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2018.02.13 NEW

【質問力特集:後編】聞き出すプロが伝授! 相手が話したくなる聞き方のコツとは?

【質問力特集:後編】聞き出すプロが伝授! 相手が話したくなる聞き方のコツとは?のイメージ

質問力は話させる力でもある。インタビューのプロが使う「相手が話したくなる聞き方のコツ」を聞いた。

前編では、「相手も気づいていない意識(=インサイト)」を引き出す質問力を身につける重要性と、それがビジネスに与える影響について、中編ではモデレーターの「聞き出す技術」を左右する「質問力をどう鍛えるのか」を紹介した。
後編となる今回は、聞き出す時に使える「相手が話したくなる聞き方のコツ」について、モデレーター養成講座を運営する早尾恭子さんに聞いた。

出会って5秒が勝負!初対面の相手に好印象を持ってもらうためのコツとは?

取引関係がない企業から新しく引き合いがあったとする。当然、初対面なわけだが、上手く相手の要望を引き出す必要がある。そんな時に役に立つのが、モデレーターが消費者調査などで使っているテクニックである。

モデレーターは、初対面かつ、質問慣れしていない人たちから、限られた時間内で話を聞き出さねばならない。そのためには、第一印象で「この人だったら話してもいいな」「これから、楽しい話し合いができそうだ」とワクワクしてもらう必要がある。

人は誰でも「自分の話をしたい、理解して欲しい、知って欲しい」と潜在的に思っている。「自分の話をしてもらう場ですよ」と思ってもらえる雰囲気さえ作れれば、多くの人は自ら話し始めてくれる。これを意図的に作れるようになると「話させる力」をアップさせることができる。

そして、雰囲気作りには、空間演出も欠かせないが、モデレーター自身の演出も大事だ。「相手を全身で受け止めている」とアピールするために、下記の3点を意識するといいと言う。

  1. 洋服に気を使わないのは相手への敬意がない証拠。髪型、爪など細部まで整えること。
  2. 一番最初の挨拶では、目と目を必ず合わせて、口角を上げる。顔全体で相手を受け止めていると表すこと。
  3. 初めの挨拶ははっきりと。特に「はじめまして」の「は」は大事。母音の「あ」の口をしてから「は」と言うと、気持ち良く聞こえる。つまり、相手に心地よく受け取ってもらえる。

アタリマエのことばかりだと思うかもしれないが、案外できていない人は多い。もし初めての人に合う機会があれば「身だしなみ、笑顔、はじめまして」の3つができているかチェックして欲しい。

「聞き出す」ための5つの基本テクニックとは?

では次に、聞き出すための5つの基本テクニックを紹介しよう。

  1. 話題を限定せず、「バクッ」と聞く

    例えば、食品の調査の際にモデレーターは、「味はどうですか?」ではなく「どうですか?」と聞く。「味は」と限定してしまうと、それ以外の商品の感想を聞き出せなくなる。

    ビジネスにおいても、自社の商品やサービスに閉じた質問をするのではなく、相手のビジネス全般の話などを聞くことで、顧客が本当に必要としているものの外観が見えてくる。そこを掘り下げていくことで、クライアントの課題を解決できる提案を考えることができる。

  2. 話し始めは、ちょっとガマン

    消費者調査などでは、誰でもいきなり、話はスラスラ出てこないことが多い。慌てずに、相手の話がひと区切りするまで待つことで、本音につながる大事なキーワードが出てくる。

    ビジネスの場でも、建前や初見の相手に対して警戒心を持ってしまうもの。いきなり核心を話せるひとも少ない。上司であっても、ちゃんとまとめてから話をすることができない人もいる。話をしながら思考をまとめていくタイプの人もいるので、「ちょっとガマン」が大事になる。

  3. キーワードが出てきたら、オウム返し

    モデレーターは、本音につながる大事なキーワードが出てきたらオウム返しをする。オウム返しをすると、相手は「受け入れられた」と思うもの。リラックスして、どんどん話し始めるはず。

    「オウム返し」については、ビジネス書などでも見かけることが多いだろう。ただ、意外と活用できているビジネスパーソンは多くない。「ついつい忘れてしまう」「わざとらしく聞こえそうでやりたくない」などの理由があると考えられるが、その効果は大きいのでぜひ使ってみて欲しい。

  4. 関係ない話でもNGを出さない

    聞き出したいこととズレていても、大らかに構えるぐらいがベスト。話があちこちしたら、材料探しと思って、決してNGは出さないように。モデレーターであれば、むしろ質問の素材を見つけて、引き出したい方向へ繋がる質問をしていく。

    ビジネスの場でも、話があちこちに行く人がいる。しかし、多くの場合、自分の話に触発されて次の話題に移っていくので、そこにはなんらかの関係性が隠されている場合がある。そこを意識すると全体像が見えたり、本質がうかがえたりすることがある。

  5. 「そうなんだ!」は魔法の言葉

    定性調査のときは、たとえ聞いたことがある話でも「そうなんだ!」と、大げさに明るく返答する。リアクション大きめに演技することで、自分を騙せるメリットも。テンションを上げてヒアリングを続けた方が、場も盛り上がる。

    ビジネスの場では、「そうなんですね!」「なるほど!」などシチュエーションにあわせて言い方を変えるといい。聞いたことがある話だと、つい何か意見をはさみたくなるが、自分の知識を披露するのは別のときに任せて、まずは相手がもっと話したくなるように、仕向けるのが優先だ。

以上が、モデレーターのプロが日々実践している「聞き出す」ためのノウハウと、それをビジネスの場でどうすれば良いのかをまとめてみたものだ。
「聞き出す技術」があれば、クライアントが抱える顕在化されていない課題を引き出せる。それは、間違いなく営業や交渉といった仕事のシーンで活用できるはずだ。

「話す」「聞く」はもちろん、対面で密な関係を築くための「質問する」「共感する」といったコミュニケーションスキルが入っている「聞き出す技術」を、あらゆる職種で必要なスキルとして、ぜひ多くの人に活用してもらいたいものだ。

監修:早尾 恭子(はやお やすこ)

株式会社シー・ユー代表取締役。マーケティングの定性調査として行われる、グループインタビュー・デプスインタビューのプロ、「モデレーター」として活躍。2001年より、自社にてモデレーター養成講座を開講。学習院大学ビジネス講座講師、明星大学マーケティング講座講師、企業向けの講習も担当。著書は『モデレーター 聞き出す力』(すばる舎)。

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