野村クオリティの
デジタル・ファイナンシャル・アドバイザーを実現する
デジタル・カンパニーでは、「デジタル・ファイナンシャル・アドバイザー」の構築を目指しています。 野村證券の強みは営業パートナー(営業担当者)によるお客様サポートや資産運用の提案です。私はAIを活用し、 デジタル上でもこの強みを再現できるような新たな金融サービスを作りたいと考えています。 デジタル・ファイナンシャル・アドバイザーは、夜中でもパートナーが休みでも、今すぐに取引を検討したいという突発的な相談でも、 24時間365日いつでも対応できる存在です。資産運用の相談から事務手続き、細かな質問への回答までのあらゆるニーズを、 パートナーと同じレベルと快適さで提供できます。パートナーに相談することも、高度にパーソナライズされた デジタル・ファイナンシャル・アドバイザーを利用することも、お客様の気分やタイミングで選んでいただける。膨大な顧客データを活用することで、 こういう世界を実現したいと考えています。
“コンサルティングファームを経て転職した生命保険会社で、初めてAIに関わりました。企業が実務でAIを活用した事例はまだ少なかった時代です。 会社が新たにAI事業を立ち上げたタイミングで、ビジネスサイドでの知見があるメンバーとして参加しました。 この会社は、代理店を通して中小企業の経営者に保険商品を販売していました。代理店となるのは税理士や公認会計士の方々です。 専門家でないがゆえに営業力の差が大きく、見込み客への商品の提供機会を逃しているという課題がありました。 そこで、過去に保険にご加入いただいた方々のデータをAIで分析し、成約の可能性が高いお客様を推定しました。 そのリストを代理店に提供して営業してもらうクロスセル施策を進め、成果を上げました。この時、金融とはデータでビジネスを動かせる業界であり、 AIを活用した金融サービスに大きな可能性があると実感しました。
大きなインパクトを求めて野村證券へ
2022年4月、社会的に大きなインパクトのある仕事ができそうと感じ、野村證券に転職しました。AIを活用した新規事業開発のポジションでした。
しかし、証券業界は法規制や業界ルールが特に厳しく、顧客データは厳重に管理されています。入社当初は全くデータにアクセスできず、
本格的にAI事業に着手するには超えなければならない壁がいくつもありました。
そこで、2020年6月にリリースした「OneStock」という資産管理アプリのチームに加わり、ユーザーデータの取得や可視化、データを使ったサービスの
改善策の検討などを行いました。データに基づいて様々な施策を展開した結果、アプリの利用者数は約1年半で倍増しました。
以前は、アプリストアの口コミやユーザーからの問い合わせによって課題を見つけ、機能を改善していました。意見を寄せてくれる人の多くは投資経験が豊富なユーザーでした。
しかし、「OneStock」は投資未経験者や初心者ユーザーもサポートするサービスです。これらの人の声はなかなか反映されづらい状況にありました。
そこで、「データを利用すれば声なきユーザーのニーズも反映させられるのに」と痛感しました。
今年に入り、一定の制約下で顧客データに直接アクセスできるようになり、AIを使った施策をビジネス部門と一緒に検討できる環境が整ってきました。
まずは個人のお客様に対してのマーケティング施策や顧客体験の向上にAIを活用できないかと検討を重ねています。
製造業などとは違い、金融機関は金融商品という無形なものを扱っています。顧客と企業の間には情報の非対称性があり、だからこそビジネスが成立している部分もあります。
これまでの営業スタイルでは、お客様の興味がないものを提案してしまうこともありました。このペインをAIとデータを使って解決したいと考えています。
AIを使ってお客様のニーズを正しく推定できれば、お客様にとって必要なときに必要な商品が提案できるかもしれません。「野村證券は自分のことをよく分かってくれる」と
今まで以上に思っていただける、お客様に寄り添う営業活動を展開できる可能性があります。
野村證券はパートナーによる営業に強みがあり、レベルの高いご提案をお客様に提供しています。それを超える顧客体験をAIの活用により実現していきたいと考えています。
チャレンジングで簡単にできることはでありませんが、その分面白さを感じます。
同時に、AI活用は社員の業務効率化にもつながります。それぞれのお客様にとってベストな提案を検討する時間を短縮でき、今まで以上に商品説明などに時間を使えるかもしれません。 一日何十通とお送りするメール作成にも生成AIを取り入れれば、対面や電話のご相談により丁寧に対応できるでしょう。 AIを活用すれば、パートナーは人にしかできないクリエイティビティを発揮した業務ができるはずです。「野村は人」と言われる営業パートナーの強みをより生かすために、 AIが人をサポートし、人は人にしか出せない価値を提供するべきだと思います。
金融業界のゲームチェンジャーになる
野村證券では顧客体験の向上に向け、チャットボットやAIを使ったサービスの組み込みが始まっていますが、データやAIに対する本格的な取り組みはこれからです。 だからこそ、大きなインパクトを社内外に与える仕事ができるかもしれないと思っています。 小さな施策でも実行すれば効果は出やすく、社内の考え方は劇的に変わるでしょう。それを突破口に、元々の組織としてのポテンシャルを生かし、 金融業界のゲームチェンジャーになれる可能性もあります。デジタル・カンパニーでは、本格的にAI事業を進めるため、新たにデータサイエンティストの募集を始めました。 AI活用が進んでいる企業では既存AIモデルの運用業務も多いと思いますが、当社では535万口座、資産残高117兆円(2022年時点)という圧倒的なポジションと膨大なデータを用い、 一からビジネスを作ることにチャレンジできます。取引上のデータだけでなく、お客様とのやりとりにかかる文字データ、音声データなど種類も多岐にわたります。 新たなビジネスを作ることを面白いと感じる、ビジネスデベロッパー的な志向のある人、金融や資産形成という人生に不可欠なサービスにやりがいを見いだせる人とぜひ一緒に働きたいと思います。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。
My Project
Career
Satoshi Ishida
- 新卒
- 大手経営コンサルティングファームに入社
金融機関におけるシステム構築から業務プロセス構築まで幅広いプロジェクトに従事 - 生命保険会社でAIを活用した事業開発やデジタルマーケティングの立ち上げを経験
- 2022年
- 野村證券入社
資産管理アプリ「OneStock」の機能改善などを担当 - AIを活用した顧客体験向上、営業支援などの新規プロジェクトに取り組む