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夫と妻で求める言葉が違う!? 「いい夫婦の日」に考えたい、夫婦円満の秘訣とは?

2022年11月09日

11月22日は「いい夫婦の日」。長年、仕事や子育てに忙しく、なかなか夫婦二人で過ごす時間が取れなかった人も多いことだろう。しかし、仕事をリタイアしたり、子どもが独立したりすると、夫婦二人で過ごす時間が増えてくる。さらに、ここ数年は新型コロナウイルス感染症拡大によって在宅時間が長くなり、家の中で二人きりで過ごす時間が増えた夫婦も多く見られる。

この先、充実したセカンドライフを送るためには、パートナーと良好な関係を築き、「夫婦円満」に過ごすことが重要なポイントのひとつ。そこで今回は、夫婦円満の秘訣についての調査結果からひも解いていこう。

夫婦関係の満足度は夫と妻、どちらが高い?

50~79歳の既婚男女600人を対象に行った「夫婦関係と生活に関する意識調査」によると、「夫婦関係に満足している」と回答した男性は76.7%であるのに対し女性は72.3%と、僅差ではあるが、妻よりも夫のほうが夫婦関係の満足度が高いことがわかる(図1)。

図1:夫婦関係の満足度(男女別・全世代、単一回答)

図1:夫婦関係の満足度(男女別・全世代、単一回答)

出典:ハルメク 生きかた上手研究所調べ「シニア世代の『夫婦関係と生活に関する意識調査』」

50~79歳の既婚男女600名を対象にしたWeb上でのアンケート調査。2021年10月8日~12日に実施。(男性300名、女性300名)

夫や妻に言われたい言葉・第1位は「ありがとう」

夫婦関係の満足度には、日常生活でのコミュニケーションの取り方や、お互いに掛け合う言葉が大きくかかわっているのではないだろうか。同アンケートの「配偶者に言われたい言葉」で夫婦ともに最も多かったのが、「ありがとう」という感謝の言葉だった。特に妻の60.3%が、「夫に言われたい言葉」として「ありがとう」と回答しており、これは男性の45.0%に比べ、約15ポイントも多くなっている。

次に多かったのは、夫婦ともに「お疲れさま」「結婚してよかった」という言葉だが、これに続く言葉を見ると、妻は「さすがだね」「料理が上手」といった「自分の行動を労わったり、認めてもらったりする言葉」を求める傾向が強かった。これに対し、夫は「あなたのおかげ」「頼れる」「素敵」といった「自分の存在価値を称えてもらう言葉」を求める傾向が見られた。夫と妻では、相手に求める言葉に違いがあるといえる(図2)。

図2:配偶者に言われたい言葉(複数回答)

図2:配偶者に言われたい言葉(複数回答)

出典:ハルメク 生きかた上手研究所調べ「シニア世代の『夫婦関係と生活に関する意識調査』」

50~79歳の既婚男女600名を対象にしたWeb上でのアンケート調査。2021年10月8日~12日に実施。(男性300名、女性300名)

「言ったつもり」でも、実は伝わっていない感謝の言葉

では、夫婦ともに最も求めていた感謝の言葉は、実際にどれだけ相手に伝わっているのだろうか。

「日頃、配偶者に感謝の気持ちを伝えているか&伝えてもらっているか」の質問に、「伝えている」と答えた夫は64.0%で、妻は67.3%。一方、「伝えてもらっている」と答えた夫は60.0%で、妻は59.7%と、夫婦ともに「伝えてもらっている」よりも「伝えている」のほうが多かった。また、「伝えてもらっている」と「伝えている」の差は妻のほうが大きく、「自分では伝えているが、相手からは伝えてもらっていない」というギャップが、夫より多く生じていることがわかる(図3)。こうしたことが、妻の夫婦関係の満足度の低さにつながるのかもしれない。

図3:日頃、配偶者に感謝の気持ちを伝えているか&伝えてもらっているか(単一回答)

図3:日頃、配偶者に感謝の気持ちを伝えているか&伝えてもらっているか(単一回答)

出典:ハルメク 生きかた上手研究所調べ「シニア世代の『夫婦関係と生活に関する意識調査』」

50~79歳の既婚男女600名を対象にしたWeb上でのアンケート調査。2021年10月8日~12日に実施。(男性300名、女性300名)

夫婦だからこそ、「わざわざ言葉にしなくてもわかっているはず」「改めて言葉にするのは気恥ずかしい」と思ってしまう人もいるだろう。しかし、感謝の言葉や「ありがとう」という言葉は大切なもの。気持ちを表すときは「〇〇してくれて、ありがとう」などと、具体的に伝えることを意識したい。

ちなみに、「配偶者に言われたくない言葉」として多かった回答は、夫婦ともに「結婚しなければよかった」という後悔の思いが込められたもの。次いで「自己中心的だ」「あなたが悪い」といったネガティブな言葉が挙がっている。さらに、夫が言われたくない言葉の上位には、「何もしてくれない」「稼ぎが悪い」「あなたが悪い」など、相手から責められるような言葉。妻のほうは「うるさい」「料理がおいしくない」といった自分が否定されるような言葉のほか、「老けた」「太った」など容姿にかかわる言葉が上位に挙がっている。

実際に、夫婦円満のために心がけていることは?

