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#調査

健康維持のためにしている対策は?――50代~70代の健康事情

2020年9月9日

人生100年時代を健やかに生き抜くために大切なのが、介護や支援を受けることなく日常生活を送れる“健康寿命”を延ばすこと。毎年のように到来する猛暑に加え、今年は予期せぬ新型コロナウイルスが猛威を振るうなど、近年は健康管理がますます重要になっている。

そこで今回は、定年を迎える60代前後の年代を対象にした調査データから、同世代が健康のために日々どのようなことを意識し、健康にどれくらいのお金をかけているのか見ていこう。

健康に気を使っている人が86%

そもそも、60歳以上ではどのくらいの人が普段から健康に気を使っているのだろうか? 株式会社ネオマーケティングが実施した調査を見ると、「とても気を使っている」と回答した人は33%、「やや気を使っている」と回答した人は53.1%にもなっている。対して、「あまり気を使っていない」「全く気を使っていない」と回答した人は合計で13.9%(図1)。

男女合わせて、実に86.1%の人が健康に関心を持ち、健康でいることを意識して生活している。

図1:あなたは普段から健康に気を使っていますか。(単一回答)

図1:あなたは普段から健康に気を使っていますか。(単一回答)

出典:ネオマーケティング「シニアの健康に関する調査」

全国の60歳以上の男女1,000名を対象にしたインターネット調査。2015年9月30日~10月1日に実施。

規則正しい生活と、運動と休息

では、普段から健康に気を使っている人が多いこの世代は、健康のために実際どのようなことをしているのだろうか?

株式会社リサーチ・アンド・ディベロップメントが50代~70代を対象に実施した調査によると、「健康のためにしていること」で、男女ともに全年代で最も多かった回答が「規則正しい生活」。特に70代では約80%もの人が、健康維持のために普段から規則正しい生活を意識していることがわかった(図2)。

また、男女ともに「適切な運動をして身体を動かすようにしている」という回答が約30%~50%となり、規則正しい生活の次に、運動を心がけていることがわかる。

図2:健康のためにしていること

図2:健康のためにしていること 図2:健康のためにしていること

出典:株式会社リサーチ・アンド・ディベロップメント「シニアレポート2016」

50代~70代の男女を対象にした調査。2015年10月に実施。

さらに、同じ調査にある「体力と衰えに対する感覚と対策」について訊ねたデータを見ると、「体力の衰えが気になる」「疲労が残らないように体を休めることを心がけている」と回答している人は75~79歳では男女とも約50%にまで及んでいる(図3)。

つまり、年齢が上がるにつれて体力が衰えるのは避けられないが、適度な運動で体力をつけていきつつ、疲労を貯めないように休息してバランスを保っている。そのようにして、加齢と上手に向き合った日々の健康管理を行う人が増えているのだろう。

図3:体力の衰えに対する感覚と対策

図3:体力の衰えに対する感覚と対策 図3:体力の衰えに対する感覚と対策

出典:株式会社リサーチ・アンド・ディベロップメント「シニアレポート2016」

50代~70代の男女を対象にした調査。2015年10月に実施。

健康も資産も、定期的なチェックが大切!

そもそも、いま自分の身体は健康なのかどうなのか? それを把握するために、まずは自身の健康状態を知るところから始めていかなければならない。もし異常があるようなら、それを早い段階で発見し、今すぐ治療に専念するべきだろう。

会社勤めの人であれば毎年義務付けられていた健康診断だが、定年退職後には補助もなくなってしまうため、医療機関での定期的な健康診断をおろそかにしてしまっている人も多いかもしれない。

厚生労働省の「健康意識に関する調査」によると、一般的に定年を迎える65歳以上の人のうち、定期的に健康診断を受けている人は59.3%(図4)。この世代の高い健康意識(86.1%)から考えると、この数字の低さは少々意外と言えるだろう。

図4:定期的に健康診断を受けている

図4:定期的に健康診断を受けている

出典:厚生労働省委託「健康意識に関する調査」

2014年2月21日~2月26日に実施。

当然ながら体調が悪くなってから病院に行くだけでなく、医療機関で定期的に健康診断を受けておくことは、シニア世代の健康維持には重要だ。

ちなみに一般的な健康診断の費用は病院にもよるが5,000円~20,000円ほど。数年に1度は受けておきたい人間ドックの費用は、スタンダードなコースで30,000円~40,000円。他にも、「脳ドック」なら30,000円~50,000円、「心臓ドック」なら10,000円~50,000円ほどと、“健康”のチェックや維持にはそれなりの費用が必要となる。

しかし、年齢が上がるにつれ健康を保つ重要性が増していくのと同様、定年退職後は、いつまで豊かなセカンドライフを維持できる資産が続くのかという“資産寿命”にも留意が必要になる。

つまり、これから先も健康を保つために重要なのは、前もって資産の健康も計画的に保っていくこと。ときにはプロのアドバイスを聞きながら、資産の長期的な維持を目指していくことが大切だ。

普段から身体の健康に気を使い検診を受けるのと同様に、いまの資産の健康をチェックして資産寿命を延ばすために、ぜひこの機会に資産管理のプロによる診断を受けてみてはいかがだろうか。