投資信託を選ぶ前に
投資信託の
リスクと上手につきあうために
実際に投資を行う前に抑えておきたいのは、リスクと上手に付き合う「コツ」を知っておくこと。
リスクをできるだけ小さく抑える方法をご紹介します。
分散投資と長期保有
「投資信託のリスクとリターン」でも述べたように、リスクとリターンは相関の関係にあり、小さなリスクで大きなリターンを、というような都合の良い金融商品は存在しません。
しかし、分散投資と長期保有を意識することで一定のリターンに対してリスクを小さくすることができるといわれています。詳しくみていきましょう。
分散投資
分散の方法は以下があげられます。
●資産・銘柄の分散
国内外の株式、債券、リートやコモディティなど、値動きの異なる資産や銘柄で価格変動リスク等の軽減を図ることができます。
●国・地域・通貨の分散
投資対象地域の状況や為替変動による値動きの違いに着目して、異なる状況にある地域の資産や銘柄、通貨を組み合わせて投資を行うことで価格変動リスクを抑える効果が期待できます。
●時間の分散
一度に投資するのではなく、数回に分けて投資したり、毎月一定額を積み立てるなどの方法で、購入時期を分散させるなど「時間」をずらして投資することによって、リスクを小さくすることが期待できます。
長期保有
分散投資に加えて、投資期間を長くする「長期保有」もリスク軽減策のひとつです。
短期間で売買するときは、値上がりや値下がりの動きに合わせて大きく収益を得ることもあれば、損失を被ることもあります。投資期間を長くすることで、運用成績の悪い時期と良い時期がならされ、一年あたりの平均的な収益率は安定する傾向があると言われています。
また、長く保有を続けていると、運用で得られた利益を投資元本に加えて再投資をすることで、「複利の効果」が働きやすくなることが期待されます。
「時間分散」×「長期保有」で効果的な資産形成を
積立投資のススメ
積立投資を利用した投資信託のお取引は「ドル・コスト平均法」という同一の金融商品を定期的に一定金額ずつ継続して購入する投資手法を利用しています。投資タイミングで悩むこともなく、「時間の分散」ができ、無理なく長期保有も続けることができます。ドル・コスト平均法について、詳しくみていきましょう。
- ドル・コスト平均法の効果
- 下図は、ドル・コスト平均法を活用して毎月1万円ずつ投資信託を購入する場合と毎月1万口ずつ購入した場合を例示しています。なお、1万口の「口」は「口数」と呼ばれ、投資信託を取引する際の取引単位を指します。銘柄にもよりますが、一般的には1万口単位での金額が投資信託の値段(基準価額)として公表されています。
定期的に一定の「金額」ずつ購入していくドル・コスト平均法は、価格が高いときには口数を少なく、価格が低いときには口数を多く買うことができます。毎月一定「口数」の投資信託を購入していく方法と比較すると、平均購入単価を低く抑えることが期待でき、値上り局面で利益を出しやすくなります。
ドル・コスト平均法は、相場が下落している局面には口数を多く買うことができ、その後の相場が回復する局面で効果を発揮することが期待できますが、相場が一方的に下落する局面ではトータルでマイナスになってしまう可能性もありますので注意が必要です。
- 上記の例はあくまで試算であり、運用成果を示唆または保証するものではありません。1口あたりの購入単価の計算では、小数第一位を四捨五入して算出しています。また、計算過程において手数料・税金等は考慮していません。