為替相場の経済への影響|証券用語解説集
為替相場の動きは、少なからず経済に影響を及ぼす。
日本の経済に与える影響を考えるにあたり、輸出入に及ぼす影響で考えてみる。
1ドル=120円から、1ドル=130円へと円安が進んだと仮定する。
(1)輸出業者にとっての影響
ドルベースで、1億ドルのモノを米国に輸出した場合、1ドル=120円の場合にドルで受取ると、120億円(=1億ドル×120円)を受取ることができる。
これが、1ドル=130円の場合には、130億円(=1億ドル×130円)になる。
日本の輸出業者の多くは、ドル建てで輸出を行っているので、円安が進むということは、米国における販売力等の変化がなくても、輸出業者にとって、手取りの円資金が増加することを意味する。
このことは、相対的に、米国において、日本の輸出業者の価格競争力が高くなることにもつながる。仮に、日本の輸出業者が、米国内での販売価格を下げたとしても、以前と同じ円資金を得ることができる。販売価格を下げるということは、競合商品と比べて安くなるので、消費者からみて、購買意欲が以前より高まる。
(2)輸入業者にとっての影響
米国からモノを輸入する立場に立つ輸入業者にとってはどうであろうか。
1ドル=120円の場合に、ドル建てで1億ドルのモノを輸入しようとした場合、120億円を1億ドルに換えて支払えばよかった。これが、1ドル=130円の場合には、130億円を1億ドルに換えて支払わなくてはならなくなる。
日本の輸入業者にとっては円安によって、同じモノでも、多くの資金を必要としなくてはならなくなる。
(3)物価に与える影響
上記の例でわかるように、円安によって輸入価格が高くなり、国内での販売価格を上昇させる要因となる。
ただし、実際の経済は、その他の状況もかかわってくるので、必ずしもこの通りになるわけではない。日本の多くの企業が、海外でモノを生産しているなど、為替相場の影響は以前と比べると小さくなっていると考えることもできる。
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