野村ウェルス・マネジメントのチーム
お客様を最もよく知る
存在になりたい
ゴールへと導くためにプロの知見を総動員
遠藤 沙弥香 営業企画部
- 2009年、新卒で転居を伴わないエリア限定コースで野村證券に入社。町田支店、成城支店(当時)、自由が丘支店でのパートナー経験を経て、2024年4月から営業企画部に配属
ウェルス・マネジメント部門のパートナーは、富裕層のお客様に最も近い位置で伴走する存在。野村證券が培ってきた資産運用の知見をお客様にお伝えし、社内外の様々な分野に特化した専門家とお客様の出会いを創出する最初のきっかけとなる。東京都内の支店で課長として課を率いながら、多くの富裕層のお客様と接してきた遠藤沙弥香が、パートナーとしての信条を語る。
- 野村では、最も信頼できるパートナーとしてお客様に選ばれる金融サービスグループでありたいとの思いから、営業担当者を「パートナー」と呼んでいます。
お客様のお話を聞くことから始まる
入社以来、東京都内3か店でのパートナーを計15年間経験しました。思い起こせば就職活動のときは、一生ものの金融知識を得て成長できる業界として金融業界を意識し、そのなかで出会った社員の皆さんが魅力的だったという理由で野村證券に入社しました。そして15年経ってみた今は、最も私を成長させてくれているのは、お客様との出会いだと実感しています。
私よりはるかに人生経験をお持ちのお客様が、仕事で何を大切にされてきたか、人生で何をかなえたいのか――お話を伺うのがいつも楽しみでした。
特に課長に昇格した後は、代々その土地に根差している富裕層のお客様を多く担当させていただきました。お客様個人の要望に応えるだけでなく、資産の重みを感じながら、将来にわたってご家族全体が安泰であるために何が必要かを常に考えていました。「世代を超えてお守りする」という意識です。
次世代へと資産を残す道のり
ご夫婦ともご高齢の、あるお客様を前任者から引き継いだとき、お客様は「十分資産があるのだから、今後は新たな資産運用をするつもりはない。相続対策も積極的にしなくてもいい」というお考えをお持ちでした。資産運用についてサポートできる余地は少なく、頻繁にお会いする用事もありません。ただ、お客様は自社株や不動産、有価証券など多岐にわたるご資産をお持ちでした。今はニーズが顕在化していなくても、将来的には様々な対策をしていくことでもっとご資産をお守りすることができるだろうと想像がつきました。
そこで、定期的な資産状況やマーケット情勢のご説明の際に、資産運用や相続対策のご提案はほとんどせず、ご主人様のお話を聞くことから始めました。ご家族についての想い、過去のお仕事の思い出話……お会いするたびにそれまで知らなかったご主人様の人生に対する価値観を伺えるのが楽しみでした。
そして数年間経ったある日、初めて「まずは、他社に預けている資産を野村にまとめて管理したい」というご要望をいただいたのです。複数の金融機関にご資産が分かれている状態から、一カ所にまとめる先として野村を選んでくださったことはとてもうれしく、株式の移管手続きなどを丁寧に行いました。その過程で、「今後、自分に万一のことが起きた時のこともあなたに相談にのってもらいたい」というお言葉もいただくことができました。
ところがその後、悲しいことにご主人様はご病気にかかり、闘病の末ご逝去されました。様々なご資産を引き継ぐことになった奥様のもとへ、お悔みを申し上げるとともに今後の相続手続きのご相談に、ハートフルパートナーと一緒に伺いました。野村のハートフルパートナーとは、ご高齢のお客様の資産承継などを専門に担当するパートナーです。奥様からは「夫の相続を経て、家の資産をつないでいくには事前の準備が必要だとわかった。子供たちへの資産承継の計画をたてる相談に乗ってほしい」というご意向を伺い、ご家族にとって適切と思える承継方法をご提案することになったのです。
ご主人様を亡くされ環境が大きく変わるなかで、将来の相続を見据えた対策を始めるのは大変なご決断です。そのときまでは、奥様とはじっくり話したわけではなかったのですが、もしかしたらご主人様の価値観や想いに応えようとする姿勢を評価してくださったのかもしれません。考えうる承継プランを複数ご提示する中で、奥様自身が最も納得された、お子様だけでなく、お孫様世代も含めた承継プランを実行するにいたりました。
数年かけてファミリーの皆様と接し、ご主人様の想いを残して次世代へとご資産を守る過程に携われたことに深く感謝しました。
