野村ウェルス・マネジメントのチーム
M&A、事業承継、ビジネスマッチング…
あらゆる可能性から法人支援のベストを尽くす
様々な専門家が揃う本業支援プロ集団
本田 佳則 法人ソリューション部長
- 2005年入社。複数の支店にてパートナー経験を経て、株式会社野村資産承継研究所に出向し、事業承継コンサルティング業務に従事。その後帰任し、ソリューション&サポート部やプライベート・バンキング部共同部長を経て、2024年法人ソリューション部長に就任。
ウェルス・マネジメントがサポートする対象は、個人の資産管理や相続といったものだけではない。野村には、長期にわたり法人とオーナーに伴走しながら、さまざまな経営課題と向き合い、事業の拡大や承継を成功に導くプロフェッショナルが集うチームがある。2024年4月に5つの部署のユニットが統合して生まれた、法人ソリューション部だ。M&A(企業合併・買収等)や事業承継、ビジネスマッチング、人材紹介、知的財産の活用まで、企業経営のあらゆる課題にワンストップで応える。弁理士や事業会社経験者など多様な専門家が揃ったチームで、金融の枠を超えた幅広いソリューションを提供する。
「お客様にとってベストな選択肢を提供する――例えそれが野村のビジネスにならなくても。」法人ソリューション部で部長を務める本田佳則のモットーだ。個人のお客様の資産だけでなく、法人のお客様の未来も共に見据えて包括的にサポートする。それが、野村のウェルス・マネジメントである。
- 野村では、「お客様から最も信頼される相手として選ばれたい」という思いから、営業担当者を「パートナー」と呼んでいます。
お客様起点で考える、野村ならではの柔軟性
法人ソリューション部は、全国の法人のお客様のあらゆる企業経営の課題に対して幅広いソリューションを提供する部署です。2024年4月に5つの部署のユニットが統合され、スタートしました。M&Aや事業承継のサポート、ビジネスマッチング、人材紹介、知的財産コンサルティング、新規案件開発などの様々な本業支援機能をワンストップで提供できるようになりました。
パートナー経験者だけではなく、弁理士や事業会社経験者など、社外からも様々な専門家が集まり、多様なサービスを提供できる体制を整えています。
私たちの部署が接するお客様は、非上場のオーナー企業が中心で、売上規模は数億円から数千億円規模まで実に幅広いです。その多くは、全国のパートナーからの相談がきっかけとなって始まります。
例えば、パートナーがお客様と資産管理や日本経済や市況の見通しなどのお話をする中で、自然とお客様が経営される法人の話題になることがあります。そこから「事業拡大のために足りないピースがある」「実は承継について悩んでいる」といったご相談に発展し、私たちに「お客様の経営する企業でこんな課題があるのだけど、何かできないか」といった話が持ち込まれます。法人の業種や地域など偏りはありません。
私たち野村の強みは、パートナーも私たちの部署も目線を同じくして、お客様の課題発見や課題解決に向けてフラットに向き合えることです。部署や部門間で衝突があり、連携が難しい場合があるのではと思われるかもしれませんが、野村の組織にはそういった垣根がないのが特徴です。
最近増えているのは、M&Aのご相談です。M&Aの支援としては、初めから「会社を売りたい」という相談は、ほぼありません。まずはお客様の現状把握とお考え・思いの整理から始まり、提携候補先についての検討、具体的なスキーム立案、調査・分析、交渉、そして契約締結に至るというのが、一連のプロセスです。リサーチャーや投資銀行サービスを提供するインベストメント・バンキング部門等と連携して野村でサポートを完結させることが可能です。また、お客様のご要望によっては、野村のネットワークを活用して外部の提携会社をご紹介することもあります。しかし、M&Aを実行することがベストとは限りません。M&A ありきではなく別の選択肢はないのか、お客様と会話をし、私たちが積み上げてきた経験値の中からあらゆる可能性を提案します。
製造業オーナーの決断を支え、新たな成長への道を開いた
売上高が数百億円規模の製造業の会社を営んでおられたお客様を担当した経験があります。社長がお亡くなりになり、ご家族が引き継がれました。2、3年経営を続けられましたが、「先々のことを考えて、自分が元気なうちに会社を売却したい」とM&Aのご相談をいただきました。従業員のことも考え、責任ある承継を望んでおられました。
私たちはM&Aのプロセスを進め、買い手候補の方との面談も実施いたしました。しかし、その過程でお客様のお考えが変わり始めたのです。周りの環境が変化し、ご自身が新たな事業に取り組み始めたところ、予想以上にうまくいきました。おそらく、会社経営の面白さに目覚められたのだと思います。
