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家庭で学ぶ危険な借金の特徴—親子で学ぶお金の話(6)

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〈マンガ〉福町家のお金の話『お父さん銀行』

前回の記事でも述べたように、ローンは賢く活用すれば人生を豊かにすることができます。しかし、使い方を一歩間違えると借金地獄から抜け出せない、自己破産に追いやられるなど深刻な問題を引き起こしてしまいます。本記事では「悪い借金」についてお伝えします。

悪い借金とは何か?

まず悪い借金の特徴をみていきましょう。

1.借りる目的が良くない

住宅ローンや教育ローンなど、借入の目的が明確で、しっかりと返済計画を立てることができるものは良い借金と言えます。しかし例えばショッピングなどお金が足りなくなった時に、突発的にカードローンを利用するといった場合は、目的が「足りない分の補填」となり計画的ではありません。このような借金は、良くない借金と言えます。また、その使い方に慣れてしまうと借金がどんどん膨らんでいく原因にもなります。

2.設定されているローン金利が高い

良い借金は厳しい審査を経た結果、低い金利で借りられる傾向にあります。一方で悪い借金は借り手の返済能力(信用力)が低い、借りるにあたっての審査が甘いなど、貸し手にとってリスクの高い貸し出しになるため、金利が高くなる傾向にあります。金利が高いとその分返済の負担は大きくなり、また借入期間が長期に及ぶほど複利によって金利の負担が増えていきます。

3.返せない金額を借りてしまっている

返済計画をきちんと立てずに借りすぎている場合も悪い借金となってしまいます。家計が圧迫され、将来のための資産形成もままならなくなります。

金利の怖さを知ろう

借金を考える上で金利の考え方を理解しておく必要があります。複利で資産が増えていくのと対比して、借金も複利で増えていきます。

具体的な数字でみてみましょう。

10万円を年18%の利息で借り入れた場合の、毎月の返済額

期間(年) 借入額 毎月の返済額 総返済額
1 ¥100,000 ¥9,168 ¥110,016
3 ¥3,615 ¥130,140
5 ¥2,539 ¥152,340
注)元利均等返済方式(毎回の返済額が一定)での毎月の支払額(元本+利子)を求めており、毎月借入額が減っていくことは考慮していません。クレジット会社によって返済方法や返済金額の計算は異なります。

1年間で返済する場合、総返済額は約11万円です。5年間で返済する場合、毎月の返済額は減りますが、総返済額が約15.2万円となり、長く借りれば借りるほど総返済額が増えていくことがわかります

金利が高いと、借金が増えるスピードは思ってる以上に早くなります。

以下のような借り入れ、利用には注意が必要です。
・クレジットカードのキャッシング枠:15~18%
・クレジットカードのリボ払い:15%程度
・消費者金融での借り入れ:3%~18%

資産運用の世界では、安定した高利回りの金融商品はありません。その反面借金の世界では、高金利ローンは珍しくありません。つまりお金を増やすことよりも、借金によってお金を減らすことの方がはるかに簡単なのです。お金を管理する上で資産を増やすことは大切ですが、減らさないことも同じくらい重要だということを覚えておきましょう。

借金の使い方を間違えるとどうなる?

悪い借金をしてしまった場合どうなってしまうのでしょうか?

貯金ができない

日々の支払いに追われて資産形成のための資金の確保ができなくなる可能性があります。特に金利が高い場合、借りた金額よりも返さないといけない金額が多くなり、将来のための資産形成が難しくなってしまいます。

信用が傷つく

信用とはその人の返済能力のことを指します。返済が遅れたり、返済が困難になると信用情報に傷がつきます。信用情報が傷つくと、その後クレジットカードが作れない、ローンが借りれない、などの弊害が生じてしまいます。若いうちに傷ついてしまった信用で、その後の人生に影響が出てしまう場合があります。

人間関係が悪化する

お金に振り回されると精神的にも余裕がなくなります。その結果、家庭や職場などでの人間関係が悪化してしまう可能性があります。

「少しだけなら」という油断が大きな問題につながる可能性がありますので、気を付けましょう。

悪い借金に振り回されないために

「悪い借金」に陥ると生活に大きな影響を及ぼします。以下のポイントを心に留めておきましょう。

自分の収入の範囲内で生活をする

翌月以降の支払いやボーナス支払いなどはあてにしないようにしましょう。「今」ある資金で生活を心がけましょう。

リボ払いやキャッシングは利用しない

毎月の支払いの負担を軽減させることができることは魅力的に思うかもしれません。しかし、リボ払いやキャッシングを利用してしまうと、支払う金額は増え、完済までの期間も把握しづらくなります。

他人と比べない

どうしても他人の生活や持ち物を見て、同じものが欲しくなることがあるかもしれません。しかし、無理な借金をして生活レベルを合わせるといったことは避けましょう。一人ひとり経済状況や生活スタイルが違います。自分の収入と生活に見合った範囲で行動できることがリスク回避につながります。

相談する勇気を持つ

悩み事がある場合は、一人で抱え込まずに家族や信頼できる人、または専門家に相談しましょう。早めに相談することで、問題解決の糸口が見つかることがあります。

お子さんには、身の丈にあった生活をすることが大切だと伝えましょう。おこづかいは計画的に利用し、収支の計算をすることが大切です。一方で、親の価値観を一方的に押し付けることは避けたほうが良いでしょう。なぜなら親の価値観からずれた時に、子どもは相談しにくくなるからです。子どもが相談しやすい環境を作ることを心がけながら日々コミュニケーションをとることが大切です。

自分を守るための知識をつけよう

借金は使い方次第で人生に大きな影響を与えます。ご自身、そしてご家族など大切な人を守るためにも、悪い借金に振り回されないようにしっかりと知識をつけましょう。

編集協力:内田優帆  AFP/編集・文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室

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