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#調査

60代がいちばん不健康? 調査データから読み解く、同世代たちの健康事情

公開日:2019年09月11日

更新日:2021年12月08日

やりたいことや、行きたい場所。食べたいものに読みたい本など。「人生100年時代」と呼ばれる時代を迎えようとしている昨今、ただ「長生き」をするだけでなく、いつまでもアクティブに活動し続けたいというニーズが以前にも増して高まっている。

そんなアクティブな生活を送るためには、「健康」が不可欠。同世代の人たちは、どのような健康状態にあるのか? 健康を維持するために行っている取り組みは? 気になる同世代の健康事情を、調査データから紹介!

健康寿命をいかに延ばすか

日本の平均寿命が年々延びているというのは、よく耳にする話。しかし、平均寿命が延びるにしたがって注目を集め始めている「健康寿命」という概念は、もしかしたら聞いたことがないという人も多いのでは?

健康寿命とは、「病気やけがで日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。2000年にWHO(世界保健機関)が提唱して以来、いろいろなところで用いられ始めているキーワードだ。

いくら「平均寿命」が延びたとしても、「健康寿命」が短ければ、せっかく長生きしているのに、その寿命を使ってアクティブに活動することができていないということになる。

下図は、厚生労働省のデータをもとに作成した、日本人の平均寿命と健康寿命の推移を表したグラフだ(図1)。こうしてみると、男女ともに年々健康寿命が延びているとはいえども、平均寿命と健康寿命の間には、依然として大きな開きがあることが見てとれるだろう。

図1:平均寿命と健康寿命の推移(男女別)

図1:平均寿命と健康寿命の推移(男女別)

平均寿命については、2010年につき厚生労働省政策統括官付参事官付人口動態・保健社会統計室「完全生命表」、他の年につき「簡易生命表」、健康寿命については厚生労働省政策統括官付参事官付人口動態・保健社会統計室「簡易生命表」、「人口動態統計」、厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室「国民生活基礎調査」、総務省統計局「人口推計」より算出。

出典:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書―令和時代の社会保障と働き方を考える―」より編集部作成

同世代は健康のために何をしている?

では、人生100年時代を満喫するために重要といわれる健康寿命を延ばすためには、具体的にどのような努力をするべきなのか? まずは、50代から70代の男女2,026人に健康状態をたずねたアンケートの結果から、同世代の取り組みをみてみよう。

上記アンケートにて、「あなたは、健康のために行っていることはありますか(複数回答可)」とたずねたところ、上位は「栄養バランスの良い食事を心がける」、「定期的に健康診断を受けている」、「食べ過ぎないようにする」という結果に。

回答を年代別にみると、年齢が上がるにつれて、健康に気を使っている人の割合も高くなる傾向が見てとれる(図2)。

図2:あなたは、健康のために行っていることはありますか。(複数回答、上位3つ抜粋)

図2:あなたは、健康のために行っていることはありますか。(複数回答、上位3つ抜粋)

全国の50歳~79歳の男女2,026名を対象にした当社インターネット調査(調査委託先:マクロミル)。2021年8月3日~8月5日、8月18日~8月20日に実施。

また、「病気や症状のなかで、あなたが現在気になるものをお選びください(複数回答可)」という設問では、「老眼」(47.7%)、「視力の低下」(32.3%)に次いで、「高血圧」(29.4%)、「筋力低下」(28%)といった回答が上位に入る結果に(図3)。

図3:病気や症状のなかで、あなたが現在気になるものをお選びください。※ご自身に症状があるかどうかは問いません。症状がなくても気になるものがあればお選びください。(複数回答、上位4つ抜粋)

図3:病気や症状のなかで、あなたが現在気になるものをお選びください。※ご自身に症状があるかどうかは問いません。症状がなくても気になるものがあればお選びください。(複数回答、上位4つ抜粋)

全国の50歳~79歳の男女2,026名を対象にした当社インターネット調査(調査委託先:マクロミル)。2021年8月3日~8月5日、8月18日~8月20日に実施。

「老眼」、「視力の低下」などへの対策はなかなか難しいものの、「高血圧」や「筋力の低下」などについては自らの努力で改善ができる可能性がある。そうした意識が、図2の「栄養バランスの良い食事を心がける」、「食べ過ぎないようにする」などが上位に来る結果へ繋がっているのかもしれない。

このように、多くの人が健康に対する何らかの努力を行っている50代から70代。健康に気を使っている結果なのか、同じ調査で自身の健康状態についてたずねたところ、どの世代においても7割以上が自身の健康状態を「よい」と思っているという回答結果が得られた(図4)。

図4:自身の健康状態を「よい」と思う人の割合

図4:自身の健康状態を「よい」と思う人の割合

全国の50歳~79歳の男女2,026名を対象にした当社インターネット調査(調査委託先:マクロミル)。2021年8月3日~8月5日、8月18日~8月20日に実施。

夫婦の「楽しみ」には「健康寿命」と「資産寿命」が不可欠!

以上、同世代たちの健康状況について調査データをみてきた。

人生100年時代をより充実したものにしたいというのは、多くの人に共通する願いのはず。では、同世代夫婦はどのように“今”を楽しんでいるのだろうか?

同アンケートにて「あなたは、コロナ禍前の1年間で、『夫婦二人だけ』で、どのようなことをしましたか」とたずねたところ、1位は「外食」(54.7%)、次いで「国内旅行」(34.2%)が多い結果になっている(図5)。

ちなみに、国内旅行の平均費用は「16.43万円/年」となっている。この金額を、高いとみるか、安いとみるか。

図5:あなたは、コロナ禍前の1年間で、「夫婦二人だけ」で、どのようなことをしましたか。※配偶者と一緒にしたことをお知らせください。(複数回答、上位3つ抜粋)

図5:あなたは、コロナ禍前の1年間で、「夫婦二人だけ」で、どのようなことをしましたか。※配偶者と一緒にしたことをお知らせください。(複数回答、上位3つ抜粋)

全国の50歳~79歳の男女2,026名を対象にした当社インターネット調査(調査委託先:マクロミル)。2021年8月3日~8月5日、8月18日~8月20日に実施。

全体のn数は、「既婚者(配偶者あり)」と回答した人数。

最終的な目標である充実した人生を送るために、「外食」や「国内旅行」といった活動を制限なく楽しむことが出来るよう、「健康寿命」だけでなく、「資産寿命」(これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間)にも早いうちから意識しておく必要があるのではないだろうか。

食事や旅行などやりたいことに取り組み続け、充実した人生が送れるように、自身の健康と資産運用の状況について見直してみてはいかがだろうか。