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2026.05.21 NEW

エヌビディア、好決算でも時間外で株価下落 米国株式市場への影響と今後の注目点 野村證券・村山誠

エヌビディア、好決算でも時間外で株価下落 米国株式市場への影響と今後の注目点 野村證券・村山誠のイメージ

撮影/タナカヨシトモ(人物)

株式市場に与えるインパクトが大きい米半導体大手のエヌビディアが、5月20日(米国時間)引け後に2026年2-4月期決算を発表しました。好決算だったにも関わらず、決算発表後の時間外取引で、エヌビディアの株価は乱高下した後、終値は前日を下回りました。エヌビディアの決算はマーケットにどう影響したのでしょうか。決算のポイントと米国株式市場への影響について、野村證券投資情報部シニア・ストラテジストの村山誠が解説します。

エヌビディア、好決算でも時間外で株価下落 米国株式市場への影響と今後の注目点 野村證券・村山誠のイメージ

決算実績は、売上高、調整後EPSともに市場予想を上回る

米国時間20日引け後に、エヌビディアが、2026年2-4月期(2027年1月期第1四半期)決算を発表しました。

売上高は、前年同期比+85.2%の816.15億米ドルとなりました。市場予想平均は789.07億米ドルでしたので、実績は上回りました。期初に会社は、売上高は780億米ドル±2%(764.40~795.60億米ドル)との見通しを示していたので、実績は会社予想レンジを上回りました。

調整後売上高総利益率は75.0%でした。市場予想平均は75.0%でしたので、実績は一致しました。期初に会社は75.0±0.5%(74.5~75.5%)との見通しを示していましたが、実績は会社予想レンジの中間値75.0%と一致しました。

調整後EPS(1株あたり利益)は、前年同期比2.40倍の1.87米ドルでした。市場予想平均は1.75米ドルでしたので、実績は上回りました。

エヌビディアの決算概要

2026年2-4月期実績
実績 市場予想比 前年同期比
売上高 816億ドル 3.4% 85.2%
EPS 1.87ドル 6.9% 2.4倍
2026年5-7月期(四半期)見通し
会社見通し 市場予想比
売上高 910億ドル±2% 4.3%
粗利率 75.0±0.5% 市場予想平均は
74.5%

(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成

会社の売上高見通しも市場予想平均値越え

2026年5-7月期について会社は、売上高の見通しを910億米ドル±2%(891.80~928.20億米ドル)としました。市場予想平均の売上高は872.44億米ドルでしたので、会社予想レンジは市場予想平均を上回りました。会社は、中国におけるデータセンター向けの売上高については、見通しの中に入れていないとのことです。

調整後売上高総利益率について会社は、75.0±0.5%(74.5~75.5%)ポイントとしました。市場予想平均は74.5%でしたので、会社予想レンジは市場予想平均以上となりました。

決算資料の中で、CEO(最高経営責任者)のジェンスン・フアン氏は、「人類史上最大のインフラ拡張であるAIファクトリーの構築が、驚異的なスピードで加速している」と述べています。

そして、「エージェンティックAIの時代が到来した。これは生産的な業務を担い、実際の価値を生み出し、企業や業界全体で急速に拡大している。同社は、あらゆるクラウド上で稼働し、最先端モデルとオープンソースモデルのすべてを支えている。ハイパースケール・データセンター(大規模なクラウドやデータセンター)からエッジ(データセンターの外、例えば工場や店舗などにある端末におけるAI計算環境)まで、AIが用いられるあらゆる場所でAIを動かし、その利用を大きく広げられる唯一のプラットフォームとして、この変革の中心に独自の立場を築いている」と述べています。

株価は時間外取引で上下する展開に

20日にエヌビディアの株価は、前日比+1.29%の223.47米ドルで引けた後、決算発表を受けて株価は上下し、NY時間17:19時点では、終値比-0.65%の222.01米ドルとなっています。

決算実績が市場予想平均を上回り、会社売上高見通しが市場予想平均を上回ったものの、20日の終値は直近の場中の安値である3月30日の164.27米ドルから36.0%上昇していたこともあり、決算発表という当面のイベント通過で、利益確定売りも相応に出ているとみられます。

なお、エヌビディアの株価は、5月14日に236.54米ドルと場中での上場来高値を付けていました。この背景としては、5月14・15日に行われた米中首脳会談に、当初は予定されていなかったジェンスン・フアンCEOが同行することとなり、14日には米国政府がエヌビディア製のAI半導体「H200」の中国企業約10社への販売を許可したことが報じられ、中国向けにAI半導体の販売が再開されるとの期待が高まったことがありました。しかし、中国側が「H200」の購入再開に向けて動いていないことが伝わると、エヌビディアの株価は15日に下落し、その後は一進一退となっていました。

今回、2026年5-7月期の売上高見通しに、中国におけるデータセンター向けの売上高を織り込まなかったことで、株式市場の反応も限定的にとどまっていると推察されます。

エヌビディア決算後、今後の株式市場の注目点は

株式市場が注目していた中国向けの「H200」の販売再開については、中国側の動向や、販売再開状況を注視する状況が続くでしょう。引き続き、中国政府やメディアからの情報発信などに注目していきたいです。

また6月2日には、世界の主要半導体メーカー50社で構成される業界団体、WSTS(世界半導体市場統計)が、2026年春季の半導体市場の見通しを発表する予定です。直近の半導体市場の動向を踏まえ、2026年の予想が2025年12月時点の予想からどのように修正されるかが注目されます。

2025年12月に公表された前回の予想では、AI需要を見越したデータセンター投資に連動する形でメモリー製品やGPU(画像処理半導体)などのロジック製品が半導体市場の成長をけん引するとして、2026年の予想を大幅に引き上げました。今回の予想では、新たに2027年分が示されると推測され、2027年にかけてWSTSがどの程度、市場拡大を見込んでいるのかが、注目されます。

企業決算では、6月3日には半導体大手のブロードコムが2026年2-4月期決算の発表を予定しています。同社はAI用半導体が成長のけん引役となっている企業であり、同社の業績や受注動向をチェックし、AI半導体の業界動向を確認したいと考えます。

エヌビディア、好決算でも時間外で株価下落 米国株式市場への影響と今後の注目点 野村證券・村山誠のイメージ
野村證券 投資情報部 シニア・ストラテジスト
村山 誠
1990年野村総合研究所入社、1998年に野村證券転籍。エクイティアナリスト、クレジットアナリストとして勤務。2011年6月より米国株ストラテジー担当。投資環境の分析、個別株の投資アイデアを提供。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」出演中。

※記事の中で個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。この記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

 
   
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