相続対策から資産寿命を延ばす工夫まで シニア世代の金融機関の上手な活用法

2024月1月25日

超高齢化が急速に進む日本では、65歳以上の認知症者の数が、2025年には約700万人に達するといわれており、同世代の約5人に1人が認知症になるとの予測もある※1。こうした中、ある日突然、自分に何かあったらどうしようか…と、少なからず考えたことがある人もいるだろう。ただ、人間だれしも、目の前で起こっていることへの対処は率先して行えるものだが、未知の将来に備えて動くというのはなかなか難しい。ましてや、かつてないほどの超高齢化が進む中で、将来に備えてどういった準備が必要なのか自身だけで想像して対処するのはさらに難しい。今、こうした高齢者の行動などについて研究する「老年学(ジェロントロジー)」の分野も注目をあびている。各金融機関でも、そのニーズにマッチしたサービスのラインアップを充実させてきている。

※1 出典:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス総合サイト」

野村證券では、こうした超高齢化社会の資産管理ニーズにいち早く注目し、主に70歳以上のお客様が長期的な視点に立ってお悩みをご相談いただける「ハートフルパートナー」という専門職を設けている。

これからの超高齢化社会に備えて、自身の資産運用・資産管理はもちろんのこと、次世代への資産継承をスムーズに行うためにはどんな準備をしておいたらよいのか。「ハートフルパートナー」の角田里江(すみた りえ)に、話を聞いた。

お客様と一緒に、お金のお悩みの解決にあたります

金融機関に向けて、シニア層からはどんなニーズがあるのでしょうか?

野村證券では、築き上げてきた資産を、どう次世代に受け継いだらよいのだろうか? というご相談にこれまで数多く対応してきています。野村證券と聞くと、資産運用のお話でしょ? と、お思いになるお客様が多いのですが、実は運用だけでなく、お金にまつわるお悩みに広くご相談に乗ることができます。

【野村證券にご相談いただける内容(一例)】

  • 相続に向けての対策や、効率的な贈与プランのご提案
  • 不動産の整理や査定にまつわるお困りごと
  • 老人ホームやリフォームなど、住まいに関するご相談
  • 家業を、誰に、どう、引き継いでいくかのご相談
  • 不要になった美術品、コレクション品等の査定・ご売却業者のご紹介
  • 資産寿命をより延ばすためのゆるやかな資産運用
  • 遺言の作成
  • 相続の手続きや、納税費用のご準備

など

野村證券では、シニア層の方々が将来を見据えたときに、ご心配ごととして挙げていただく項目については、すべてお応えできるように、野村證券ならではのネットワークを活用して、信頼できるご紹介先の選定など、いつでもご相談いただける体制を整えております。もちろんご自身で、不動産業者を探したり、入居したい老人ホームを探すことも可能でしょう。ただ、野村證券にまとめてご相談いただければ、安心して任せられる提携先のご紹介とあわせて、資金に関する不安についても解決策をご提案できると考えています。また、こうした対策に、ご自身だけで取り組もうとすると、先延ばしになりがちで、一向に前に進まないというケースが多々ある反面、実は早く取り組めば取り組むほど、解決策の選択肢が多いという現状があります。そこで、野村證券では、シニア層に特化したお悩みの解決のエキスパートとして、ハートフルパートナーという専門職を置いています。こうしたシニア層特有のお悩みについては、対処したいと思い始める年齢もお客様によってさまざまです。お客様が、いざお考えになりたいと思ったときに、お気軽にご相談いただけるよう長期的な関係を築いてサポートにあたっています。

シニア層特有のお悩みは、「誰に相談するか?」で解決策が大きく変わります

たくさんの金融機関に資産が分散しているが、どうすればよいのでしょうか?

シニアのお客様の多くは、銀行や証券会社など複数の金融機関に口座をお持ちのことと思います。若いころであれば目的別に使い分けるといったメリットもあったと思いますが、高齢になると、ご自身の資産の全体像が見えにくくなるといったデメリットの影響が大きくなってきます。将来を見据えて資産設計を考える場合には、大変な作業になるとは思いますが、まずは、利用していない金融機関の整理から始めてみるのがよいと思います。その上で、生涯にわたって相談できる窓口の金融機関をパートナーとしてお選びいただいてはいかがでしょうか? 相続や終活に向けての対策は、人それぞれに実現したい思いも違いますが、誰にアドバイスをもらいながら対策を考えるかでも結果が大きく変わることがあります。野村證券ではハートフルパートナーが要となり、お客様に必要な人材やアイディアを集め、お客様のニーズによりよい形でお応えしていきます。

