Wealth Management

野村ウェルス・マネジメントのチーム

大渡 ひかる デジタル・カスタマーサービス部 千住センター 拠点長

企業で働く人の資産形成と第二の人生に、野村の知見を届けたい

退職後も安心できる、資産の見守り役

大渡 ひかる ワークプレイス・コンサルティング部

  • 2014年に入社、支店でのパートナー経験を経て、2021年にネット&コール部リモートコンサルティング課(現ワークプレイス・コンサルティング部の前身)に異動。2023年1月、ワークプレイス・コンサルティング部へ。

野村のワークプレイス・コンサルティング部は、持株会制度を活用している従業員の方々の資産形成を支援する部署だ。2023年に本格的にサービスを開始した。

持株会を通じて自社株式をコツコツ積み立てたものの、退職後はどのように対応したらよいのか。退職金の受け取り方やその後の資産形成について不安を抱えている──。野村はオンライン面談でこうした相談に応じ、専門的なアドバイスを提供している。ワークプレイス・コンサルティング部大渡が、エピソードや資産形成支援への思いを語る。

  • 野村では、「お客様から最も信頼される相手として選ばれたい」という思いから、営業担当者を「パートナー」と呼んでいます。

退職前後の不安に寄り添い、資産形成の道筋を共に描く

ワークプレイス・コンサルティング部は、主に企業の持株会制度をきっかけに口座を開設されたお客様を担当する部署です。持株会とは、従業員が自社株式を積立方式で購入できる制度です。野村は多数の大手企業の持株会事務を受託しており、会員数ベースで約55%(※1)のシェアを有しています。

ワークプレイス・コンサルティング部は全国に4拠点あり、各拠点のパートナーがお客様を担当しています。現役世代の方は平日のご来店がなかなか難しいため、お客様のご都合に合わせて、電話やオンライン、デジタルツールを活用して必要なサポートをお届けしています。

私たちは主に、企業にお勤めの50代から60代の方々からの多くのご相談にお応えしています。ご退職前後のお客様が長年にわたって持株会で自社株式を積み立てた結果、資産が想定以上に増え、今後の運用方針について悩まれるケースが増えています。定年退職を控え、退職金の受け取り方や退職後の運用の判断に迷い、資産運用への新たな一歩を踏み出せない方も少なくありません。

お客様がよくおっしゃるのは、「第二の人生に向けて、何から始めればいいのかわからない」というご不安です。「給与収入が減るなかで支出を管理できるだろうか」「インフレで預金が実質目減りする現状で、このままでいいのだろうか」「持株会以外に運用をしたことがなく、新たに何か始めるのが怖い」。

私たちの役割は、そうした不安を一つひとつ解きほぐし、資産形成の道筋を共に考えることです。

お客様一人ひとりに合った資産形成についてご提案するため、各企業の退職金制度や企業年金、持株会、株式報酬制度といった制度について、その企業にお勤めの方よりも深く理解するように努めています。一般論にとどまらずお勤め先の実情に合わせて共に将来の人生設計(ライフプランニング)を行うことで、お客様のご納得感が高まると実感しています。

退職金の受け取り方で、人生設計が変わる

退職を控えたお客様から、「会社から退職金制度の案内が届いた」とご連絡をいただきました。その方は「毎月年金収入があったほうが安心なので、全額を年金で受け取りたい」というご意向をお持ちでした。

退職金は、年金として受け取るか、一時金として受け取るかによって退職所得控除などの税制面での扱いが異なり、将来の手取り額や税負担にも影響が出ます。こうした点を踏まえ、まずは両者の税制上の基本的な違いを整理したうえで、「お客様の場合はどちらが良いか一緒に確認しませんか」とご案内しました。お客様は「年金で受け取る場合の税負担を考えていなかった」と驚かれ、一時金を選択しても老後の生活が安定するのかどうか詳しく知りたいとご要望がありました。

