2017.05.08 NEW
出世できる人がやっている 批判を受けてもストレスにしない方法
批判に対して強いメンタルを作れば人は成長できる。その方法とは?
批判を避けてはいけない理由
上司や同僚から仕事上の批判を受けたとき、あなたはどう対処しているだろうか? 一晩寝てさっさと忘れるようにしている? それとも、そもそも批判を受けないようリスク回避に専念している?
批判されることは決して気持ちのよいものではないし、ときには強いストレスになる。とはいえ、批判を受けるたびにストレスに振り回されては、ビジネスの世界では生きていけない。だからこそ他人から批判されたことを参考にし、行動を修正することで成長していく姿勢が重要になる。そのためにも批判から逃げず、批判から何かを学ぶことのできる強いメンタルが必要だ。
批判をストレスに変えない思考法とは?
批判を受けた時の一時的なストレスに振り回されず、自分自身の感じ方や考えを振り返ることのできる認知機能が「メタ認知」である。メタ認知とは、自分が感じていることや考えていることを、より高い位置から俯瞰して捉え、行動を制御することができる機能のことを指す。
メタ認知を駆使して批判を次の4つのステップに沿って分析し、対応すればストレスはグッと軽減する。
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批判を「正当」と「理不尽」に分類
- 批判には、「正当なもの」と「理不尽なもの」がある。つまり批判された対象を「修正・改善できるかどうか」だ。例えば、「周りに聞こえるように声を大きく!」という批判は、自分の心がけ次第で修正が可能で正当なものだ。一方、「どんな育ち方をしてきたんだ!」という批判は理不尽で、いまさら修正はできない。これらを分類した上で、正当な批判については真っ直ぐに受け止め、改善すればよい。
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批判の元となる価値基準を理解する
- 例えば「“入社○年目”なら言われなくてもできて当たり前」など、批判の多くは、何らかの価値基準を元に展開される。その基準が理解できれば、修正・改善の方向性が見えてくる。
例えば入社年数を基準に批判されたなら、同じ入社年次の同僚の行動を観察し、自分に不足している部分は何かを分析してみるとよい。
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批判者に疑問をフィードバック
- 価値基準を分析した結果、その基準が曖昧だと感じたら批判者に疑問をフィードバックし、明確にしよう。例えば「“できて当たり前”とは、具体的にどんな行動を期待していますか?」など。その際は口調がけんか腰にならないよう注意したい。
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受け入れるもの・スルーするものをジャッジする
- 疑問のフィードバックに対し、批判者から明確な答えがない場合は、必ずしもすべての批判を受け入れる必要はない。その場を収めるため、表面的には従うという“大人の対処法”を取りつつも、納得がいかないならスルーするのも一つの手だ。
このようにメタ認知をうまく活用できれば、批判を改善へのアドバイスとして受け止めることができる。理不尽な批判に振り回されることなく、スルーすることも可能になる。
メタ認知をうまく活用することで、批判から逃げ出さず、自分の成長の糧へと変えていこう。
- 監修:大美賀 直子(おおみか なおこ)
- 精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。メンタルヘルス、ハラスメント、職場環境改善等の研修講師、コンサルタントを務める。株式会社ハートセラピー登録カウンセラー。All About「ストレス」ガイド『なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか?』(明日香出版社)、『ストレスを軽くする32の知恵』(All About BOOKS)ほか、著書多数。