最良執行方針
2025年11月
弊社は、2025年を目途に、弊社の定める銘柄についてSOR(※)による執行を行うため、システム対応等の準備を進めております。SORによる執行を開始するまでの間は、最も流動性の高い金融商品取引所において執行することがお客様にとって合理的であると考えられることから、これまでと同様、次に掲げる方針に基づいて執行いたします。
- (※)「SOR」とは、「Smart Order Routing」の略で、複数の金融商品取引所及びPTSの気配情報を比較し、執行価格が最良となるよう売買注文を執行することをいいます。
1.対象となる有価証券
株券、新株予約権付社債券、投資信託(いずれも国内の金融商品取引所に上場されているもの)等、金融商品取引法施行令第16条の6に規定される「上場株券等」。なお、弊社におきましてはフェニックス銘柄である株券、新株予約権付社債券等、金融商品取引法第67条の18第4号に規定される「取扱有価証券」は原則としてお取扱いしておりません。
2.用語の定義
この最良執行方針における各用語の定義は次のとおりです。
- 「PTS」とは、金融商品取引法施行令第26条の2の2第7項に規定される「私設取引システム」をいいます。
- 「取引施設」とは、金融商品取引所及びPTSを総称していいます。
弊社の利用するSORシステムが気配の取得及び発注の対象とする取引施設(以下、SOR対象取引施設といいます。)は、東京証券取引所の売買立会で行われる各市場ならびにPTSであるジャパンネクスト証券株式会社のJ-Market、X-Market(東京証券取引所の立会時間中に限る。)及びCboeジャパン株式会社のCboe Alpha、Cboe Select(東京証券取引所の立会時間中に限る。)です。最新のSOR対象取引施設は弊社ホームページ(https://www.nomura.co.jp/)に掲載しております。- SOR対象取引施設について(※2025年11月17日より掲載予定)
- 「主要市場」とは、各銘柄の一定期間における売買高等に基づき、最も流動性が高い市場として弊社が選定した金融商品取引所をいいます。なお、銘柄毎に弊社が選定した主要市場は、弊社ホームページ(https://www.nomura.co.jp/)に掲載するほか、弊社の本支店、コールセンター等にお問い合わせいただければ、お知らせいたします。
- 「SOR」とは、「Smart Order Routing」の略で、複数の金融商品取引所及びPTSの気配情報を比較し、執行価格が最良となるよう売買注文を執行することをいいます。
- 「レイテンシーアービトラージ」とは、SORによって複数の取引施設に回送される注文の到達時間(レイテンシー)の差を利用して、先行して到達した取引施設の気配及び約定情報を高速な通信設備を利用して取得し、これを用いて他の取引施設で先回りして売買することにより利ザヤを稼ごうとする投資戦略及び行為のことをいいます。
- 「IOC」とは、「Immediate Or Cancel」の略で、注文が取引施設の売買システムに到達した時点で即時に約定できなければ取り消す条件が付された注文をいいます。
3.最良の取引の条件で執行するための方法
弊社では、お客様からいただいた上場株券等に係る売買注文は、特にご指定のない限り、すべて国内の取引施設に委託注文として次の要領で執行いたします。また、弊社店頭における取引所外売買(弊社との相対取引または弊社の媒介)での執行は、お客様との間で取引所外売買で行う旨を合意した場合に限って行います。
SOR対象銘柄
東京証券取引所を主要市場とする銘柄であり、且つ、弊社が取次可能なPTSのうちいずれかで取扱いがある上場株券等(新株予約権付社債券、新株予約権証券及び新投資口予約権証券等弊社が定める有価証券を除く)をSOR対象銘柄とします。
SOR対象銘柄の執行
- お客様が執行すべき金融商品取引所を指定された場合は、ご指定の金融商品取引所に取次ぎます。
ただし、PTSを指定することはできません。 - (1)に定める場合のほか、次に掲げる場合は、すべて東京証券取引所に取次ぎます。
- 東京証券取引所の売買立会の時間外に受託した委託注文
- 寄付き指定条件及び引け指定の執行条件で受託した委託注文
- 逆指値注文
- 特別気配、連続約定気配が出ている、または売買停止が行われている銘柄の注文
- 前場、後場それぞれで始値が未決定の銘柄の注文
- 新規上場銘柄で初値未決定の銘柄の注文
- 東証の売買単位が1株(口)、PTSの売買単位が10株(口)である銘柄で、10株(口)未満の注文
- 指値訂正または減数訂正する注文
- その他、弊社がSORによる執行の対象外と定める注文
- 東京証券取引所の立会時間内に注文を執行する場合には、特にご指定のない限り、お客様が指定された価格条件にしたがって、SORにより執行結果が最良となるよう次に掲げる手順にしたがって執行します。
- まずSORシステムで東京証券取引所及び各PTSの気配情報を比較し、当該時点において最良の約定価格となるように執行します。注文数量が複数単位で、単一の取引施設の最良気配数量では不足する場合は、全体で最良の約定価格となるよう注文を分割して複数の取引施設に一斉に発注します。最良となる気配が複数の取引施設で表示されている場合は、CboeジャパンのCboe Select、Cboe Alphaに発注します。
