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プロジェクトをダメにするNGワードとは? 水野学のスケジュール管理術

プロジェクトをダメにするNGワードとは? 水野学のスケジュール管理術のイメージ

どんな仕事もルーティン化することで効率化をはかり、“思考のための余白”をつくることでアウトプットのクオリティを高める。水野学の「段取り力」は、限られた時間のなかで働くすべてのビジネスパーソンが参考にすべきスキルだ。

では実際に「段取り力」をつける──多種多様な仕事をルーティン化し、つつがなく進めるためには、どうすればいいのか?

前編に続き『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(ダイヤモンド社)の著者でクリエイティブディレクターの水野学(みずの まなぶ)さんに、自身も実践する具体的ノウハウを聞いた。

タスクは「時間ボックス」で管理しよう

水野学流「段取り」を実践する際にまず必要になるのは、すべての仕事を「時間ではかる」マインドだ

ある程度キャリアを積んだビジネスパーソンなら、日々さまざまな内容の業務に取り組んでいる、場合によっては複数のプロジェクトを同時に進行することもあるだろう。

たとえば、終了までに1カ月(20営業日)かかりそうなAというプロジェクトと、終了までに2週間(10営業日)かかりそうなBというプロジェクトの担当になったとする。AとBではクライアントの業種も違う。それでも、どちらの仕事も本質は同じ。やりとげるために必要なタスクは基本的に変わらない──ルーティンなのだから、等しく時間単位で管理することができる。

そうして仕事を時間単位で管理する際、水野さんは「時間ボックス」という考え方をするのだという。

「私たちは期間の短いタスクであれば比較的楽に管理することができますが、長期にわたるプロジェクトとなると、段取りができなくなりがちです。そこで、まずはプロジェクトを自分が管理できる時間サイズのタスクまで分解します」

仮に、Aを新商品の販促イベントだとしよう。イベント当日までに必要なのは、イベント内容の企画、会場の選定、ゲストの手配、香盤表の作成、リハーサルなど。その全工程をすべて並べ、それらをさらに小さなタスクに分解していく。

たとえば、Aの最初のステップである「イベント内容の企画」に必要なタスクなら、商品開発部へのヒアリング、競合他社がやっているイベントのリサーチ、コンセプトの立案などに分解できる。「1コマあたり60分」とすれば、商品開発部へのヒアリングに3コマ。イベント内容の企画には合計12コマ必要といったふうに、細かく時間で管理する。

図1:プロジェクトを管理できるサイズのタスクに分解する

図1:プロジェクトを管理できるサイズのタスクに分解する

そして次に、プロジェクトに要する時間にしたがって「時間ボックス」を用意する。終了までに1カ月かかりそうなプロジェクトAと、2週間かかりそうなプロジェクトBを同時に進めるなら、1カ月半くらいの時間ボックスが必要になる。その時間ボックスのなかに、分解したタスクを詰めていくのだ。

図2:プロジェクトをタスクに分解し、時間ボックスに詰める

図2:プロジェクトをタスクに分解し、時間ボックスに詰める

タスクがボックスにきちんと納まれば、そこから好きなコマを取り出して日々の予定を組んでいけばいい。予定表にコマを詰めていく際、ちょっとしたコツがあるという。

できるだけ各タスクの重要度などは考えず、早くやるべきものから順に、機械的に詰めていきます。テトリスのようなものとイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません」

すでに予定が入っていればその予定を避け、機械的にコマを詰めていく。コマごとに締め切りを設定しているのと同じなので、いまやるべきことが一目瞭然で、集中もしやすい。結果的に、納期厳守、タスクごとのクオリティも上がる予定表が完成するというわけだ。

「なるはや」「今日中」はNGワード

ただし、こうして組んだスケジュールを破綻させないためは、さらにいくつかのコツが必要になる。

水野さんの指南どおりに予定を組むと、短期間のタスクが小刻みに詰まったスケジュールができあがる。このスケジュール通りに進行するためには、大前提として分解した各タスクの所要時間が正確に予想されていなければならない

「自分ひとりで動くだけの仕事なら比較的時間を読みやすいですが、チームで動くプロジェクトの場合、より慎重にならないと時間を見誤ることがあります。たとえば、人にものを頼むときや人からものを頼まれたときに使いがちな『なるはや』『今日中』といったあいまいな言葉。こうした表現は使ってはダメ。『なるはや』とは何時間以内のことなのか、『今日中』とは何時までを指すのかをきちんと確認することが大切です」

また、タスクを詰めていく際、前後にバッファをもたせることもコツのひとつ。スケジュールにはトラブルが付き物。ギチギチの予定を組んだせいでトラブル対応ができず、スケジュールが破綻してしまっては元も子もない。

一方で、プロジェクトそのものの締め切りはあくまでもギリギリに設定することが重要だという。

「お尻に余裕があると、人はつい油断してしまいがちです。朝、余裕をもって目覚まし時計をセットしたために、いざ起きると『まだ時間がある』と油断して、二度寝で遅刻してしまう人っているでしょう?(笑) それと同じです。最終の締め切りはギリギリに設定しましょう」

では、水野学流「段取り」をおさらいしよう。

  1. 締め切りを確認する。
  2. 期間内にやらなければならないプロジェクトをすべて並べる。
  3. プロジェクトをタスク単位に分解し、それぞれの所要時間を設定する。
  4. 分解したタスクを、「時間ボックス」に詰めていく。
  5. タスクを実際の予定表に落とし込む。

スケジュールを制する者は仕事を制する

水野さんの口癖は「スケジュールを制する者は仕事を制する」。その言葉のとおり、あらゆる仕事をルーティン化し、小さなタスクに分解して時間で管理し、そこから生まれた「余白」を利用して仕事のクオリティを上げてきた。

仕事だけでなく、人生にも同じことがいえる。日々のタスクをルーティン化し、できた余白の部分で生活をめいっぱい楽しむ。水野さんが率いるグッドデザインカンパニーの社訓は「楽しくなければ意味がない」だ。

スケジュールを制する者は仕事を制し、生活を制する。そしておそらく、人生も制するのだ。

【お話をお伺いした方】
水野 学(みずの まなぶ)
クリエイティブディレクター/クリエイティブコンサルタント。1998年good design companyを設立。ブランドや商品の企画、グラフィック、パッケージ、インテリア、広告宣伝、長期的なブランド戦略までをトータルに手がける。主な仕事に「相鉄グループ」、熊本県「くまモン」、三井不動産、JR東日本「JRE POINT」、中川政七商店、久原本家「茅乃舎」、黒木本店、Oisix、NTTドコモ「iD」ほか。著作に『センスは知識からはじまる』(朝日新聞出版)、『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(ダイヤモンド社)など。最新刊は、2020年3月に発刊した著述家の山口周氏との共著『世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術』(朝日新聞出版)。

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