お客様の中長期のゴールをともに探す
通常、パートナーは多くの時間を、お客様ごとに適切だと思われる資産ポートフォリオの構築とそのメンテナンスについてご提案することに充てています。
お客様によっては、「短期で利益が狙えるものを教えてほしい」という期待をお持ちの方もいらっしゃいます。しかし私はパートナーとして、中長期的にリスクコントロールしながら資産運用・資産管理を継続いただき、お客様の将来のゴールを実現するお手伝いが使命だと感じています。
インフレに負けない運用をしたい、代々受け継いだ資産を次世代につなぎたい、終の棲家を整えたい…お客様一人ひとり、ニーズは異なります。お客様の潜在的なニーズまでを言語化したうえで、社内外の様々なプロフェッショナルの知見を総動員し、より良いご提案へとブラッシュアップします。
お客様自身、中長期目線でのゴールを明確にお持ちとは限りません。何を優先するべきなのか、その時々によっても揺れ動きます。時間をかけてお客様の気持ちをお伺いする過程で、通常の資産運用にとどまらないソリューションが必要になることがあります。
不動産活用の大規模承継 社内専門家のチームアップ
10億円規模の有価証券を保有するお客様の相続・贈与プランの策定・ご提案に携わり、実行に移す段階で社内外の様々なプロフェッショナルのチームアップをした経験があります。
このお客様には、不動産仲介に関する専門部署である不動産業務部、資産額が大きいお客様の数多くの相続・贈与事例を知る提携税理士、借り入れにおける支援を行う野村信託銀行、それぞれの分野のプロフェッショナルと連携し、包括的なご提案を進めていました。
私はお客様のニーズを鑑みると、特に不動産の活用を軸にしたプランが適していると考えており、当初お客様自身もその方向性に賛同されていました。ただ、いよいよ具体的に実行するという段階まで来た時、お客様に迷いが生じていらっしゃるように感じたのです。
言葉にされることはなかったものの、「お子様だけに多額の資産を残すことが果たして本当にいいのか」「ご自身の事業に尽力してもらった方にも報いたいという気持ちもある」「そもそももっと社会貢献になる使い道があるのではないか」など、お客様のなかで様々な想いがあり、逡巡されているように見えました。
私は、お客様が迷われているだろうこと、これからお悩みになられるかもしれないことについて仮説を立てて検証し、チームの専門家たちとも相談しながら、様々なパターンでプランを再検討しました。当初、合理性を重視していたものを一から見直し、ご資産ごとにお客様がどのような思い入れをお持ちで、誰にお渡しするのが適切か、お客様の立場になって真剣に考え、複数の選択肢をご提案しました。
その過程で、お客様の中でもやもやしていた気持ちが整理されたようで、取るべき対策が明確になりました。そこでチームの動きを加速させ、ちょうど良いタイミングで適した物件をご紹介することができたのです。お客様が十分に納得する形でプランを実行することができ、私の責任を果たすことができたと安堵したのを覚えています。
私たちは、多くの富裕層のお客様の相続に関するお悩みに対峙した経験があり、それぞれのプロフェッショナルの分野で引き出しを多く持っています。ワンチームで対応できるのは野村の強みだとあらためて感じました。
揺れ動くお客様の気持ちを予想する伴走者に
専門家が集うチームのなかでも、私自身はお客様の気持ちの変化を最もよく理解している良き伴走者のような存在でありたいと、思い続けてきました。順調に手続きが進んであと一歩で終わるという段階だとしても、お客様の気持ちが揺れ動くようでしたら立ち止まります。ゆっくりとお客様のゴールに向かって進んでいけるよう、他にいい方法はないか、考え続けます。
新しいお客様にお会いする前には、徹底的にお客様の情報を頭に入れ、どのようなご提案が適切かという仮説を立てていますが、答えは一つではありません。お話を聞いているうちに、これまで相談を受けていなかったご資産や夢の話をしてくださることがあります。私を信頼してくださったんだから、もっといいご提案ができるように努力しよう、と気持ちを新たにします。
その経験を生かして、今の部署では全国35か店の担当部店と本社との橋渡しをする役割を担っています。本社から、現場に向けてヒントになる視点を伝えたり、現場の意見を吸い上げるためにインタビューをしたり、新しい挑戦をしています。目の前の相手の話を聞き、相手のために何ができるかを愚直に考える。そんなコツコツ型の努力を続けていきたいです。