【税理士について】

相続税の申告は税理士にお願いしたいというニーズは多いと思います。日ごろから事業をされている方であれば、信頼できる税理士がそばにいるから…とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、相続の制度は、毎年変更される部分もあり、相続の業務に長けた税理士ならではの提案で、よりお客様のお力になれることも多々あります。野村證券では、提携している税理士の中から、相続業務を専門とし、当社のお客様の申告業務を何度も経験している税理士などをご紹介することが可能です。
また、申告手続きの段になってから、初めて税理士にご依頼いただくのではなく、相続発生前から、じっくり考える時間があれば、ゆくゆくの二次相続(配偶者が相続人に含まれない相続)までを想定した相続プランをたてることもできます。配偶者がご存命で相続をする場合と、子のみで相続をする場合では、子のみのケースのほうが、税負担がより大きくなるのが一般的です。配偶者が相続人となる一次相続の段階から、二次相続の対策を考慮した相続プランを考えることで、将来のメリットをより大きくできる可能性があります。こうした長期的な視点での提案は、相続を専門とする税理士だからこそのご提案といえます。

【不動産について】

不動産を多く所有している場合や、ご自宅の資産価値が高い場合などでは、不動産が相続対策のカギになることが多々あります。そうした中で、不動産単体として不動産業者にご相談いただくよりも、資産や相続財産のひとつとして、総合的に判断したほうが、ご家族にとって、よりメリットの大きい相続になる可能性があります。野村證券では、相続・贈与税専門の税理士の提案のもと、不動産についても、保有し続けたほうがよいのか? それとも売却し、現金化したほうがよいのか? など、ご家族にとって、よりよい資産継承となるご提案から、不動産の売買までを一貫してサポートすることができます。

【有価証券について】

野村證券のお客様であれば、株式などの証券資産をお持ちの方が多く、さらにはそのメリットを大きく享受してきたという方も多いのではないでしょうか。ただ、一般的には証券も、不動産と同様に、分割しにくい資産となるため、売却してしまおうというお考えの方も多いかもしれません。昨今の低金利が続く時代の中で、東証プライム市場に上場している銘柄においては、配当利回り3%を上回る銘柄も多く見られます。次世代に資産を引き継ぐ際に、すべて現金化してしまうというのは、もったいないと思える一面もあります。どうしても現金が必要だという場合には、証券等を担保にお金を借りるという選択肢もあります。もし、そのローン金利が、お持ちの証券の配当利回りよりも低いのであれば、そのまま証券を保有しつつ、ローンを活用して相続対策を行い、次世代においても資産運用を続けていくという手段もあります。こうした商品を活用いただくことで、より次世代の幸せにつなげていけるのではないかと考えています。

【ご家族について】

日本では認知症患者の数も増えつつあり、子世代からは、高齢になった親がどんなお金の使い方をしているのか心配という声も絶えません。一方で、資産を引き継がせる側からしたら、資産運用の経験のない子や配偶者へ、自分の大切な資産をこのまま引き継がせるのは心配という声も聞かれます。お金のこととなると、家族間では、なかなか面と向かってお話ししづらいこともあるかもしれません。そこに、あえて第三者が入ることでうまく話が進むケースもあります。野村證券では、そうした家族間のお話し合いのお手伝いもさせていただいております。ぜひ、ご家族を巻き込んで、みんなが良かった! と思える資産継承を準備してみてはいかがでしょうか。

図:お客様のお悩みを解決する野村證券のコンサルティング体制

図:お客様のお悩みを解決する野村證券のコンサルティング体制

生涯にわたって運用に関するご相談も可能です

シニアになると、ご相続に関するご心配ごとを挙げる方が多いですが、もちろん、何歳になっても積極的な運用を続けていきたいと考えていらっしゃる方も多いと思います。野村證券では、既にお付き合いいただいていますお客様のメインの担当者に加え、相続対策などのご相談のニーズがより高いお客様に向けて、私たちハートフルパートナーがサポートさせていただく体制を整えております。運用についてのご相談は、引き続きメイン担当者へ、そして相続やシニア世代に特化したお悩みに関しては、ハートフルパートナーにご相談いただければと思います。こうした二人体制でお客様をサポートさせていただくことにより、メインの担当者が異動した場合にも、お客様の思いや、方針をいち早く次の担当者に引き継げるといったメリットもあります。シニアになればなるほど、慣れ親しんだものからの大きな変化は避けたいものです。ぜひ、私たちハートフルパートナー※2も交え、ひとつでも多くのお客様のお悩みや不安を解消いただけたらと考えております。

※2 現在、お客様からのより多くのニーズにお応えするために、ハートフルパートナーの人員を拡大中ですが、人数が限られているためご利用いただけない場合もございます。

相続対策に『まだ、早すぎるかな!?』は、ありません

投資の神様とも呼ばれるウォーレン・バフェットは75歳の時点で、ご自身の莫大な資産の大部分を慈善財団に寄付する方針を発表し、自分の子が代表を務める財団にも多くを与えています。現在93歳で存命ではありますが、投資の達人は、大切な資産の次世代への引き継ぎを、早いうちから検討していたことが分かるエピソードです。人生100年時代といわれる今、自分の体力も気力も旺盛なうちに、しっかりとご自身の資産の道しるべをつけておきませんか? ハートフルパートナーがあなたの人生に寄り添って、すばらしいライフプランの実現をサポートいたします。