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50代~70代が健康面で後悔したこととは?―同世代の健診事情

2021年04月27日

人生100年時代といわれる昨今、気になるのは「健康寿命」というキーワード。これはWHO(世界保健機関)が2000年に提唱した指標で、「平均寿命」から寝たきりや認知症など、日常生活が制限されてしまう期間を差し引いた、心身ともに健康な期間のこと。

厚生労働省が発表している2016年のデータを見ると、日本人男性の「平均寿命80.98歳」に対して「健康寿命72.14歳」。日本人女性は「平均寿命87.14歳」に対して「健康寿命74.79歳」と、「平均寿命」と「健康寿命」には大きな差があることがわかる。

人生をより楽しく充実したものにするためには、この健康寿命を伸ばすことが不可欠。とはいえ、歳を重ねると誰しも何らかの病気になったり、カラダのあちこちが痛くなったりするもの。そうした不調にいち早く気づくためには、やはり定期的な健康診断が大切になる。

では、50代~70代の人たちは、どのくらいの頻度で定期健診を受けているのだろうか?

50代~70代が受けている定期健診は?

全国の50代~70代の男女1,030名を対象に、2020年10月30日~11月9日に実施した調査によると、82.4%の人が一年以内に何らかの定期健診を受けていることがわかった(図1)。

健診の内容を見ると、男女全体では「人間ドック」(51.2%)、「歯科」(38.4%)、「がん検診」(19.7%)がトップ3。男性では「人間ドック」の受診率が50代・60代で6割を超えているのに対し、女性ではすべての年代で5割以下という結果に。一方、「歯科」検診や「がん検診」、「骨粗しょう症」については全年代で女性の受診率の方が圧倒的に高くなっていた。

この結果を見ると、男性は「人間ドック」を定期的に受診する人が多く、女性は「骨粗しょう症」などの自身が気になるリスクに応じて、さまざまな健診を受ける傾向があるといえそうだ。

図1:直近一年間で受けた定期健診(複数回答)

図1:直近一年間で受けた定期健診(複数回答)

全国の50歳~79歳のマクロミルモニタのうち、(1)既婚者、(2)孫がいる者、(3)世帯年収1,000万円以上(退職者は現役時の年収)の条件で抽出した男女1,030名を対象に、2020年10月30日~11月9日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

健康管理についての「失敗」や「後悔」は?

今回の調査では、自身や家族の健康管理についての「失敗」や「後悔」、「やり直したいこと」についても聞いた。さまざまな回答が寄せられた中でも多かったのは、以下のような「健診」についての後悔だ。

<健診の重要性に関する声>

  • 10年ぶりに健康診断を受けて、以前は何も引っかかる箇所がなかったのに何箇所も指摘された。40代後半からの身体の変化に気をつけていなかったことを後悔した。(女性61歳)
  • 健康診断で良い結果が出た後、気がゆるんで暴飲暴食等して次の健康診断で再検査項目が複数出た。(男性71歳)
  • 症状を放置していたらひどいことなった。結局手術することになった。(女性65歳)
  • アプリなど先進的なサービスで健康に関するデータを手軽に得たいと思うことがある。(女性68歳)

その他にも以下のように、運動や過剰なダイエット、健康器具やサプリメント、保険の加入に関して「後悔している」という声があった。

<運動や保険などに関する声>

  • 若い頃から定期的に運動していなかったことを後悔している。(男性50歳)
  • 健康器具を購入しても長続きしない。ダイエットのサプリメントを定期購入して飲み忘れで大量にあまらせた。(女性53歳)
  • ダイエットを急激にしたため身体を壊した。現在は、健康のために長い周期で少しずつ痩せている。(女性56歳)
  • たばこを吸い、お酒を飲んで二日酔いになるなど、健康をまったく考えていなかったことと、がん保険を続けていなかったこと。(女性72歳)

こうした声を見ると、適度な運動や定期健診の受診など、日々の健康管理を若くから継続してこなかったことを後悔していることがわかる。

定期健診にかけている費用は?