そこで私は、ライフプランシミュレーションの作成をご提案しました。このシミュレーションは、お客様一人ひとりの状況に合わせて将来の収支を可視化することができます。作成にあたっては、月々の生活費に加え、車の買い替え予定や旅行費用、趣味や習い事にかかる費用などの支出を詳細に伺います。

さらに、お客様が意識されていない将来の支出も整理します。例えば持ち家の場合、大規模なリフォームが必要になる時期や費用を確認します。また、お子様の結婚に際して資金援助を行うかどうかなども一緒に考えます。

野村のライフプランシミュレーションは、こうしたご自身のお考えに加え、インフレ率や資産の値動きなども考慮して試算ができます。さらに私たちは、各企業の退職金制度や企業年金制度を踏まえたご提案に努めているため、よりお客様の状況に即したシミュレーションをご提示できます。

お客様は、お子様がすでに大学を卒業されており、住宅ローンも完済されていました。シミュレーションの結果、退職金のうち一定額は10年以上手をつけずに置いておいても問題ない可能性が見えてきました。

この状況を踏まえ、次のようにご提案しました。「退職金の一部を一時金で受け取り、退職所得控除を活用して税負担を抑える。そのうえで、資金の一部を運用に回してインフレへの備えとする。残りは年金で受け取り、生活資金として確保する」というバランスを図った受け取り方です。

お客様からは「ライフプランシミュレーションは将来のことを考える良い機会になった」とおっしゃっていただき、退職金の一部を受け取り、長期的に年率3〜4%程度のリターンを目指す運用を始められました。

退職金受け取りについては、退職の約1年前に会社からご案内が届くことが多いです。制度内容が複雑なため、「とりあえず年金にしておこう」と決めてしまう方も少なくありません。しかし、一度決定すると変更できないケースも多く、慎重に検討することが大事です。

そこで私たちは、早い段階からメールや電話で定期的にご連絡し、退職金の受け取り方について相談できることをお伝えしています。

お客様も、私がお送りしたメールを見て、「相談してみよう」と思ってくださったそうです。初回のご面談から3年ほど経った今、「最初は不安だったけれど、相談してよかった。もっと早く始めればよかった」というお言葉をいただきました。お客様の人生に寄り添い、ご満足いただけるご提案ができたことをうれしく思っています。

住宅ローンを返済するか、運用するか。時代やライフステージに応じた対応

ある50代後半のお客様は、保有しているご資産の評価額が約3,000万円にまで増えており、「保有資産を全て売却し、住宅ローンを繰り上げ返済したい」とご相談をいただきました。住宅ローンの残高も約3,000万円だったため、借金をゼロにしてすっきりしたいというお考えでした。

日本では長くデフレが続いたため、「借金は早く返すべきだ」という考え方が根強く残っているのではないかと思います。お客様の親世代からも「借金は良くないものだ」と教わってこられた方も少なくなく、その価値観は十分理解できます。

しかし現在はインフレやマーケットの変動などがあり、場合によってはこれまでの常識を見直す必要があります。例えば、保有資産を全て売却して住宅ローンの返済に充てることで、将来得られるかもしれない値上がり益を手放すことになる可能性があります。

また、金利という観点も重要です。お客様の住宅ローンは固定金利で、年1%前後でした。運用で年率3〜4%のリターンが期待できるのであれば、ローンを繰り上げ返済せず、運用に回したほうが資産を増やすことができる可能性があります。

配当金についてもご説明しました。お客様の保有資産には株式も含まれ、年間で約60万円の配当金が見込めました。「配当金を住宅ローンの返済の一部に充当することもできますし、再投資することで複利効果を得ることも期待できます」とお伝えしました。

一方で、「年金生活になってからも住宅ローンの返済が続くのは、心理的な負担がある」というご不安もお持ちでしたので、ライフプランシミュレーションを作成しました。試算の結果、住宅ローンの月々の返済額は約8万円でした。65歳でご退職後も企業年金と公的年金を合わせて月25万円程度の収入が見込まれ、配当金収入も勘案すると、無理なく返済をできる見通しでした。

