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#調査

50代~70代夫婦の「おこづかい」と「へそくり」事情――調査から見る家計管理

2020年6月10日

セカンドライフを悠々自適に生きていくためには、なるべく早い時期から家庭の資産やお金の使い方を見直しておくことが大切になる。

そこで今回は、家計の管理状況やお金の使い方について、50代~70代の皆さんにアンケート調査を実施。月々の支出額やへそくりの金額、夫婦のどちらが財布の紐を握っているかなど、同世代の人たちの家計管理やお金との付き合い方を見ていこう。

「おこづかい」と「へそくり」における男女差

まず生活費以外の出費、いわゆる「おこづかい」を月にどれくらい使っているかを聞いたところ、一番多かった回答が男女ともに「3万円未満」で、男性が42.9%、女性が46.8%となった。わずかではあるが、女性の方がおこづかいが少ない傾向が垣間見られた(図1)。

図1:あなた1人当たりの生活費以外に使っているお金は月間いくらですか。

図1:あなた1人当たりの生活費以外に使っているお金は月間いくらですか。

全国の50歳~79歳の男女1,034名を対象に、2019年10月31日~11月1日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

各構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。

一方で、夫や妻に内緒にしている「へそくり」の平均額について見てみると、そもそも「へそくりはない」という回答が男性で48.5%、女性で35.9%となり、裏返すと女性の方がへそくりをしている人が多い結果となった(図2)。

図2:夫・妻に内緒にしているへそくり(内緒で自由に使えるお金)の現時点での合計金額はいくらですか。

図2:夫・妻に内緒にしているへそくり(内緒で自由に使えるお金)の現時点での合計金額はいくらですか。

全国の50歳~79歳の男女1,034名を対象に、2019年10月31日~11月1日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

全体のn数は、「既婚者(配偶者あり)」と回答した人数。

各構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。

では、男女ともにこうした「へそくり」を何のために貯めているのだろうか。それぞれの「へそくりの用途」を見てみると、男性ではすべての世代で「趣味や娯楽に使いたいから」がトップ。対して女性では「万が一に備えたいから」が、こちらもすべての世代で高い割合でトップとなった(図3)。

図3:あなたはへそくり(内緒で自由に使えるお金)をどういう用途で貯めていますか。(複数回答可)

図3:あなたはへそくり(内緒で自由に使えるお金)をどういう用途で貯めていますか。(複数回答可)

全国の50歳~79歳の男女1,034名を対象に、2019年10月31日~11月1日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

全体のn数は、「へそくりをしている」と回答した人数。

つまり、「おこづかい」にせよ「へそくり」にせよ、男性では今を楽しむための積極的な消費を目的とするのに対し、女性では将来の不安をはじめ、対外的な現象への備えを目的とする場合が多い。もちろん一概には言えないが、これらのデータから見えるそうした傾向が、「おこづかい」と「へそくり」についての男女差を生んでいるようだ。

夫か妻か、財布の紐を握るのはどっち?

月々の「おこづかい」や、「へそくり」の額に男女で差がある一方で、気になるのが夫婦のどちらが財布の紐を握っているか。夫婦間での家計管理を、同世代の人たちはどのように行っているのだろうか?

家計管理について、夫婦のどちらが行っているかを聞いた調査を見ると、「自分が管理している」と回答した女性がすべての世代で50%超え。特に70代女性では、60%を超えている。対して、男性の「自分が管理している」と回答した人の割合は、最も多かった60代でも34.8%であった(図4)。

図4:あなたの世帯では、家計の管理は夫婦のどちらが行っていますか?

図4:あなたの世帯では、家計の管理は夫婦のどちらが行っていますか?

全国の50歳~79歳の男女1,034名を対象に、2019年10月31日~11月1日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

全体のn数は、「既婚者(配偶者あり)」と回答した人数。

また「夫が稼ぎ、妻が管理する」といった考え方は、収入の構成が変化する定年後には多くの家庭で適切ではないのかもしれない。セカンドライフの計画について夫婦で話し合うのと同様に、できれば家計の見直しや管理についても、夫婦で協力できる体制をつくっておきたいところだ。

資産運用をする人の割合は、60代・70代で増加?

先ほど紹介した「へそくりの使用用途」についての調査を見ても、50代~70代の多くの人が、万が一のケースや老後の不安に対する備えを必要と考えていることがわかる。

セカンドライフに向けて十分な資金を確保し、それを計画的に使っていくことが老後への備えの第一歩となるが、それだけでは不十分という人も少なくはないだろう。

そこで有効になるのが、お金を運用することで資産をできるだけ長生きさせるという考え方だ。

今回の調査で「世帯で資産運用をしているかどうか」を聞いたところ、「資産運用をしていない」人は全年代で女性の方が男性よりも多く、反対に言えば、全年代で男性の方が資産運用をしている人が多いという結果になった。この調査で注目すべきは、男女ともに年代が上がるにつれて、資産運用をしていない人の割合が約10%近くも減っていること(図5)。

図5:あなたの世帯では、現在、資産運用を行っていますか。資産運用を行っている方は、運用している資産をすべてお選びください。(上位5位/複数回答可)

図5:あなたの世帯では、現在、資産運用を行っていますか。資産運用を行っている方は、運用している資産をすべてお選びください。(上位5位/複数回答可)

全国の50歳~79歳の男女1,034名を対象に、2019年10月31日~11月1日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

60代では資産運用をしている人の割合は約半数となり、70代ではさらにその割合が増えている。また、選ばれる資産運用の方法については、全世代で「株式投資」の人気が高く、株式投資をしている人の割合も年代が上がるにつれて増えている(図6)

図6:資産運用をしていない人と株式投資をしている人の割合(世代別)

図6:資産運用をしていない人と株式投資をしている人の割合(世代別)

全国の50歳~79歳の男女1,034名を対象に、2019年10月31日~11月1日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)

これらの調査をみると、資産寿命を延ばすため、60代・70代から資産運用を始める人が多くなることがわかる。

経済の先行きが不透明な時代だからこそ、普段から夫婦できちんと家計について話し合っておくことは大切だ。もちろん資産運用については、お金のプロに相談してみることもできる。資産を少しでも長生きさせるために、この機会にぜひ家計の管理とお金の使い方を見直して欲しい。