(Cboe Select、Cboe Alphaの最良気配数量では不足する場合は、東京証券取引所へ発注します。それでも不足する場合は、ジャパンネクスト証券のX-Market、J-Marketに発注します。)
最新のSOR対象取引施設間の優先順位は弊社ホームページ(https://www.nomura.co.jp/)に掲載しております。- SOR対象取引施設について(※2025年11月17日より掲載予定)
- 上記aの執行の結果、約定が成立しなかった残数量については、東京証券取引所の売買立会にお客様が指定された価格条件で発注します。
- 即時に約定することのない、対当方向の最良気配よりも有利な価格での指値注文については、全量を東京証券取引所に発注します。
- 翌日以降まで有効なご注文について、当日約定せず、翌営業日以降に繰り越して注文を取次ぐ場合には、東京証券取引所に当該注文の有効期間を通じて取次ぎます。
- 特定のPTSが取扱っていない銘柄については、当該PTSを除いてSORにより執行します。
- まずSORシステムで東京証券取引所及び各PTSの気配情報を比較し、当該時点において最良の約定価格となるように執行します。注文数量が複数単位で、単一の取引施設の最良気配数量では不足する場合は、全体で最良の約定価格となるよう注文を分割して複数の取引施設に一斉に発注します。最良となる気配が複数の取引施設で表示されている場合は、CboeジャパンのCboe Select、Cboe Alphaに発注します。
- PTSまたは通信回線業者若しくはSORシステムの障害により、特定のPTSへの取次ぎが行えない場合、当該PTSを除いてSORによる執行を継続します。
- 通信回線業者若しくはSORシステムの障害により、すべてのPTSへの取次が行えない場合、東証で執行を行います。
- 東京証券取引所を主要市場とする外国証券の取扱いは、次のとおり行います。
- 買付注文は、上記(1)から(5)にしたがって国内の取引施設に取次ぎます。
- 東京証券取引所が指定した決済会社の管理している証券の売却注文は、上記(1)から(5)に準じた方法で国内の取引施設に取次ぎます。
- 上記b以外の証券の売却注文は、外国取引として取扱います。
レイテンシーアービトラージへの対応
弊社はお客様の注文をSORにより執行するにあたっては、レイテンシーアービトラージの対象となることを極力防止するために、次に掲げる方法で行います。
- SORによる各取引施設への分割発注は、一斉に行います。
- PTSに対する発注はすべてIOCで行います。
SOR非対象銘柄
上場株券等のうち東京証券取引所以外の金融商品取引所を主要市場とする銘柄及び弊社が取次可能なPTSにおいて取扱いのない銘柄、新株予約権付社債券、新株予約権証券及び新投資口予約権証券等弊社が定める有価証券については、SORによる執行は行いません。お客様からご指定のない限り、すべて国内の金融商品取引所の売買立会による市場に委託注文として次の要領で取次ぎます。なお、PTSへの取次ぎは行っておりません。
- お客様が執行すべき金融商品取引所を指定された場合は、ご指定の金融商品取引所に取次ぎます。
- お客様から委託注文を受託しましたら、国内の当該銘柄が上場している金融商品取引所に取次ぎます。金融商品取引所の売買立会時間外に受託した委託注文は、当該金融商品取引所が売買立会の注文受付を開始した後に取次ぎます。
- (2)における委託注文の金融商品取引所への取次ぎは、次のとおり行います。
- 上場している金融商品取引所が1箇所(単独上場)である場合には、当該金融商品取引所へ取次ぎます。
- 複数の金融商品取引所に上場(重複上場)している場合において、お客様から執行すべき金融商品取引所の指定がないときは、主要市場に取次ぎます。
- 上記bにおいて、お客様から、翌日以降まで有効なご注文をいただいた場合、受託当日における主要市場に当該注文の有効期間を通じて取次ぐこととします。
-
国内の金融商品取引所に上場されている外国証券の取扱いは、次のとおり行います。
- 買付注文は、上記(1)から(3)にしたがって国内の金融商品取引所に取次ぎます。
- 国内の金融商品取引所が指定した決済会社の管理している証券の売却注文は、上記(1)から(3)に準じた方法で国内の金融商品取引所に取次ぎます。
- 上記b以外の証券の売却注文は、外国取引として取扱います。
4.当該方法を選択する理由
SOR対象銘柄
お客様の注文を執行するにあたっては、複数の十分な流動性のある取引施設の気配を比較し、極力お客様に有利な価格で約定できる機会を探すことが最良の執行結果を得るために合理的と判断するからです。このため、弊社が流動性が十分ではないと判断するPTS及び東京証券取引所と重複上場している銘柄における他の金融商品取引所の気配については比較の対象から除外しています。
