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2026.03.11 NEW

金融危機時に先行してトレンド展開する「D/Eレシオ」とは? 現時点で悲観は不要 野村證券ストラテジストが解説

金融危機時に先行してトレンド展開する「D/Eレシオ」とは? 現時点で悲観は不要 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

プライベートクレジット市場に対する注目度は高い

このところの海外株式市場では、プライベートクレジット(ノンバンク融資)市場への懸念を背景に、関連銘柄が大幅安となる場面が増えており、影響が大きくなっている印象があります。日本株についても直接的な影響は限定的とみられるものの、海外市場におけるファクター(要因)やセクター選好は短期的に日本株の物色に波及しやすいため、注視する必要があります。

また、2008年前後の世界金融危機では金融機関の破綻を起点に信用不安が連鎖し、世界経済に多大な影響が及びました。このため、金融業種との関係が深いと考えられるプライベートクレジット市場への注目度は高いと言えます。

結論から言うと、現在の日本株市場では、信用収縮を見越したような動きは、中長期のトレンドを見る限り観察されておらず、直ちに悲観的なポジションを取る必要はないと考えます。株式市場の予見性を前提とするなら、例えば、企業の借入金などである有利子負債が、返済義務のない自己資本の何倍かを示すデットエクイティレシオ(負債資本倍率、以下D/Eレシオ)など、安全性指標として用いられるファクターで見た物色動向が参考になると考えています。

D/Eレシオ(定義はロング側が低レバレッジ≒高クオリティー銘柄)のファクターリターンを中長期で見ると、トレンドが発生しやすいファクターであることが分かります。過去には2006年前後にマイナストレンドからプラストレンドに転換した後、世界金融危機が起きました。直近では2020年のコロナショック後の大規模な金融緩和を経てもマイナストレンドが続いており、高D/Eレシオ(高レバレッジ)銘柄が選好されていると言えます。

D/Eレシオのファクターリターン

金融危機時に先行してトレンド展開する「D/Eレシオ」とは? 現時点で悲観は不要 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)TOPIX500ユニバース。定義はロング側が低レバレッジ≒高クオリティー銘柄。1996年以降の累和ファクターリターン。
(出所)QUICK、ブルームバーグ、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

悲観する必要はないが、分散は必要

安全性指標に関連するファクターの中長期トレンドには、現時点で大きな変化が見られないため、信用収縮のリスクを過度に警戒する段階ではないと考えます。ただし、信用収縮に至る前段階として想定される業績悪化などを織り込む動きが強まる場合、株価モメンタム(勢い)の高い銘柄の中でも、相対的にクオリティーが低い銘柄(すなわち高D/Eレシオ銘柄)が売られる局面は想定しておくべきです。その場合は、一定の分散も必要と考えます。また、D/Eレシオなど安全性指標の中長期的なトレンドを継続的にモニタリングすることも、同時に必要だと考えます。

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株クオンツメモ – 危機時は先に安全性指標がトレンド転換(2026年3月10日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

 
   
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