セカンドライフをもっとハッピーに! 夢をかなえる『マイライフノート』の使い方

2020年12月23日

ひと昔前に大ブームとなった「エンディングノート」のことは、ご存知の読者も多いだろう。しかし、いわゆるエンディングノートとは一線を画する「とあるノート」、『マイライフノート』(日本経済新聞出版社)はご存知だろうか?

『マイライフノート』というのは、自分の人生を振り返りながら“これからの未来をより幸せなものにするための道筋”を綴る、書き込み式のノートのこと。2010年の刊行以来、改訂を重ねながら現在は第5版、10年に渡って支持されるロングセラーとなっている。

今回はその『マイライフノート』の開発に携わった野村證券 信託銀行・保険事業部の石田充宏(いしだ みつひろ)に、人気の秘密や制作秘話、使い方などについてお話を伺った。

エンディングノートのイメージを一新する、“未来志向”のノート

『マイライフノート』は、いわゆるエンディングノートと比べて、どのような点が異なるのでしょう?

ネーミングの影響もあってか、エンディングノートというと人生の終い支度、つまり“終活”のイメージが強いですよね。実際、既存のエンディングノートは、“もしもの時”をテーマにしたものが多く、「自分史を書きのこしておきたい」「亡き後、家族が相続で揉めないように」「葬儀で困らないために」と手にとる方がほとんどだと思います。

一方、私たちが制作した『マイライフノート』は、セカンドライフを心豊かに設計するためのノート。これからの人生をポジティブにとらえるための“未来志向”である点が、大きな特徴となっています。

『マイライフノート』は「ノート編」と「知識編」の二冊構成になっています。特に「ノート編」はハードカバーの美しい作りで、エンディングノートのイメージが覆りました。

自分らしく輝く人生を実現するためのノートですから、明るく、上品で、温かみのあるデザインを目指しました。洗練されたデザインには、チームの中心となって構成、編集を行った女性メンバーの力が結集されています。

好評発売中。お求めの際は、主要書店やインターネット書店などへお問い合わせください

「ノート編」は、「心のアルバム」「夢のキャンバス」「財(たから)のクローク」「私のメッセージ」という4つの章で構成されていますが、ここに綴られるのは、のこしておきたい大切な思い出やこれからかなえたい夢、引き継いでいきたいお金のこと、大切な人へ伝えたい想い。

書き終えたときには、ご自身にとっても、ご家族にとっても宝物のような1冊になるように――。そんな願いを込めてデザインしました。

「知識編」を開くと、こちらはセカンドライフのライフ&マネープランに、住まいのこと、健康のこと、相続・遺言、葬儀やお墓のことと、多岐に渡る内容が網羅されていますね。

これからの人生を一層充実させようと考えたとき、夫婦で旅行に行きたい、住み替えをしたいなど、さまざまな希望があることと思います。そして、そうした夢を実現させるには、どうしてもマネープランや資産管理が必要になります。また、健康のことや介護のことを第一に考える方もいらっしゃるでしょうし、お墓や葬儀のことを予め自分で決めておきたいという方もいらっしゃるかもしれません。

「知識編」は6章立てになっており、「これからの人生」を考える際に必要な情報を手軽に参照することができる

でも、何かきっかけがないと、そういうことを真剣に考える機会ってなかなかないですよね。なので、この冊子が「自分はこれからをどうデザインしたいか? どう過ごしたいか?」を考えるきっかけになってほしいという思いを込めて、幅広い内容を盛り込みました。

金融のプロの手による、実践的な資産運用の知恵が満載

セカンドライフのマネープランというと、「リタイア前までに築いた資産をどう使うか」「どう残すか」に意識が向きがちですが、『マイライフノート』では資産運用についてもしっかり解説されていますね。

「知識編」では、金融資産を「育てるお金」「楽しむお金」「守るお金」に色分けし、「夢へのお金」を作ることを提唱しています。マネープランとライフプランは、いつでもセット。「どんなセカンドライフを送りたいか」という目的が明確になると、準備しておくべきお金、守るべきお金もクリアになります。

出典:『マイライフノート 知識編』<改訂5版> (日本経済新聞出版社)