そこでM&Aは見送り、新規事業を加速させるための人材紹介のご提案に切り替えました。野村は人材紹介サービスを提供する企業とも提携しているため、お客様が手がけたい新規事業のプロジェクトリーダーとなる人材をアサインするお手伝いができます。この方向転換に際して、法人ソリューション部の中でM&Aを担当する課と、ビジネスマッチングなどを担当する課が連携しました。普段の会話の中で「こういうお客様がいるけれど、他の方法で何か支援もできることはないか」と情報交換しているなかで、出てきた提案でした。
現在、そのお客様は楽しみながら経営を続けておられます。もしM&Aのサービスを専門とする会社であれば、この場合は「サービスの提供を終了する」ということになるでしょう。しかし、これに対して私たちは長期的な視点を持ち、お客様の人生にとって最適と考える選択肢を提示することを心掛けています。お客様の人生が輝くためなら、一度進んでいた方向を変えることに迷いはありません。
親子の対立を乗り越えた、建設会社の事業承継
数代続く建設会社のオーナーからご相談を受けました。オーナーは当初、役員を務めるご子息様を後継者にすることを考えられていました。地元の皆様からも後継者と期待されていたのではないかと思います。しかし、コロナ禍で売上高が低下した際、お父様は「この先の市場を考えたときに、子どもに会社を継がせていいのだろうか」と悩まれていました。
その後お父様は、市場環境の悪化を懸念し、ご子息様に苦労させたくないという思いから会社を売却する意向が強くなられていました。しかし、ご子息様は納得していませんでした。親子で意見が分かれ、感情的な対立が生まれていました。
私たちは、パートナーとともに富裕層の課題解決を行うプライベート・バンキング部と連携し、それぞれと別々に面談を重ねました。お二人の間に入ってお互いの気持ちを伝えあう役割を果たしながら、お父様の思いとご子息様の思いを丁寧に聞き取りました。そして第三者の立場から、日本経済全体の状況、業界の見通し、M&Aを選択した場合のメリットとデメリットを客観的にご説明しました。
法律上は、株式を持つお父様が決断すれば売却は可能です。しかし、家族の中で亀裂が生まれることは避けたい。お父様もご自身の判断の根拠を理解してもらいたいと願っています。私たちは、お父様がなぜ売却の判断をしたのかを論理的に説明できるようサポートしました。
最終的に、お父様は会社の売却をご決断されました。ご子息様も私たちの説明を通じて、お父様の判断を理解されたと感じています。地域の名士が自社を売却するというご決断は、相当な覚悟が必要だったと思います。そのプロセスの中で何度か心が揺らぐ場面もありました。しかし、従業員や取引先を守りたいという強い思いが伝わったこと、そして適切な買い手が見つかったことで、納得のいく形で法人の売却を完了することができました。
この経験を通して実感したことは、M&Aはただの取引ではないということです。家族の思い、地域社会との関係、従業員の将来、すべてを考慮しながら、最善の道を探る。それが私たちの役割です。
若き起業家の成長戦略を、野村の総合力で支援
将来IPO(新規上場)を実現することを目指すIT企業の経営者からのご相談がありました。「IPOを行いたいが今すぐには難しい、投資家から集めた資金を未上場企業へ投資し、経営改善や成長支援を通じて企業価値を高める、PE(プライベートエクイティ)ファンドの力を借りて成長を加速させたい」というご要望でした。
この経営者は、経営や財務の面から、現在のままでは成長に限界があるとお考えでした。経営コンサルティングを受けるだけでなく、PEファンドの資本を活用することでさらなる成長の足掛かりにしたい、PEファンドと提携し、数年後の上場を目指すという明確なビジョンをお持ちでした。
このような起業家や二代目社長からのご相談も、近年では増加傾向にあります。後継者がいないからM&Aをするというパターンとは異なり、自分はずっと経営者として活躍したいが、さらなる成長のためにPEファンドとの資本・業務提携を行いたいというニーズです。取引所の上場審査基準が厳しくなっていることもあり、こうした選択肢を考える経営者も少なくありません。
この案件では、野村の総合力を発揮しました。具体的には、リサーチの強み、PEファンドとのネットワーク、そして法人ソリューション部のコーディネート力等が一体となってお客様の成長戦略を支援できるのは、野村ならではの強みだと思います。
現在、この経営者はPEファンドとともに上場を目指して奮闘されています。売却によって資金を手にされましたが、その多くを再出資し、引き続き第一線で活躍されています。若くて起業家精神に溢れた経営者と長期的にお付き合いができることは、私たちにとっても大きな喜びです。
ビジネスマッチングと知的財産で、新たな価値創造へ
M&A以外にも、私たちが力を入れているのがビジネスマッチングです。「販路を拡大したい」「優良な企業と繋がりたい」というご相談は非常に多く、年間あたりの件数としてはM&Aを上回ります。
野村には、法人会員が利用できるビジネスマッチングプラットフォーム「Trynibus」(トリニバス)があり、会員の方がご自身でマッチング先を探す仕組みもご用意していますが、私たちも積極的に課題を解決できる企業とのマッチングを提案します。重要なのはお客様との会話から、本当の課題を見つけ出すことです。そのためには、お客様の事業内容を深く理解し、何が本質的な課題なのかを一緒に考える必要があります。