最良となる気配が複数の取引施設で表示されている場合の取引施設間の優先順位については、主要市場の価格変動への影響を抑えつつ約定可能性を高めることや、執行までのスピード等を勘案して設定しています。
レイテンシーアービトラージへの対応については、各取引施設に向けて分割された注文が到達するタイミングが異なることがレイテンシーアービトラージの機会を生じさせるため、弊社のSORによる各取引施設への発注を一度に一斉に行うことで回避可能となると判断しているためです。
SOR非対象銘柄
東京証券取引所が主要市場でない銘柄については、全体として継続的な流動性が限定的であり、また、東京証券取引所に上場していない銘柄は各PTSが取扱っていないことから、注文をすべて主要市場たる金融商品取引所に取次ぐことが合理的と判断しています。同様に、新株予約権付社債券、新株予約権証券及び新投資口予約権証券等については、継続的な流動性が限定的であり、また各PTSが取扱っていないことから、注文をすべて上場する金融商品取引所に取次ぐことが合理的と判断しています。
これは、金融商品取引所には多くの投資家の需要が集中しており、取引所外売買と比較すると、多くの場合、価格の透明性、流動性、約定可能性、取引のスピード等の面で優れていると考えられるからです。また、複数の金融商品取引所に上場されている場合には、その中で最も流動性の高い金融商品取引所において執行することが、上記同様、お客様にとって最も合理的であると判断されるからです。
5.システム障害時の対応
SOR対象銘柄
弊社システム、SOR対象取引施設、通信回線業者若しくはSORシステム等の障害等により、弊社がSORによる執行ができないと判断した場合、SORによる執行を停止し、以後は終日東京証券取引所へ取次ぎます。また、PTSまたは通信回線業者若しくはSORシステムの障害により、特定のPTSへの取次ぎが行えない場合、当該PTSを除いてSORによる執行を継続します。
さらに、東京証券取引所または通信回線業者若しくは弊社システムの障害により、東京証券取引所への取次ぎが行えない場合には、東京証券取引所への取次ぎ及びSORによる執行を停止します。
SOR非対象銘柄
各銘柄が上場する金融商品取引所または通信回線業者若しくは弊社のシステムの障害により、当該金融商品取引所への取次ぎが行えない場合、金融商品取引所への取次ぎを停止します。
その他、システム障害等により、やむを得ず、上記3.及び下記6.(1)に掲げる方法とは異なる方法により執行する場合がございます。その場合でも、その時点で最良の条件で執行するよう努めます。
6.その他
- 次に掲げる取引は、上記3.に掲げる方法によらず、それぞれ次に掲げる方法により執行いたします。
- お客様から執行方法に関するご指示(弊社が自己で直接の相手方となる売買のご希望、執行する金融商品取引所等の取引場所のご希望、お取引の時間帯のご希望等)があった取引
当該ご指示いただいた執行方法(ただし、弊社が応じることのできる方法に限ります。) - 投資一任契約等に基づく執行
当該契約等においてお客様から委任された範囲内で弊社が選定する方法 - 株式累積投資等、取引約款、各種規定等において執行方法を特定している取引
当該執行方法 - 単元未満株及び端株の取引
単元未満株の売買については、単元未満株を取扱っている金融商品取引業者に取次ぐ方法(発行会社への買取請求をご希望の場合は、買取請求のお取扱いといたします。)
- お客様から執行方法に関するご指示(弊社が自己で直接の相手方となる売買のご希望、執行する金融商品取引所等の取引場所のご希望、お取引の時間帯のご希望等)があった取引
- オンラインサービスでのご注文の際は、あらかじめ最良執行市場が表示されていますが、お客様ご自身で執行する金融商品取引所を指定していただくことも可能です。
本方針は、2025年11月17日以降に取引施設に対して取次ぐ注文について適用することを予定しております。
2025年11月14日以前にいただいたご注文についても、2025年11月17日以降に執行する際には、本方針にしたがって行います。(11月17日以降まで有効なご注文について、11月14日中に約定せず、11月17日以降に繰り越して注文を取次ぐ場合、新たな最良執行方針にしたがった場合でも、2024年1月付の最良執行方針と同様の執行方法となります。)
万が一、システムの不備等に起因して、11月17日より本方針を適用できない場合には、11月17日以降不備等が解消されるまでの間は2024年1月付の最良執行方針を適用いたします。
この最良執行方針は、金融商品取引法の規定にしたがい、お客様にとって最良の取引の条件でご注文を執行するための方針及び方法を定めたものです。最良執行義務とは、価格のみならず、例えば、コスト、スピード、執行の確実性等さまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務となります。したがって、価格のみに着目すれば最良でなかったとしても、それのみをもって最良執行義務に違反することにはならないものとされております。
弊社では、別途、グローバル・マーケッツに口座を開設されている法人のお客様向けの最良執行方針を定め、ホームページ上で公表しております。