2026.07.17 NEW
2026年度1Q決算の超速報 全体の3分の2が増益も、株価は悪材料へのネガティブ反応が目立つ 野村證券ストラテジストが解説
経常利益10%上振れが「隠れコンセンサス」
2026年7月15日までに公表された2月・3月本決算企業の2026年度1Q(第1四半期)決算は、全産業の205社ベースで、売上高が前年比7.1%増、経常利益が同25.1%増でした。全体の3分の2前後が増益でした。
1Qの通期予想に対する達成率は、コンセンサス比、会社計画比ともに25%を超え、2021年度以降の中央値を上回りました。1Q経常利益の実績がコンセンサスを上回った企業は36社と、下回った企業数(15社)を上回りました。通期会社予想経常利益を上方修正した企業数(15社)も、下方修正した企業数(1社)を上回りました。ただし、小売業では1Qに経常増益となった企業の割合が6割弱と低めでした。情報通信業やサービス業では、1Q経常利益の実績がコンセンサスを下回る企業も散見されます。
決算発表後の株価反応は、好材料へのポジティブ反応よりも、悪材料へのネガティブ反応が目立ちます。上振れ企業の割合が7割前後に達し、「上振れが当たり前」と受け止められていることも影響していると考えられます。経常利益の上振れ率が10%以上かどうかをサプライズの基準として株価反応を見ると、10%以上の上振れではアウトパフォームし、上振れが10%未満では小幅にアンダーパフォームする傾向が見られます。1Q経常利益がコンセンサスを10%前後上回る水準が「隠れコンセンサス」とみなせます。直近の米企業決算でも、EPS(1株当たり利益)が5.5%上振れた水準が「隠れコンセンサス」とみなせます。
このほか、株価は1Qの経常減益や、経常利益達成率の過去中央値からの乖離に反応する傾向が見られます。通期会社予想経常利益の上方修正や自社株買いの発表に対しては、大きくアウトパフォームする傾向も確認できます。4-6月期はAI・半導体を中心に増益率期待が高い一方、決算後は全産業で7-9月期の上方修正を確認する展開が想定しやすいです。
フィジカルAIと防衛テーマに関するニュース
7月15日からエヌビディアのジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)が訪日し、秋葉原や神田を訪れたことが話題になりました。フィジカルAI・ロボット分野での日本企業との連携も注目されやすいでしょう。
7月14日にはソフトバンクグループ(9984)の孫正義CEOが講演し、2040年には世界のAI投資が年5兆米ドルに達し、10億台の人型ロボットが稼働するとの未来像を示しました。
7月10日の安川電機(6506)決算(2026年3~5月)は、ロボット部門の構造改革費用に伴う利益下振れで株安反応となりました。ただ、運動制御、ロボット両部門ともに受注は堅調でした。産業用ロボット受注の拡大も、ロボット関連株のサポート要因と考えられます。
(注)ロボット関連株はセグメントデータなどを参考にした17社。月次平均リターン(等ウェイト)を用いて対TOPIX相対株価を算出。
(出所)経済産業省、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成
また、7月10日の古野電気(6814)決算(2026年3~5月)では、レーダーや防衛装備品が伸びました。2026年2月以降は防衛株が軟調な場面が増えましたが、防衛省からの受注拡大が一服したことも影響したとみられます。このため、ストラテジーの観点からは、今後の防衛予算増額や海外売上高の拡大が、株価反発に向けたカタリストとなりやすいとみています。
(注)防衛関連株は防衛省向け売上高などを参考にした15社。月次平均リターン(等ウェイト)を用いて対TOPIX相対株価を算出。
(出所)内閣府、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成
(編集:野村證券投資情報部)
編集元アナリストレポート
日本株ウィークリー(2026年7月16日) – 時価総額1位ジンクスvs競争に伴う市場活性化期待(2026年7月16日配信)
(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。
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