もちろん健診を受けるに越したことはないが、気になるのが費用だ。

冒頭に紹介した調査(図1)でも高い受診率を示した「人間ドック」の費用について聞いたところ、1回あたりの費用は「20,001円以上」が38.7%でトップ(図2)。

図2:「人間ドック」にかけた費用

図2:「人間ドック」にかけた費用

全国の50歳~79歳のマクロミルモニタのうち、(1)既婚者、(2)孫がいる者、(3)世帯年収1,000万円以上(退職者は現役時の年収)の条件で抽出した男女1,030名を対象に、2020年10月30日~11月9日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

全体のn数は、「定期健診で人間ドックを受けている」と回答した人数。

各構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。

続いて、日本人の死因第1位となっている「がん」の検診はどうだろうか?

「がん検診」にかけた費用を聞いたところ、1回あたりの費用で最も多かったのは「3,000円未満」で35.5%。とはいえ、「3,000円~5,000円」が20.7%、「5,001~10,000円」17.2%、「10,001円~20,000円」16.7%と、それぞれの金額帯に偏りなく回答が集まっていて、人によってかけている金額が違うことがわかる(図3)。

特に男性の60代と70代では、約26%が「20,001円以上」と回答。国立がん研究センターの調査によると、がんの死亡率は男女ともに60代から増加するが、60代以降では男性の死亡率の方が顕著に高くなる。このがんの死亡率が、男性と女性で「がん検診」にかける費用に大きな差が出ていることに関係がありそうだ。

図3:「がん検診」にかけた費用

図3:「がん検診」にかけた費用

全国の50歳~79歳のマクロミルモニタのうち、(1)既婚者、(2)孫がいる者、(3)世帯年収1,000万円以上(退職者は現役時の年収)の条件で抽出した男女1,030名を対象に、2020年10月30日~11月9日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

全体のn数は、「定期健診でがん検診を受けている」と回答した人数。

各構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。

「人間ドック」や「がん検診」では、リスクが高そうな箇所をさらに細かく検査してもらう追加オプションなどがあり、選択すればもちろんその分だけ費用は高くなる。

健康維持のために毎月かけている予算は?

「健康を維持するのに毎月いくらかけている?」という質問では、全体を見ると41%が(健康のための毎月の費用を)「使っていない」と答えたが、男女ともに年代が上がるにつれて健康意識は高まり、男性70代で「使っていない」人は33%、女性70代では22.3%にまで減少。「使っていない」人の比率の推移や毎月かけている予算の状況を見ても、男女ともに年代が上がるにつれて「健康のための毎月の支出」が増えていることがわかる。

図4:健康を維持するのに毎月いくらかけている?

図4:健康を維持するのに毎月いくらかけている?

全国の50歳~79歳のマクロミルモニタのうち、(1)既婚者、(2)孫がいる者、(3)世帯年収1,000万円以上(退職者は現役時の年収)の条件で抽出した男女1,030名を対象に、2020年10月30日~11月9日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

自分は健康だと過信していたり、面倒くさがって定期健診を先延ばしにしてしまったり……。そうした油断や慢心は、多くのケースで後々の大きな後悔につながってしまうもの。がんなどの病気でも、最近は早期発見さえできれば治るものもある。だからこそ、定期的な健診や日々の健康管理が重要になる。

さらに、人生100年時代だからこそ「健康寿命」だけではなく、「資産寿命」にも気をつけたい。健康維持だけでなく、美味しいものを食べたり、旅行にいったりと、充実した人生を送るためにもお金がかかるもの。将来のためにも、身体だけでなく、お金の健診もしてみた方がよいかもしれない。野村證券では、将来のライフプランや資産について相談を無料でできるため、ぜひ受けてみてはいかがだろうか。そうすれば、健康寿命も資産寿命ものびて、さらに充実した日々を過ごせるかもしれない。