年金
これから年金を受給される方の中には「一番得な方法で受給したい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
公的年金の受取開始年齢は原則65歳ですが、「繰上げ」や「繰下げ」が選択できるようになっています。「繰上げ」は受給開始年齢を60歳~64歳に早めて年金を受け取ることができますが、繰り上げた期間に応じて、1カ月あたり0.4%(1年間で4.8%)年金受給額は減額されます(注1)。
一方、「繰下げ」は受給開始年齢を上限75歳(注2)まで遅らせることができます。繰り下げた期間に応じて、1カ月あたり0.7%(1年間で8.4%)年金受給額は増額されます。この、減額率や増額率は一生変わりません。
以下の図のように、受給開始年齢による受給累計額を比較すると、長生きであれば「繰下げ」が、早く亡くなるのであれば「繰上げ」がベストな選択ということになりますが、当然ながら何歳で亡くなるのかは誰にもわかりません。
つまり、「一番得な方法」には、答えがないのです。
(注1)昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は0.5%。
(注2)昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)まで。
※ 減額率・増額率はいずれも額面に対してであり、給与との併給調整や、税・社会保険料等を勘案した手取りではない。