お客様は結果をご覧になり「数字で見ると、確かに大丈夫そうですね」とおっしゃいましたが、表情からはなお心理的なご不安が残っていらっしゃるようにも感じられました。そこで私は、次のようにご提案しました。

「保有資産のうち1,000万円分だけ売却しリバランスを行いつつ住宅ローンを一部繰り上げ返済し、月々の返済額を減らして心理的なご負担を軽減する。残りの約2,000万円分は引き続き保有し、配当金を受け取りながら将来の値上がり益も期待する。さらに返済額が減った分を、新たな運用資金に充当する」というご提案です。お客様は「それなら納得できます」とおっしゃってくださいました。合理的と思われる判断を押し付けるのではなく、お客様が安心して選択できる道を共に探すことこそ私たちの役割だ、と改めて実感しました。

その後、しばらくしてお客様からご連絡をいただきました。「大渡さん、あの時のアドバイスは本当によかったです。配当金が毎年入るので住宅ローンの返済は順調ですし、保有し続けた資産は株価が約1.5倍に増えました。もし全て売却して住宅ローンを完済していたら、今のような気持ちの余裕はありませんでした」とのお言葉をいただき、大変うれしく思いました。こうしたお言葉をいただけることが、この仕事の大きなやりがいです。

お客様や同僚に深く関心を持ち、考え抜く。野村の「人間力」

新卒で入社して以来7年間、支店にてパートナーを経験しました。その経験が現在の仕事の土台となっています。なかでも印象に残っているのは、上司が私自身のことを真剣に考え、熱心に指導してくださったことです。「家族以外にここまで自分のことを真剣に考えてくれる人がいるのか」と驚いたことを覚えています。その経験があってこそ、私はお客様や同僚に対してより深く関心を持つようになりました。

オンライン面談が中心となった当初は、戸惑いや不安もありました。しかし、ライフプランシミュレーションを通じてお客様の人生全体を見据えたご提案をすることで、信頼を得られることがわかりました。お客様が本当に求めているのは個別の商品情報だけではなく、老後資金の計画や年金、税金の制度、社会保険料など、幅広い分野の情報だということにも気づかされました。

現在、マネージャーとして課員から相談を受ける際に私が必ず確認するのは、「お客様はどう感じていらっしゃるか」ということです。パートナーはどうしても合理的な考え方や思いが先行しがちですが、大事なのは、お客様の気持ちを丁寧に理解することだと考えています。たとえ合理的なご提案であっても、お客様の気持ちの整理が十分にできていなければ、受け入れられないこともあります。

また、「運用は初めて」「証券会社の担当者と話すのは初めて」というお客様も決して少なくありません。そうしたお客様にとって、私たちは金融機関に対する第一印象を形作る存在でもあります。その責任の重さを常に感じながら、一人ひとりに誠実に向き合うことを心がけています。

どんな状況においても、考え抜くこと──これが私の信条です。考えることを止めた瞬間、成長は止まってしまいます。お客様の人生の大事な局面に立ち会い、悩み抜き、最適解を探しながら、資産を守り、夢の実現を支える。そのお手伝いができることに、大きなやりがいを感じています。

  • 本稿はNOMURA WEALTH MANAGEMENTの目指す姿についてのご理解を深めていただくためのもので、記事の中で個別の提案内容や成果に言及することがありますが、一例であり、同様の結果を保証するものではありません。
  1. 出所:2023年3月末時点/出所:東京証券取引所『2022年度従業員持株会状況調査結果の概要について』より、当社作成
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ポートフォリオ運用とは、機関投資家等が採用している運用手法で、投資資金を複数の資産クラスや市場に分散させることでリスクを低減し、安定した収益を目指す投資戦略のことです。野村證券では「世界経済の成長」をご自身の「資産の成長」とするための「長期視点でのポートフォリオ運用」をご提案します。ご提案は、「CIO(Chief Investment Office)」による資産配分やファンド選定に基づき行います。