2026.02.24 NEW
トランプ関税の違憲判決後も「脱米国」続くか 日本企業の対米環境は基本的に変わらず 野村證券ストラテジストが解説
日本企業の米国ビジネス環境は、従来と大きく変わらない見通し
2月20日、米最高裁はIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく関税措置を違法とする判決を下しました。同日、ホワイトハウスはIEEPAによる関税措置に代わる措置として、2月24日から通商法122条に基づき、関税率10%を150日間課す方針を公表しました。その後の2月21日、トランプ大統領はSNSで、同条に基づく関税率を10%から15%へ引き上げる考えを表明しました。
日本企業の米国ビジネス環境は、基本的には従来と大きく変わらないとみています。ただし、通商法122条に基づく新たな関税は7月24日までで、その後にどのような措置が取られるのかは不透明です。すでに徴収された関税が返還されるかどうかも不透明で、仮に返還される場合でも手続きの混乱につながる可能性があります。こうした不透明感が米国の製造業景況感に悪影響を及ぼさないか、市場は警戒しやすいでしょう。
5,500億米ドルの投資を含む日米合意は今後も維持される見込みですが、企業収益にとってのプラス面だけでなくマイナス面も警戒されやすいでしょう。日本企業の2025年4-12月期決算では、関税が営業利益を少なくとも3%前後押し下げました。この状況は2026年度も大きくは変わらないとみられますが、追加の減益インパクトが生じなければ、2026年度にTOPIX(東証株価指数)のEPS(1株当たり利益)が2桁増益となる可能性は依然として高いでしょう。
米国プライベートアセットを巡る懸念とその波及には注意
2月23日の米国株では、ディフェンシブセクターがアウトパフォームとなる一方、金融やミーム株(はやり株)はアンダーパフォームとなり、低ベータ選好が目立ちました。特に米投資会社に加え、米地銀株が大幅安となるなど、プライベートアセット(未公開資産)への懸念がなお解消していません。
一方、欧州株は小幅安にとどまり、米国上場の日本株ETF(上場投資信託)もおおむね横ばい圏でした。2025年に続き2026年も、米ドルベースリターンでは日本株、欧州株や新興国株が米国株をアウトパフォームしており、「脱米国」の流れは崩れにくいでしょう。米ICI(投資信託協会)統計では、1月中旬以降、世界株投信・ETFへの資金流入が堅調です。米国上場ETFの資金フローでは、日本株ETFへの流入が足元で目立ちます。
(編集:野村證券投資情報部)
編集元アナリストレポート
Quick Note – 日本株朝メモ:関税違憲判決後も「脱米国」継続か – 米国プライベートアセットを巡る懸念とその波及には注意(2026年2月24日配信)
(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。
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