私たちは金融のプロでもあるので、シニア世代のみなさんに“知っていただきたいお金のこと”をギュッとわかりやすくまとめています。

「手元にあるお金でどう暮らすか」だけでなく、夢にむかって「お金を育てる」という考え方も必要なんですね。

その通りです。とはいえ、かなえたい夢や目的によって、許容できる運用リスクはどの程度なのか? 運用期間はどのくらいに設定するべきか? といったことが変わってきます。だからこそ、「まずは夢を書き出してみる」ことがおすすめです。金融商品を選ぶ際にも、より自分の希望に合うものを選びやすくなるし、相談もしやすくなると思います。

確かに、自分で考えるだけでなく、プロのアドバイスを参考にすることも大事ですね。

『マイライフノート』を手にする石田

資産のこと、住まいのこと、健康のことなど、それぞれの分野の専門家に相談しながらプランを練っていけば、より安心して、自分らしく楽しめるセカンドライフの人生設計ができるはずです。

野村證券では、『マイライフノート』のコンセプトを元にした、「野村のハッピーライフセミナー」も開催しています。楽しみ、住まい、健康、相続、もしもの時など、各テーマのプロフェッショナルの実践的なセミナーが好評で、2013年の開講以来、延べ27万人を超えるシニアの方にご参加いただいているんですよ。2020年10月より新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてオンライン開催を始めましたので、ご興味があればぜひご参加ください。

大切な想いを伝えて、相続を「想続」に

『マイライフノート』の中に書かれた「お金ばかりが財産ではない、心の資産も大切である」という言葉も印象的でした。

多くのお客様のお話を伺うなかで、実感していた言葉なんです。たとえば、お母様がのこした『マイライフノート』にお金以上の価値がある、とおっしゃっていた方もいらっしゃいました。そこには子どもたちの名前の由来や、娘の結婚相手についての温かいメッセージ、家族の思い出などが、丁寧にいっぱい書かれていたそうです。

「ノート編」には、大切な人たちへのメッセージを綴るページも設けられている
出典:『マイライフノート ノート編』<改訂5版> (日本経済新聞出版社)

ところどころ付箋が貼ってあったりもして、ページをめくるたびにお母様の心が伝わってきた、と。そして、「相続や遺言の内容についても、お母様の想いとともに受け取ることができたから、誰ひとりとして不満を感じる人はいなかった」と話してくださいました。

素敵なエピソードですね。

遺言ではのこすことはできない大切な宝物って、きっとどなたにもあるはずです。それは、家族とともに過ごした大切な時間だったり、幼いころから食べてきた我が家の定番レシピだったり、次の世代にまで伝えていきたい先祖の教えだったり――。

そうした想いをつないでいくことは、お金に換えられない財産をのこすことでもある、と感じています。心の資産はプライスレスですよね。

遺言作成というと、「縁起でもない」「うちには必要ない」と敬遠してしまう人もいらっしゃいます。その点、『マイライフノート』なら、未来への展望を持ちながら、ご自身のため、家族のための備えも行うことができますね。

そうですね。夫婦でいっしょに書いているという方もいらっしゃいますよ。「夫婦であらたまって話すのはちょっと照れくさかったけれど、『マイライフノート』がいいきっかけになった」とか。ノートの装丁も上質で美しいので、父の日や母の日、敬老の日のプレゼントや、お誕生日や退職のお祝いなどに贈るケースもあると聞いています。

『マイライフノート』を書き始める“適齢期”はありますか?

『マイライフノート』を書くのに、早すぎる、遅すぎる、ということはありません。「これまでの人生を振り返って自分史を書いておきたい」「これからの人生を自分らしくデザインしたい」「日頃伝えられない感謝の気持ちを記しておきたい」など、自分なりのきっかけができたときに、始めてみてください。

もちろん、すべてのページを埋めようと気負わなくても大丈夫。書きたいときに、書けることを書けばいいくらいの気持ちで、まずは気軽にペンを持っていただけたらと思います。


プロフィール

石田 充宏(いしだ みつひろ)

野村證券株式会社 信託銀行・保険事業部 業務企画課長

太陽神戸三井銀行(現三井住友銀行)勤務を経て、2006年に野村證券に入社。銀行代理店ビジネスの新規立ち上げに携わる。2008年より相続コンサルティングに関わる業務全般を担当。