また、法人ソリューション部の大きな特徴として、知的財産の活用があります。知的財産コンサルティングを行っていた弁理士などの専門家が、部の統合によって加わりました。お客様の持つ特許や技術をプロフェッショナルが分析し、IPO、M&Aやビジネスマッチングに活かしています。
野村のビジネス成功にこだわらず提案し続ける
私が法人ソリューション部長として最も大切にしているのは、お客様起点で考えるということです。野村のビジネスの範囲内だけでソリューションを考えると、できることは限られます。お客様が何にお困りなのか。それを解決するために、世の中全体でどんな選択肢があるのか──。そこから考え始めます。
部員にも伝えているのは、「野村のビジネスありきで成約しなくてもいい」ということです。お客様にとってベストと考える選択肢が他社にあるのであれば、それを提案することもあります。野村で成約できなくても、お客様との信頼関係を築いていれば、資産のご相談は野村にお寄せいただける。ビジネスパートナーとして信頼していただくことが、長期的には野村の利益に繋がると信じています。
金融機関がM&Aに関わる意味は、そこにあります。成約して終わりではなく、お客様の人生は続いていきます。会社を売却した後の資産管理、相続のお手続き、ご家族の将来設計。長期にわたって寄り添い続けることができるのが、野村の強みです。
法人ソリューション部の評価制度についても、成約数だけを追うのではなく、プロセスも重視しています。一定の段階以上まで案件を進捗させることができれば、それを評価します。M&Aは数年かかることも珍しくありません。短期的な成果だけでなく、チャレンジしたこと、失敗から学んだことも評価の対象となります。
私自身も成約の瞬間が一番うれしいということはありません。成約はスタートでもありますし、それよりもお客様が「実は…」と今まではなかった話をしてくださったり相談をいただけたりした時や、ソリューションを提供し「野村のおかげで」と感謝された時が一番うれしい瞬間です。お客様と真摯に向き合い、最善を尽くした時に得られる達成感こそが、この仕事の醍醐味だと思います。これは、部員も同じ気持ちだと思います。この意識の高さが、法人ソリューション部の文化を作っています。
今後は、これまで相談をされなかったようなお客様からご相談を受けられるようになることを目指しています。野村は資産管理だけでなく、経営や事業のサポートもできる。そのことが広く知られれば、お客様との繋がりはさらに深まります。
法人オーナーの皆様にとっては、個人資産も自社の事業も、すべてが自分ごととして繋がっています。その全体を見据え、包括的にサポートできる。それが、野村のウェルス・マネジメントの真髄です。法人ソリューション部は、その柱の一つとして、これからもお客様に寄り添い続けます。
- 記事の中で個別の商品やサービスに言及することがありますが、本稿はNOMURA WEALTH MANAGEMENTの目指す姿についてのご理解を深めていただくためのもので、個別の商品やサービスの勧誘を目的としたものではありません。
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野村のソリューション・サービスのご紹介 資本ソリューション
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直接金融のリーディングカンパニーである野村證券は資本に対する幅広いソリューションを有しております。
お客様の資本状況や目標を詳細に把握し、戦略的なアプローチを通じて、持続的な企業成長を実現するためのソリューションを提供いたします。
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野村のソリューション・サービスのご紹介 資産承継ソリューション
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専門知識が求められる不動産の承継も含めて、資産承継に対して伴走します。
遺言信託、生命保険、ラップ信託等、多くのソリューション活用を含め、税負担の軽減や納税資金の効率的な準備をサポートいたします。
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野村のソリューション・サービスのご紹介 ビジネス・ソリューション(本業支援)
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企業の「コア・ビジネス」を支援するためのサービスを提供しています。お客様のビジネスニーズや目標を理解し、さらなる成長につながるよう支援いたします。また、お客様との信頼関係を築きながら、共に成長していくことを大切に考えております。