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2017.09.07 NEW

我慢や気合いはもう古い! ストレス対策の「コーピング」にトライしてみよう

我慢や気合いはもう古い! ストレス対策の「コーピング」にトライしてみようのイメージ

ストレスは我慢する時代ではない。上手に付き合うための手法「ストレスコーピング」について、ストレス対処法の専門家、伊藤絵美さんに聞いた。

我慢や気合いじゃ、もはやストレスに対処できない

あなたはストレスをためる方だろうか。それとも、ストレスを感じないほうだろうか。「自分は細かいことを気にしないので、ストレスを感じないタイプ」と自信をみせる人もいるかもしれない。しかし、残念ながらストレスがまったくない人はほとんどいない。
寝ている時でさえ、身体がベッドから物理的ストレスを感じているし、夢から感じるストレスもある。つまり、日常的には感じていなくても、知らぬ間に溜まっているのがストレスだ。

ストレス対処法の専門家、伊藤絵美さんによれば「社会構造の複雑化、価値観の多様化など、私たちを取り巻く環境は、ひと昔前と比べて大きく様変わりしている。それにともなって、ストレスも多様で複雑になっている」のだとか。

メンタル不調を訴えるビジネスパーソンが増え、社内でストレスチェックが導入されるようになったいま、「弱音を吐くのがカッコ悪い」などとやせ我慢をするのは、現代社会にはそぐわない行為なのかもしれない。こまめに気づいて対処すること、上手に付き合っていくことが大切になる。

そういう意味で、メモ用紙1枚で始められる「ストレスコーピング」は、ぜひ知っておいて欲しいストレス対処法だ。

ストレスコーピングとは何か?

ストレスコーピングとは、「ストレスへの意図的な対処」の心理的用語で、わかりやすい言葉で表現するならば「自分助け」のこと。1980年代に世界中に広まったが、アメリカでは早くから企業や学校のストレスマネジメントに取り入れられており、その効果は実証済だ。他のストレス対処法と違う特徴的な点は、自分仕様にカスタマイズできること、手軽に始められることだ。

ストレスを引き起こすきっかけや症状は、人によってさまざま。だからこそ、自分がどんな時にストレスを感じるか気づくセルフモニタリング(自己観察)をしたうえで、ストレス反応に対してどんなコーピング(自分助け、対処行動)が有効かを検証していく。この一連の流れを繰り返していくと、上手にストレスと付き合えるようになるそうだ。

セルフモニタリングでは、自分を温かく客観視しよう

まずはセルフモニタリングについて解説しよう。やり方は簡単、メモ用紙1枚あれば始められる(もちろんスマートフォンへのメモでも大丈夫)。
メモ用紙を用意できたら、そこに自分の「ストレス体験」を書き出してほしい。内容はどんなに小さいことでもOK。例えば「電車で隣に座った人がうるさくて、集中して本を読もうとしていたのに読めなかった」など、できるだけ具体的に書くことが大事だ。

書き終えたら、次に自分の中にわき起こった感情を書き留めよう。「やだな、辛いな、イライラするな」といった具合だ。ここでは、自分の負の感情を事実として受け入れ、しっかりメモするのがポイント。できない自分を卑下するのではなく、自分自身がカウンセラーになった気持ちで、温かく客観視するのだ。

コーピングで大事なのは行動と認知のバランス

続いてはコーピングについて。ここでは、起きてしまったストレスに対処するために、自分が喜んだり、気楽になったりすることを探してリスト化していく作業を行う。
「旅行」「飲み会へ参加する」などだ。行動を伴うコーピングは行動的コーピング、頭の中で行う妄想などは認知的コーピングと呼ばれるが、コーピングリストを作成する際は、行動と認知をバランスよく取り入れるのが理想的。行動だけに偏ると時間やお金を消費し、逆にストレスになることがあるからだ。そもそも、ストレスA、ストレス B 、ストレスCすべての対処法が「お酒を飲む」だと、健康にもよくないではないか。

セルフモニタリングと同様、コーピングでもリストは具体的に書くことが大事だ。「音楽を聴く」はNG。どんな曲か、どんなタイミングで聞くといいか、まで書くようにしよう。何も特別なことでなくてもいい。ため息、手洗い、トイレなどの普段のなにげない行動でも、コーピングのためにやっていると意識しながら取り組めば効果がある。呼吸は“無意識で行う行動”の最たるものだが、電車の待ち時間、レジの待ち時間などで、ゆっくり息を深く吐くと気持ちが落ち着くものだ。

参考:花子さんのコーピング日記

参考:花子さんのコーピング日記

参考:太郎さんのコーピング日記

参考:太郎さんのコーピング日記

出典:伊藤 絵美(著)「折れない心がメモ1枚でできる コーピングのやさしい教科書 単行本」

成功例を蓄積して、ストレスと上手に付き合う

伊藤さんによれば、慣れてくると「このストレスは、どのコーピングがいいかな?」と考えるのが楽しくなってくるとか。手始めに「ストレス反応Aには、ストレス対処法Bがいい」というように、自分なりの成功例をたくさん溜めることからはじめてみよう。コーピングはとにかく質よりも量! 増えるにつれて対処の幅もぐんと広がるはずだ。また、長く続けることで「ストレス対処法」の精度も高まっていくだろう。
ストレスはある意味、一生もの。上手に付き合うためにも、コーピングの習慣化をオススメしたい。

監修:伊藤 絵美(いとう えみ)

臨床心理士、精神保健福祉士、博士(社会学)。慶應義塾大学大学院博士課程修了。精神科のクリニックや民間企業でメンタルヘルスの仕事に就いた後、2004年に「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」を設立。数々のクライアントへカウンセリングを行なうほか、教育研究機関としての活動を通じて企業研修やセミナー、ワークショップも開催。

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