なぜ円安とインフレが同時に進行しているのか?

円安も影響? 日米の物価の上昇が顕著

今年に入り、円安ドル高の進行が顕著となっています。為替市場では10月に、実に32年ぶりとなる1ドル=151円台を記録しました。こうした円安の状況は、私たちの日常生活にも影響を及ぼしています。

たとえば帝国データバンクが主要食品企業105社に調査をしたところ、2022年の値上げ品目は、実質値上げも含めて既に2万品目を超えたようです。さらに、11月以降は「パック牛乳」など日配品が値上げされ、私たち消費者はますます生活への影響を実感することになるでしょう。

また、インフレ(物価上昇)に関して言えば、もともとロシア・ウクライナ情勢によって原材料・資源が高騰している中、円安によってさらに海外から輸入するコストが上がったことが、大きく関連していると考えられます。

実はこうした物価上昇は日本だけの出来事ではありません。米国でも同様に、物価の上昇が続いています。米国労働省が10月13日に発表した9月の消費者物価指数は、前年同月比で8.2%の上昇となり、特にガソリンは同18.2%上昇、食料品は同11.2%上昇、なんと家庭用食品は13.0%も上昇しました。

こうした政策の違いが、日米の金利差の拡大につながり、さらなる円安ドル高を招いたと言えるでしょう。


そもそも、インフレはなぜ問題となるのでしょうか? それは今回のインフレが「悪いインフレ」と考えられているからです。

現在は「悪いインフレ」? 2 種類のインフレとは

まず、インフレには「良いインフレ」と「悪いインフレ」があるとされます。

「良いインフレ」とは、物価上昇で企業が儲かり、従業員の給与が増え、モノが売れて企業の業績がさらに上がるという好循環が起きることです(ディマンドプル・インフレ) 。一方で「悪いインフレ」とは、原材料価格などが高騰しても商品価格に転嫁できず、企業の業績が悪化、給与も減り、モノが売れなくなるという悪循環です(コストプッシュ・インフレ)。

インフレには「良いインフレ」と「悪いインフレがある」

現在の経済状況を見ると、今の日米の物価上昇はどちらも「良いインフレ」とは言えないようです。

そのため、各国では利上げ(金融引き締め)によってインフレ抑制を行ったり、経済対策によって景気の悪化を抑えようとしたりしていると言えます。

では、私たちはこうした為替や景気の状況に対して、どのように投資戦略を考えていけばよいのでしょうか?次のページでは、アナリストによる今後の見通しを解説します。