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#調査

あなたは準備できている? 50~70歳代の介護不安を調査結果から紹介

公開日:2019年10月09日

更新日:2021年12月22日

子どもたちも無事に独り立ちし、これでやっとひと安心……。これからは自分のために時間を使いたい。そう考えている方も少なくないのでは?

しかし、その前に考えておきたいのが「親」のこと。「親にはいつまでも元気でいてほしい」と考える人は少なくないはず。しかし、現実問題として「介護」などの問題は容赦なく迫ってくる。今回は、同世代の「介護のリアル」を、調査データから紹介する。

あなたにとって親とは

そもそも、あなたにとって親とはどのような存在であっただろうか?50代~70代の男女2,026人に親の存在について聞いたアンケートの結果を見てみると、「母親」に対する印象は「やさしい」、「父親」に対する印象は「頼りになる」という回答がそれぞれ1位という結果に(図1)。

図1:あなたにとって母親、父親はどのような存在でしたか?(複数回答、最大3つまで)

図1:あなたにとって母親、父親はどのような存在でしたか?(複数回答、最大3つまで)

全国の50歳~79歳の男女2,026名を対象にした当社インターネット調査(調査委託先:マクロミル)。2021年8月3日~8月5日、8月18日~8月20日に実施。

項目別にみると、「やさしい」というイメージについては母親の印象が突出して高くなっていることが目立つ。対して、「厳しい」というイメージについては父親の印象が高くなっている。

とはいえ、父親に対して「怖い」というイメージを抱いている人は少なく、それ以上に「尊敬できる」「頼りになる」などの回答が多くなっている。

これらから見て取れるのは、「自分のことを理解し、常に味方でいてくれる優しい母親」と「厳しくとも頼りになり、尊敬できる父親」という両親の姿だ。

いずれにせよ、「うっとうしい・邪魔」「怖い」などのネガティブな印象を持っているという回答は非常に少なくなっており、多くの50代~70代が両親のことを大切な存在として認識していることがわかる結果となった。

準備不足が不安を招く

しかし、そうした大切な親たちも、いずれ介護が必要になる年齢を迎える。「親または義父・義母を介護することに不安を感じているか」を尋ねたアンケート結果をみると、全体の44.2%、特に50代は49.9%が親の介護に不安を抱えているという結果になった(図2)。

図2:親または義父・義母を介護することに不安を感じている

図2:親または義父・義母を介護することに不安を感じている

全国の50歳~79歳の男女2,026名を対象にした当社インターネット調査(調査委託先:マクロミル)。2021年8月3日~8月5日、8月18日~8月20日に実施。

全体のn数は、「親・義父・義母がいる」と回答した人数。

各構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。

こうした不安は、何に由来する不安なのだろうか。可能性の1つとして考えられるのは、介護に対する「準備不足ゆえの不安」というものだ。

同アンケートにて、「親または義父・義母の介護について準備をしているか」を尋ねた結果をみると、「準備をしている」という回答は、60代で25.5%、不安を特に抱えている50代にいたっては19.6%という結果になっている(図3)。

図3:親または義父・義母の介護について準備をしている

図3:親または義父・義母の介護について準備をしている

全国の50歳~79歳の男女2,026名を対象にした当社インターネット調査(調査委託先:マクロミル)。2021年8月3日~8月5日、8月18日~8月20日に実施。

全体のn数は、「親・義父・義母がいる」と回答した人数。

各構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。

子どもに不安を残さないために

多くの人が両親を大切に思っており、なおかつ介護に不安を覚えているにもかかわらず、介護の準備はできていない。具体的な準備は難しい部分があるかもしれないが、それでも「いざ」というときに必要となるお金だけは用意しておきたいもの。

公益財団法人 生命保険文化センターが行った調査によると、介護にかかる費用の平均は約581万円(月額平均8.3万円×介護期間平均61.1ヶ月+一時費用平均74万円)となっている(図4)。

図4:介護に要する費用と介護を始めてからの期間

図4:介護に要する費用と介護を始めてからの期間

出典:公益財団法人 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」より編集部作成

全国の世帯員2人以上の一般世帯4,000名を対象にした留置調査。2021年4月10日~5月16日に実施。

この金額を、多いとみるか、意外と少ないとみるか。しかし注意しておきたいのは、ここで示されている金額はあくまで「平均」でしかないという点だ。

平均の年数以上に長く介護が続いた場合、当然かかってくる費用の金額も大きくなる。しかし大切な親だからこそ、そうした金銭的不安から十分な介護環境を提供できないという事態は避けたいもの。

また、加えて考えなければならないのが、「両親」への介護負担だけでなく、「自分」が年老いたときに子どもたちが背負う負担だ。普段から健康に気を使っていたとしても、突然の病気などで介護が必要になってしまう可能性は否定できない。そうしたときに、自身の介護費を貯えておくことができていれば、子どもたちも安心することができるはず。

大切な両親や、愛すべき子どもたち。大事な家族に、お金の面で負担はかけたくない。これを機に一度、資産の見直しを検討してみてはいかがだろうか?