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2026.05.27 NEW

日経平均株価見通しを2026年末68,000円に上方修正 AI・半導体の好業績を反映 野村證券ストラテジストが解説

日経平均株価見通しを2026年末68,000円に上方修正 AI・半導体の好業績を反映 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

トップダウンモデルに反映できていなかったAI・半導体の好業績を反映

米国とイランの本格的な停戦が実現しても、ホルムズ海峡の正常化には時間を要するとみられます。ただ、資源コスト上昇の長期化懸念や供給網の遮断リスクを低下させる材料になります。実際、5月24日以降の停戦延長報道を受け、原油価格は6~12ヶ月先などの期先物を含めて下落しました。依然として「原油安・日本株高」の傾向もみられます。

また、AI・半導体企業(ソフトバンクグループを除く)の経常利益は2026年度に倍増する見込みで、急速に上方修正が進んでいます。従来のトップダウンモデルではこの点を捉え切れていなかったため、AI・半導体企業のアナリスト予想を参照する形でトップダウンEPS(1株当たり利益)を見直しました。AI・半導体の業績が、マクロのトップダウン分析では説明できない規模と伸び率になっている点を考慮しました。TOPIX EPSは、2025年度の204.8(前年度比14.9%増)から、2026年度225.2(同10.0%増)、2027年度257.1(同14.2%増)、2028年度274.6(同6.8%増)と予想します。

以上を踏まえ、日本株見通しを引き上げます。メインシナリオでは、TOPIXを2026年末4,200、2027年末4,400、2028年末4,600、日経平均株価を2026年末68,000円、2027年末70,000円、2028年末72,500円と予想します。値上げや株数の減少に伴うEPS拡大が株高基調をもたらす業績相場を、今後は想定しています。

国内株指数見通し概要
2026年6月 2026年12月 2027年12月 2028年12月
メインシナリオ TOPIX 4,000 4,200 4,400 4,600
日経平均
株価
66,000 68,000 70,000 72,500
上振れ TOPIX 4,700 4,900 5,100 5,300
日経平均
株価
75,500 78,000 80,000 82,500
下振れ TOPIX 3,400 3,500 3,650 3,800
日経平均
株価
51,000 53,000 55,000 57,500

(出所)野村證券市場戦略リサーチ部作成

バリュエーションは過去レンジに比べてやや割高感

バリュエーションは、12ヶ月先予想PER(株価収益率)でTOPIXが17.5倍、日経平均株価が22.4倍と、過去レンジに比べてやや割高感が出ています。今後は、これまでのPER上昇を裏付ける形でEPSが拡大し、PERはやや低下すると想定しています。

過去1週間で日経平均株価は5%以上上昇しましたが、このような急騰後は上昇ペースが鈍るか、一進一退となるケースが多くみられます。目先は、AI・半導体の業績予想の改善ペースが持続可能かを見極める局面と位置づけられます。需給面では国内投資家の利益確定売り圧力が意識されます。季節性の観点から、自社株買いやTOB(株式公開買い付け)の発表が6月以降は一服しやすい点も踏まえ、一進一退を想定しています。

日経平均株価が5営業日で5%高となった前後の日経平均株価の傾向

日経平均株価見通しを2026年末68,000円に上方修正 AI・半導体の好業績を反映 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)1980年以降。直近は2026年5月26日9時半時点。
(出所)日本経済新聞社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

2026年度の会社予想は、中東情勢の織り込みがやや甘い面がみられます。このため、2026年4-6月期決算の内容が判明する7月末以降に、業績予想の修正が上向く可能性は高くないと考えています。一方、遅かれ早かれ中東情勢が正常化し、AI・半導体需要の底堅さ、国内消費者の購買力回復、BtoB(企業向け)企業を中心とした値上げ効果が発現することで、株価指数は再び高値を更新する展開を想定しています。

上振れシナリオと下振れシナリオ

上振れシナリオでは、2027年末にかけてTOPIXが5,100、日経平均株価が80,000円となるケースも想定しています。日本のマクロ経済政策運営が適切に行われることを前提に、AI・DX(デジタルトランスフォーメーション)投資が生産性向上に目に見えて貢献すること、業界再編や事業ポートフォリオの見直しが目に見えて進むこと、インフレに賃金・消費が追いつくことなどが意識される場合を想定しています。日米の株式市場では、潜在成長率やROE(自己資本利益率)の改善を先取りしてPERが上昇するケースも過去にみられました。

下振れシナリオでは、2027年末にかけてTOPIXが3,650、日経平均株価が55,000円となるケースを想定しています。米国ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の設備投資予想では、2026年10-12月期をピークに伸び率の鈍化が見込まれています。先行・遅行関係を踏まえると、SOX(フィラデルフィア半導体株指数)や日経半導体指数が1四半期前の2026年7-9月期から、こうした鈍化に連動する可能性があります。特に日米中銀のタカ派化(金融引き締めを志向)がハイパースケーラーの設備投資鈍化懸念と重なる場合、AI・半導体銘柄は脆弱になりそうです。

ハイパースケーラー企業の設備投資とSOX、日経半導体指数

日経平均株価見通しを2026年末68,000円に上方修正 AI・半導体の好業績を反映 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)2026年4-6月期以降の設備投資はBloomberg集計のコンセンサス予想。2026年5月25日時点。
(出所)Bloomberg、フィラデルフィア証券取引所、日本経済新聞社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

このほか、米国とイランの停戦合意後もサプライチェーン(供給網)の混乱が深刻化する場合や、交易条件が想定以上に悪化し、日本の「G>R」解消が長期化する場合なども、下振れシナリオのカタリスト(材料)となり得ます。

引き続き電機、機械、銀行が軸

セクターでは、引き続き電機と機械を軸にします。AI・半導体・防衛・ロボットなどのテーマ性が豊富で、業績も堅調なためです。加えて、割安感や日銀利上げの織り込み状況などから銀行に注目しています。各種サーベイで不人気な自動車にも、タクティカル(戦術的)な観点から注目しています。

また、2026年4~5月の一極集中相場に伴い、バリュー(割安)株のアンダーパフォームが目立ちました。目先は半導体主導でグロース(成長)株優位との見方がコンセンサスですが、金利上昇に出遅れたバリュー株の割安感が相対的に強まりました。このため、電機・機械関連分野で好業績とバリュー属性を備えた出遅れ株に注目しやすくなったとみています。

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株見通し修正:想定以上のAI・半導体期待&停戦期待を反映、TOPIX EPSと指数見通しを引き上げ – 引き続き電機、機械、銀行が軸(2026年5月26日配信)

(注1)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

 
   
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