2026.05.25 NEW
日経平均株価、史上初の65,000円台 AI相場のすそ野が広がっている 野村證券・大坂隼矢
撮影/タナカヨシトモ(人物)
2026年5月25日、日経平均株価は65,000円を突破し、2営業日連続で終値ベースの最高値を更新しました。足元の日経平均株価の強さが目立つ背景・要因は何でしょうか。野村證券シニア・ストラテジストの大坂隼矢が解説します。

日経平均株価が連日最高値を更新した背景・要因は
- 5月25日の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比1,819.12円高の65,158.19円で取引を終えました。短期間で65,000円台に到達しましたが、足元、日経平均株価が急上昇している背景・要因は何でしょうか。
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トランプ大統領が米国・イランとの停戦合意が近いことを示唆し、市場では停戦とホルムズ海峡航行の正常化、原油価格の落ち着きが期待されました。
しかしそれだけでなく、先週からの日本株上昇の流れは、日米で企業の決算発表を無事通過し、企業業績がしっかりしていることが確認できたことが大きかったと思います。日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)の予想EPS(1株当たり利益)を比べると、日経平均株価の予想EPSの方が大きく上昇しており、連日の日経平均株価の最高値更新は業績と整合的な動きと言えるでしょう。
(注)株価は日次で、直近値は2026年5月21日。予想EPSは月次で、直近値は2026年5月15日時点。予想12ヶ月先EPSは、今期の残存期間に応じて、今期/来期の予想EPSを期間按分したもの。予想は東洋経済新報社。
(出所)日本経済新聞社、東洋経済新報社、JPX総研、野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成
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当初は中東情勢悪化による原油高の影響で、企業から保守的な業績見通しが発表されるのではないかという懸念もありましたが、特に日米ともにAI需要を背景としたテクノロジー関連の設備投資が堅調であることが分かりました。堅調な企業業績を大前提とした上で、米国とイランの和平交渉進展への期待感が追い風となった格好と言えるでしょう。
AI需要拡大のすそ野が広がり、新たな成長ストーリーも
- 具体的にAI需要はどのように拡大しているのでしょうか。
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AIデータセンターの建設が進む中で、AI需要の恩恵を受ける銘柄のすそ野が広がってきている印象があります。これまではデータセンター関連銘柄として、半導体に加え、電線や電気通信工事などの株価上昇が目立っていましたが、機械や電子部品などに関連する銘柄にも恩恵が見えてきています。
例えば、データセンターの新設およびデータセンター内で実際にAIを処理するサーバー向けの機械需要が足元で大きく増加しており、日本の工作機械受注も米中を中心に拡大が続いています。また、電子部品についても、AIサーバー向けの需要が拡大しており、業績成長への期待が高まってきた印象です。さらに、これまでAI需要拡大の恩恵を享受できていなかった半導体材料であるシリコンウエハー市場でも、新たな成長ストーリーが関連企業の決算発表から見え始めており、AI需要拡大のすそ野がさらに広がっている模様です。
(注)データは月次の3ヶ月後方移動平均。直近値は日本国内が2026年4月、その他が2026年3月。
(出所)日本工作機械工業会より野村證券投資情報部作成
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一方、日経平均株価への寄与度が高いAI関連銘柄の中には、個社要因が強く出ている銘柄もあります。5月21~25日にかけてのソフトバンクグループ(9984)1社の株価上昇で日経平均株価を1,600円以上押し上げました。これはソフトバンクグループの投資先である米オープンAIの上場に関する報道を受けたものであるとみられます。一方、5月14日に企業決算を発表したフジクラ(5803)は光ケーブルの原材料の調達リスクが明らかになり、急落しました。AI関連銘柄の値動きを見る際には、市場全体の要因と個社要因を分けてみていく必要があるでしょう。
今後の注目点の1つは「金利上昇」
- AI・半導体関連以外で、注目すべきセクターはありますか。
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国内の金利上昇期待を追い風に、銀行セクターは強い業績を示しました。特に足元の日銀の利上げ期待への高まりは、銀行株の株価にポジティブに働きました。一方、今回の金利上昇は景気が上向いている影響ではなく、ホルムズ海峡を巡る原油高とインフレ懸念が影響している点は注意が必要でしょう。不動産株の株価が軟調に推移しているのがその証左と言えます。
- 今後の注目点は何でしょうか。
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金利上昇に歯止めがかかるかどうかは、ポイントになると思います。不動産セクターで意識されているような悪い金利上昇が市場全体に波及するリスクはあります。つまり、名目GDP成長率よりも、名目長期金利の方が高い状況になるという見方が強まると、日本企業全体の利益が伸びず、好循環が終わることも考えられます。また、何がきっかけとなるかを予測することは難しいですが、株式市場のけん引役となっていたAI需要拡大への期待が崩れるリスクにも、注意しておく必要があるかもしれません。日々、AIに関連する最新ニュースをフォローしておく必要があると思います。
- 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
大坂 隼矢 - 2010年入社。3店舗での支店業務を経て、2015年3月より投資情報部。現在は月刊誌「Nomura21 Global」等、個人投資家向け株式資料の作成をはじめ投資情報の提供を行う。
※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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