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お金を稼ぐのは誰のため?何のため?—親子で学ぶお金の話(2)

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〈マンガ〉福町家のお金の話『働き方』

私たちは生活をしていく上で、あらゆる場面でお金を必要とします。モノを買う、サービスを受ける、将来に備えるなど。「お金が空から降ってきたらいいのに」と皆さんも一度は思われたことがあるのではないでしょうか。しかし実際にはありえません。お金を得るには「稼ぐ」必要があります。本コラムでは、給与所得を始めとする稼ぎ方、働き方、そしてお金を稼ぐ上で大切にしたいことについてお話しします。

確実に稼ぐのは働くこと

「働く」と聞くと企業に所属して働く会社員を思い浮かべる人も多いでしょう。会社員がお給料やボーナスとしてもらう所得は「給与所得」、退職時に受け取る退職金は「退職所得」と呼ばれます。サラリーマンは自分自身の時間を企業のために使う対価として給与所得や退職所得を得ることができます。

それに対して自分で事業をして稼いだお金を「事業所得」といいます。いわゆる「社長」や「個人事業主」の方がこれに当てはまります。給与所得に比べて売上の見通しが不安定というリスクもありますが、事業がうまくいけば給与所得とは比べ物にならないくらい増やすことも可能になります。ハードルは高いですが、会社に勤めながら副業で事業所得を積み上げていく、という方法もあります。最近では副業に対する理解を示す会社も増えており、様々なことに挑戦しやすい環境になってきています。

社会の経済活動において、働くことは人々の生活を支える重要な要素であり、生きていく上で必要不可欠な行動でもあります。また、働くことによって得られるお金で、自分や家族の生活を維持し、人生を豊かにすることができます。

資産にも働いてもらう

実は自分で働くだけではなく、お金に働いてもらうという方法があります。例えば「利子所得・配当所得」は、株式や債券などの金融商品を保有することで得られる所得のことです。働いて得た所得をさらに運用に回すことで、資産が増えるスピードを加速させていくことができます。ただし、投資にはリスクが伴うことを忘れてはいけません。

その他にも不動産や土地などを保有して他の人に貸すことで家賃などを得ることができる「不動産所得」や、一時所得、雑所得、山林所得、譲渡所得など様々な所得が存在します。基本的には労働で稼ぐ給与所得や事業所得が中心ですが、収入の柱を複数持つことはリスク分散の観点からも大切です。働いてお金を稼ぐ以外に、所得を得る方法があることを知っておきましょう。

ワークライフバランスも大切に

一生懸命働いて所得を得ることは、社会にとっても自分自身にとっても非常に大切です。一方で働くことだけではなく、日々の生活、家族や大切な人との時間、自己研鑽、趣味、健康など仕事以外にも大切にすべきことはたくさんあります。それら仕事と生活の調和を実現させることを「ワークライフバランス」と言います。様々な働き方を実現させることで、個人個人が自分に合ったバランスで仕事を選択することができます。また、働く側の満足度が上がることは、企業にとっても生産性の向上、離職率の低下、企業イメージの向上などの観点からもメリットがあるとされています。

ワークライフバランスの「バランス」についての正解はありません。自分が何を大切にしたいか、どんな人生を歩みたいのかをまずは考えてみましょう。できればご家族で話し合いができると理想です。そうすることで、自ずと何をするべきか、何を優先するべきかが見えてくるようになるのではないでしょうか。

多様化する働き方

自分やご家族が何を大切にしたいかがわかれば、働き方について考えてみましょう。近年、働き方や収入の形態が多様化しており、それぞれの人に合った働き方を選ぶことができるようになってきています。人生のステージの変化に応じて柔軟な働き方をすることで、人生をより豊かなものにすることができます。仕事と生活のバランスを考える際は、
1. 働きやすい環境か
2. 柔軟な勤務時間の設定や希望する場所で働けるか
3. スキルアップやキャリアアップはできそうか
4. 収入以外の達成感や、やりがいはあるのか
これらの点を考慮することが大切です。

最近では在宅勤務やフレックスタイム制、副業・兼業など、様々な働き方が認められるようになってきました。

避けるべき稼ぎ方

お金を稼ぐ方法を考える際に注意しなければならないのは、違法行為や非倫理的な方法は絶対に用いてはならないということです。特殊詐欺などの違法行為は、絶対に自分や周りの人の幸福にはつながりません。

健全な方法で稼ぐことが、持続可能で幸せな人生につながります。もし「簡単に大金が稼げる」といった話を持ちかけられたら、鵜吞みにせず、それが本当に正当な方法なのか、慎重に考える必要があります。

お金は感謝の対価

お金は、誰かの役に立ち、その人に喜んでもらえたことへの感謝の気持ちが形になったものです。正しい方法で稼ぎ、そのお金を有効に使うことで、自分自身も周りの人も幸せになれる、そんな稼ぎ方を目指しましょう。

親子で「どんな仕事をしたい?」「どんな人の役に立ちたい?」「お金をどう使いたい?」「何を大切にしたい?」といった話をすることで、お金や仕事に対する価値観を一緒に育んでいきましょう。

編集協力:内田優帆  AFP/編集・文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室

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