マイナス金利|証券用語解説集
貸し付けによりお金が減価する(金利がマイナスになる)こと。通常は、お金を貸し付ける報酬として貸し手は借り手から利息を受け取るが、マイナス金利はその逆の状態となる。
歴史的にみると、20世紀前半にドイツの経済思想家シルビオ・ゲゼル(Silvio Gesell)がスタンプ貨幣の導入によるマイナス金利システムを提唱、経済学者ケインズも著書の中でその考え方を紹介した。デフレ対策のために現金に課税する政策として論じられることもある。
日本では2003年1月、銀行間で必要な短期資金を融通し合うコール市場において、マイナス金利による取引が初めて成立。2012年には欧州債務問題を背景に、現金を保有するよりも、コストを払ってでも高格付けの国債を保有するほうが安全であるという動きから、ドイツの短期国債などで一時マイナス金利が発生した。
中央銀行が行う金融緩和政策の一環で「マイナス金利」が発生する場合もある。2014年、日銀の量的・質的金融緩和による大量の国債買い入れオペ(公開市場操作)で日本国債の流通量が極端に不足し、短期国債市場ではマイナス金利が発生した。一方、同年にはECB(欧州中央銀行)が、投資や消費の活性化を目的として、中央銀行に余剰資金を預けた民間銀行へ手数料の支払いを求める「マイナス金利政策」を、主要先進国・地域として初めて導入した。
日銀は2016年に2%の物価安定目標の早期の実現をはかるため、政策として「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定。金融機関が日銀に預ける当座預金の一部の金利をマイナス0.1%に引き下げ、必要な場合にはさらに引き下げるとした。2017年6月には海外の中央銀行が日銀に開いている当座預金口座の一部の預金に対してもマイナス金利を適用。2024年3月の金融政策決定会合で、日銀は物価目標達成への見通しが高まったとしてマイナス金利政策の解除を決定した。
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