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#調査

自分と家族のための「終活」―元気なうちに終活を始めて、安心できるセカンドライフを

2020年11月11日

たとえば、せっかく残した資産を家族がどう分けるかで揉めてしまったり、自分が残した身の回りの物をどう処分するかで家族を悩ませてしまったり。自分にもしものことがあったときに家族が困ってしまうなんてことは、誰しもが望んでいないはず。

最近では、資産の整理などを元気なうちに済ませておく「終活」が話題になることも増えています。実際にはどのくらいの人が「終活」を意識しているのだろうか?

シニア世代の約75%が「終活」に積極的

株式会社ハルメクが60~74歳のシニア世代を対象に実施した調査によると、終活を「既に行っている」という人は全体の38.9%。「これから行う予定」と回答している35.5%を合わせると、74.4%の人が終活を行う意欲を持っていることがわかった(図1)。

ちなみに終活を行う意欲についての男女差を見ると、終活を「既に行っている」人と「これから行う予定」の人の合計が、男性68.1%に対して、女性では80.8%となっている。男性よりも女性の方が終活に対する意識が高いようだ。

図1:「終活」実施状況

図1:「終活」実施状況

出典:ハルメク 生き方上手研究所調べ「シニア男女720名に聞いた「終活」に関する意識と実態調査」

60~74歳の男女720名を対象にしたインターネット調査。2018年11月に実施。

では、終活をしようと考えている人は、どのような理由や動機で終活を始めようと思うのだろうか。

楽天インサイト株式会社が実施した調査によると、20代~60代で終活をする意向がある人の「終活をする(したい)理由」は、「家族に迷惑をかけたくないから」が75.9%でダントツという結果となっている(図2)。家族など周囲の人に迷惑をかけないように、自分できちんと人生の最期の準備しておこうと考えている人が多い。

これだけ多くの人が家族のことを考えて終活を意識していることから、「終活をするかしないか」というお題は、もはや自分だけの問題ではないということがわかる。

図2:終活をする/したい理由(複数回答、上位5つ抜粋)

図2:終活をする/したい理由(複数回答、上位5つ抜粋)

出典:楽天インサイト株式会社「終活に関する調査」

全国の20~69歳の男女を対象にしたインターネット調査。2019年4月10日~11日に実施。

とはいえ、その必要性を感じたからといって、誰もがスムーズに終活に取りかかれるわけではないだろう。実際、「終活」の意向がある人に、「終活」について不安に感じることを聞いた調査では、36%の人が「何から手をつけたら良いかわからない」と回答している(図3)

図3:「終活」について不安を感じること(複数回答、上位5つ抜粋)

図3:「終活」について不安を感じること(複数回答、上位5つ抜粋)

出典:楽天インサイト株式会社「終活に関する調査」

全国の20~69歳の男女を対象にしたインターネット調査。2019年4月10日~11日に実施。

終活において大切なことは?

多くの人が意欲的な終活であるが、実際にどのようなことを行うのだろうか。

楽天インサイト株式会社の調査によると、「終活」において、しておきたいことのトップは「財産整理」で62.5%。次いで「家の中の荷物整理」(55.8%)、「エンディングノート・遺書の作成(法的効力はないが、意志を伝えられるものの作成)」(43.2%)といった結果になっている(図4)。

図4:「終活」において、しておきたいこと(複数回答、上位5つ抜粋)

図4:「終活」において、しておきたいこと(複数回答、上位5つ抜粋)

出典:楽天インサイト株式会社「終活に関する調査」

全国の20~69歳の男女を対象にしたインターネット調査。2019年4月10日~11日に実施。

「財産整理」や「荷物整理」といった回答が1位と2位になっている通り、現在の預貯金を把握しておくことはもちろん、不動産や証券、宝石類、骨董品などを所有していればそれらの価値を確認し、改めて自らのすべての資産を見直しておくことは終活において重要だ。

また、家族がある人なら配偶者や子どもたちが相続するために、財産はもちろん、特に分与が難しい土地や建物、宝石類などの物品については、誰に相続して欲しいかという希望を明確にしておくことも大切だ。もちろん、一方的に押し付けても相続する側は困ってしまう可能性があるため、事前に相談しておくと迷惑をかけずに済むかもしれない。

思わぬ出費も? 元気なうちから終活に取り掛かろう

すでに終活を行っている人に「終活にかかった費用」を聞いた調査では、その平均額が「253.6万円」という結果に(図5)。もちろん資産の多寡などによってかかる費用は大きく変わるが、終活には思いのほかお金がかかるケースもあるようだ。

図5:すでに行った終活にかかった金額

図5:すでに行った終活にかかった金額

出典:ハルメク 生き方上手研究所調べ「シニア男女720名に聞いた「終活」に関する意識と実態調査」

60~74歳の男女720名を対象にしたインターネット調査。2018年11月に実施。

終活は、自分1人だけで行っていくには大変なもの。自身が亡くなった後に周りに迷惑をかけるよりも、生前にできるだけ周りの人に協力してもらいながら準備をしていく方がよいだろう。何から始めればいいかわからなかったり、資産の整理などが大変だと感じたりしたら、相続をサポートしている野村證券に相談してみてはいかがだろうか。