2026.08.04 NEW
円買い介入後のTOPIX傾向は? 現行水準の米ドル・円相場であれば、日本企業の収益にプラス 野村證券ストラテジストが解説
円買い介入後にTOPIXは一進一退のち上抜ける傾向
円買い介入が日米協調で実施されました。2026年8月3日には日米当局トップが追加介入の可能性を示唆し、ベッセント米財務長官も「円の大幅な過小評価を是正するための措置を強く支持」とのメッセージを発しました。円安期待是正への意思を感じさせるものでした。
現行水準の米ドル・円相場であれば、日本の企業収益にプラスとなり、海外投資家の日本株への投資意欲にも水を差しにくいでしょう。2022年以降は、円買い介入後にTOPIX(東証株価指数)が4ヶ月ほど一進一退となった後、上抜けるパターンが多くみられました。
(注)平均値を表示。
(出所)財務省、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成
一方、米ドル建てTOPIXは堅調に推移する傾向がありました。円買い介入後は、内需株とバリュー(割安)株がアウトパフォームする傾向もみられました。
2024年8月との類似点&相違点
円買い為替介入と日本銀行のタカ派化観測という組み合わせは、2024年8月の「植田ショック」を想起させます。ただ、外資系投資家の日経平均先物のポジションがショートを継続している点は当時と異なります。また、2026年初来の外国人投資家の先物フローでは、日経平均先物以上にTOPIX先物の売り越しが目立ちます。
足元では業績の堅調さもみられます。一方、AI半導体相場が2026年6月22日前後にピークを迎え、7月には外需企業や円安メリット企業が大幅にアンダーパフォームしました。このため、株式市場の物色は相応の円高に備えていたとも言えます。6月初旬以降の日経平均先物との連動性をみると、為替や金利よりも米国株先物や韓国株先物の影響が大きくなっています。8月3日の取引時間中の安値となった日本時間10時15分前後を底に、TOPIXや日経平均が下げ幅を縮小した主因も、S&P500先物(Eミニ)の上昇と言えます。
現行水準の米ドル・円相場であれば、日本企業の収益にプラス
米ドル・円相場が1円円安・円高になると、TOPIXのEPS(1株当たり利益)を0.2~0.25%押し上げ・押し下げる業績感応度があります。一方、株価指数の感応度は低下傾向にあります。
上場企業の2026年度の想定為替レートは、1米ドル=151~152円前後、1ユーロ=177~179円前後が多くなっています。このため、現行水準の米ドル・円相場であれば、日本企業の収益にプラスとみなせます。もっとも、円安メリットが大きい自動車、エネルギー・資源、機械では、これまでに比べて為替による業績下支え効果の低下が意識されやすいでしょう。
円安メリットへの期待が後退した可能性を踏まえ、自動車・インバウンドに対する回避姿勢を一段と強めることが適切とみています。ただし、専門家でも予測が難しい為替を軸に、株式ポートフォリオを構築することは避けるべきです。為替リスクをコントロールしつつ、各企業・セクターのファンダメンタルズ(基礎的条件)、バリュエーション(投資尺度)、ポジションに対する評価を軸とすべきだと考えます。
(編集:野村證券投資情報部)
編集元アナリストレポート
日本株メモ:円買い介入&日米為替協調の第一印象 – 円買い介入後のTOPIXは横ばい、内需・バリュー優勢(2026年8月3日配信)
(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。
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