットキャッシュ1.1兆円をM&A(合併・買収)と自社株買いなどを中心に、2026.3期までに約6,000億円に引き下げる計画を示したことが注目されました。8位の三井住友トラスト・ホールディングス(8309)は、2025.3期の1株当たり配当金予想を前期の110円から145円へと大幅に増配しました。以上の企業以外にも、株主還元を強化する動きが広く見られています。
(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)
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