同アンケートの「夫婦円満の秘訣」には、「何でも話し合う」「お互いの思いをよく聞きあう」などの「会話」に関する意見のほか、「自分の足りないところを認識して、感謝する」「お互いの違いを認めあう」といった「感謝・尊重の気持ち」に関する意見が多く見られた。そのほか、「片目を瞑って相手をみる」「相互不可侵領域の設定」など「相手に干渉しすぎない」姿勢や、「健康であれば何も期待しない」といった「相手に期待しない」姿勢が夫婦円満の秘訣だという声も多い。つまり、感謝と尊重の気持ちを大切にしつつお互いの意見を言い合い、過度な干渉や期待を避けることが夫婦円満の秘訣と考える人が多いようだ。

共通の趣味で、夫婦関係を良好に

また、別のインターネット調査では、「夫婦間で共通の趣味がある」と答えた人は、夫婦円満の人で61.7%、夫婦円満でない人では13.0%と大きな差となった。共通の趣味をもって同じ時間や体験を共有することも、夫婦円満の秘訣の一つと考えられる(図4)。

図4:夫婦間で共通の趣味はありますか(単一回答)

図4:夫婦間で共通の趣味はありますか(単一回答)

出典:明治安田生命「『いい夫婦の日』に関するアンケート調査」をもとに編集部作成

20~79歳の既婚男女を対象にしたWeb上でのアンケート調査。2021年10月12日~15日に実施。(回答者数1,313人)

さらに、夫婦共通の趣味として最も多かった回答は、全世代を通じて「旅行」となった。また、世代別の2~4位を見てみると、50代以上は「映画鑑賞」「ドライブ」「ウォーキング・ランニング」の3つが挙げられている。心が動く体験を共有したり、二人で一緒に体を動かしたりすることが、夫婦ともに楽しい時間を過ごせるポイントかもしれない。

夫婦円満な人ほど、記念日にプレゼントを贈る

夫婦間で贈り合うプレゼントも、お互いの関係性に大きくかかわっているようだ。
夫婦間での年間のプレゼントの予算については、夫婦円満の人は39,568円、夫婦円満でない人は18,533円という結果に。円満の人と円満でない人では、プレゼントの金額に2倍以上も差がある(図5)。

図5:年間のプレゼント予算は

図5:年間のプレゼント予算は

出典:明治安田生命「『いい夫婦の日』に関するアンケート調査」をもとに編集部作成

20~79歳の既婚男女を対象にしたWeb上でのアンケート調査。2021年10月12日~15日に実施。(回答者数1,156人)

プレゼントを贈るタイミングについては、「夫(妻)の誕生日」と答えた人は、夫婦円満の人で60.9%、夫婦円満でない人は26.5%と、その差は2倍以上もある。「結婚記念日」においても、誕生日よりは全体的に少なくなるが、円満の人では29.5%、円満でない人は4.9%となっていて、夫婦円満な家庭ほど、お互いの特別な日を大切にしている傾向が見られた。

コロナ禍で一緒に過ごす時間が、夫婦仲を深める?

ここ数年は新型コロナの影響により、家の中で二人で過ごす時間が増えた夫婦も多い。コロナ禍の影響で、仲が良くなった人(20.2%)は、仲が悪くなった人(8.2%)の 約2.5倍という結果も出ている(図6)。

図6:コロナ禍の影響による夫婦関係の変化

図6:コロナ禍の影響による夫婦関係の変化

出典:明治安田生命「『いい夫婦の日』に関するアンケート調査」をもとに編集部作成

20~79歳の既婚男女を対象にしたWeb上でのアンケート調査。2021年10月12日~15日に実施。(回答者数1,620人)

コロナ禍に行われた調査では、「直近1年の配偶者に対する気持ちの変化」について、「特に気持ちの変化はない」と答えた人が約半数だったが、「健康でいて欲しいと思うようになった」「存在の大切さを再認識した」や「感謝の気持ちを持つことが多くなった」という回答が続いた。一方で、「煩わしさが増した」「価値観の違いを感じた」「相手の良くないところが気になるようになった」というネガティブな声は、夫より妻のほうからが多く、コロナ禍は妻にとって相手のいい面だけでなく、嫌な面にも気づく機会になったと推測される。

また、在宅時間が増え、夫婦仲が良くなった人と悪くなった人の時間の使い方については、夫婦仲が良くなった人の82.1%が「家族と一緒に過ごす時間が増えた」と回答し、「一人の時間が増えた」(34.8%)を大きく上回った。これに対し、夫婦仲が悪くなった人は、「家族と一緒に過ごす時間が増えた」は31.8%、「一人の時間が増えた」は45.5%となり、一人の時間を優先する傾向が見られた(図7)。

図7:増加した在宅時間の過ごし方は(複数回答)

図7:増加した在宅時間の過ごし方は(複数回答)

出典:明治安田生命「『いい夫婦の日』に関するアンケート調査」をもとに編集部作成

20~79歳の既婚男女を対象にしたWeb上でのアンケート調査。2021年10月12日~15日に実施。(回答者数665人)

こうした調査結果から、感謝の気持ちを言葉にして相手に伝えることや、旅行やウォーキングなど夫婦共通の趣味をもち、心身ともに豊かになれる時間を二人で共有すること、そして年齢を重ねても夫婦の特別な日を大切にし、プレゼントという目に見える形で気持ちを表現することなどが、夫婦円満であり続けるヒントになることが見えてきた。

人生100年といわれる時代、楽しいセカンドライフを過ごすためにも、夫婦関係を見つめ直してみてはいかがだろうか。

『いい夫婦の日』をきっかけに、ご夫婦で将来について話し合ってみませんか?

人生100年時代、ご夫婦でこの先どのように過ごしていきたいのか? 話し合ったことはありますか? ご自身の現在の資産状況を把握しながら、将来のビジョンを話し合うことで、お二人の今後の生活がより明確になります。ゆとりある資産はどのぐらいあるのか、趣味や娯楽にいくら使うことができるのかを、しっかりと確認してみませんか?