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2026.03.16 NEW

「健康経営銘柄」のパフォーマンスは? 低PBR群で選定後1年の株価が堅調 野村證券ストラテジストが解説

「健康経営銘柄」のパフォーマンスは? 低PBR群で選定後1年の株価が堅調 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

「健康経営銘柄」が公表される

3月9日に経済産業省と東京証券取引所が「健康経営銘柄」を公表しました。これは、上場企業の中から業種ごとに「健康経営」に優れた企業を選ぶ仕組みで、2015年以降、毎年2〜3月に公表されています。選定企業は、長期視点で企業価値の向上を重視する投資家にとって、魅力的な投資先と位置づけられています。健康経営銘柄のROE(自己資本利益率)はTOPIX(東証株価指数)をやや上回っており、やや成長株色があるといえます。一方、PBR(株価純資産倍率)の中央値はTOPIXを下回ります。このため、収益性の面ではやや成長株、株価評価の面ではやや割安株の性格を持つ点が注目されます。

健康経営銘柄のPBR

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(注)2015年3月以降の健康経営銘柄発表日の翌営業日から翌年発表日までの対象銘柄の実績ベースPBRの平均値・中央値を算出。
(出所)経済産業省、東京証券取引所、QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

株価パフォーマンスを見ると、アナウンス効果は小さい

健康経営銘柄の株価パフォーマンスに関する検証は多くありません。2023年6月号の「証券アナリストジャーナル」に掲載された「健康経営と企業パフォーマンスに関する論点整理」(和田裕雄氏、安田行宏氏)では、発表前後にごく小幅な株価の上振れが報告されています。それによると、2015〜23年の健康経営銘柄の選定企業について、発表当日のアブノーマルリターン(異常リターン)は+0.15%で、統計的に有意でした。ただ、売買手数料や執行コストを考慮すると、15bp(ベーシスポイント)の収益を狙って投資する投資家はそれほど多くないとみられます。2015〜26年の健康経営銘柄(延べ468社)に対象を広げても、上記の検証と同様に、発表後4営業日にかけてはTOPIX対比で小幅に上回り、統計的にも有意ですが、その後はアウトパフォーム幅が縮小します。

健康経営銘柄発表前後の株価形成(対TOPIX相対株価)

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(注)対象は2015年~26年の健康経営銘柄。発表の25営業日前から50営業日後にかけての対TOPIX相対株価の平均値・中央値を算出。
(出所)経済産業省、東京証券取引所、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成

発表から1年後にかけては低PBRグループが堅調

中期的な影響を見るため、健康経営銘柄の公表後1年間についてTOPIX対比の相対株価を算出し、各年の選定銘柄をつないで検証すると、健康経営銘柄全体ではTOPIX並みか、やや下回る期間の方が多くなっています。類似のESG(環境・社会・企業統治)関連指数である「女性活躍」や「人的・設備投資」と比べても、これまでは見劣りする傾向がみられました。

健康経営銘柄の中でも、相対的にPBRが低いグループに注目すると、2021年以降の割安株相場も追い風となり、過去5年間はTOPIXを上回る傾向がみられます。あくまで過去の実績ですが、2015年3月以降のリスク・リターンを見ると、健康経営銘柄の低PBRグループは、価格変動リスクはやや高いものの、リターンはバリュー(割安)指数を上回りました。

健康経営銘柄の中の高PBRグループと低PBRグループ別に見た相対株価(vs TOPIX)

「健康経営銘柄」のパフォーマンスは? 低PBR群で選定後1年の株価が堅調 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)健康経営銘柄が公表された翌営業日以降に実績PBRが中央値よりも高い企業群を「健康経営銘柄&高PBR」、実績PBRが中央値よりも低い企業群を「健康経営銘柄&低PBR」として平均リターンを算出、1年後の次期公表時に入れ替え。
(出所)経済産業省、東京証券取引所、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成

今後の注目イベント

高市早苗首相は2月9日に「攻めの予防医療」に関する会合を開き、企業が従業員の健康に投資する「健康経営」の促進に向けた課題などについて、有識者から意見を聞きました。3月17日には、経済産業省の「健康経営推進検討会」が開かれます。5月には、健康寿命を延ばし、社会保障の支え手を増やすことを目指した論点整理を示す方針です。

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株メモ:低PBRの健康経営銘柄に注目 – 2015年以降の属性や株価パフォーマンスを検証(2026年3月13日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

 
   
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