Research

野村リサーチ

2026.06.26 NEW

高市首相のインド訪問を控え、日本のインド関連企業に注目 野村證券ストラテジストが解説

高市首相のインド訪問を控え、日本のインド関連企業に注目 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

日印首脳会談でインド関連企業への注目高まるか

高市早苗首相は2026年7月1~3日にインドを訪問し、日印首脳会談を行うと報じられています。当初は半導体の集積地である北東部グワハティを訪問すると報じられましたが、日程面からニューデリーに変更されるようです。50を超える企業・団体が同行を調整中とも報じられ、安全保障・経済における「共同ビジョン」の具体化が焦点になるとみられます。半導体工場計画を巡る日印連携も念頭にあると報じられています。

IMD(国際経営開発研究所)の世界競争力ランキング2026で、インドは70ヶ国中44位でした。経済規模や人口は魅力的な一方、政府効率性(46位)、インフラ(54位)、対内直接投資(54位)が弱点とされました。この点で、日本企業によるインフラ分野での対インド直接投資は、インドの競争力改善にも貢献し得ます。

インド売上高やM&Aから見る関連企業の広がり

日本の上場企業のうち、インド売上高を開示する企業数は20社前後で、2023年度以降は伸び悩んでいます。一方、インド売上高は3兆円弱に達し、2020年度以降に倍増しています。日本企業によるインド企業を対象としたM&A(合併・買収)は高水準を維持しており、今後のインド売上高の開示社数とインド売上高の増加も示唆されます。

日本企業によるインド企業へのM&A

高市首相のインド訪問を控え、日本のインド関連企業に注目 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)買い手が日本の上場企業、被買収先がインド企業の案件を集計。Bloombergデータを集計(公表日ベース)。2026年は6月24日時点の数値を年率換算。
(出所)Bloombergより野村證券市場戦略リサーチ部作成

インド関連の日本企業について、(1)インド売上高の開示、(2)日印協会への加盟、(3)インド企業に対するM&Aの発表、という軸で見ると、2020年以降、インド関連企業はTOPIX(東証株価指数)をやや上回って推移してきました。2026年に入りTOPIXを下回っているのは、自動車株の影響といえます。インドルピーがルピー高・円安となるような際には、インド関連日本企業がTOPIXを上回りやすい傾向があります。

上記の3軸に加え、半導体、経済安保(防衛)、BtoC(消費者向け)でインド展開が期待される企業を加えたインド関連日本企業を以下の図表に示しました。自動車・商社・銀行を軸としつつ、空調・鉄鋼・非鉄、機械、電機などのインフラ分野、不動産、輸送サービス、食品、スポーツアパレル・小売専門店といった生活インフラ・消費分野など、産業の裾野は広がり得ます。

インド関連企業
    インド
売上
(10億円)
総売上に占める割合
(%)
インド
協会
加盟
M&A 半導体ビジネス 経済安保ビジネス BtoC  
1979 大気社 32.6 11.4 クリーンルームの製造・販売
2220 亀田製菓 2020年にインド版柿の種「カリカリ」を発売
2267 ヤクルト本社 インド全土約700都市で販売を展開、インド法人売上は約200億円
2768 双日 中期経営計画2023における注力地域にインドを掲げ、交通基盤を整備
4901 富士フイルムホールディングス 310.0 9.2 健康診断サービス提供しているほか、2025年にタタ・エレクトロニクス社の半導体工場向けに半導体材料を開発・提供する基本合意書(MOU)を締結
4997 日本農薬 8.1 7.3 農薬を製造、販売、輸出入
5108 ブリヂストン 667.9 15.1 2024年にプネ工場およびインドール工場での乗用車用プレミアムタイヤの生産能力を増強
5401 日本製鉄 中計で現地での一貫生産拡大で現地需要を補足と掲げる
5411 JFEホールディングス 2025年にインドJSWスチールと一貫製鉄所の合弁会社設立に関して合意
5706 三井金属 71.1 9.4 自動車用排ガス触媒を製造
6284 日精エー・エス・ビー機械 5.7 13.1 ペットボトル用プラスチック容器射出成型機を設計・製造
6305 日立建機 92.6 6.6 2024年に建機機械の開発を行う新会社をインドに設立、27年度に200人体制へ
6326 クボタ インド北部にトラクターや機械の新工場を建設
6367 ダイキン工業 2025年度までの中計でインドの一大拠点化を掲げる
6371 椿本チエイン 26.4 8.9 2025年にインドやアフリカなど成長が見込める地域に製造拠点を持つバイク向けのチェーンが主力の大同工業を買収
6387 サムコ 0.2 2.3 SEMICON Indiaへ出展し新規顧客を開拓
6501 日立製作所 エネルギー分野などで2030年度までに200億ドルのインド売上を目指す
6503 三菱電機 2024年にインドBharat Electronics、MEMCOと防衛分野での協業に向けた覚書を締結
6504 富士電機 チェンナイの工場にスマートメータのラインを2025年に整備し、インドのBIS規格の認証も受け取得し2026年の売上高は2025年比4.6倍の100億円規模を目指す
6701 NEC 日本政府が「もがみ」型護衛艦に採用されたステレスアンテナ「ユニコーン」のインドへの装備移転を推進
6723 ルネサスエレクトロニクス 半導体工場建設に1400億円を投資。26年9月より商用生産開始予定
6741 日本信号 鉄道信号を受注
6752 パナソニック ホールディングス 電気設備事業のインドでの売上高を24年度の1000億円から30年度に2倍の2000億円に伸ばす計画
6841 横河電機 29.1 4.8 インフラ需要確保を目指して現地流線形メーカー買収、伝送器を生産
6902 デンソー スターター、オルタネーター、空調制御装置、エンジン制御装置(ECU)、インジェクター、エンジン冷却モジュールを提供、インドに4,000人超の社員
6981 村田製作所 2025年にチェンナイで積層セラミックコンデンサの包装・出荷施設を開所
7011 三菱重工業 26年2月にインドでのエアコン製造工場を開設、今後もインドでのエアコン事業成長を見込む。また、防衛分野での協業も図る
7203 トヨタ自動車 2026年にインド・マハラシュトラ州に新工場を建設、29年SUV生産開始
7269 スズキ 2,678.5 42.6 2030年に400万台超の生産能力の構築を目指す。インドに子会社が上場
7936 アシックス ムンバイマラソンに協賛してスポーツシューズ販売に注力するほか、医療従事者と工場作業員向けの安全靴も販売
8001 伊藤忠商事 2029年中にインドのグジャラート州カンドラで再生可能エネルギー由来の「グリーンアンモニア」の生産拠点の稼働を目指す
8002 丸紅 2020年に防衛省と契約しインドで装備品の状況や需要などを調査
8031 三井物産 インドの大型再生エネルギー事業に出資
8058 三菱商事 化学品ビジネスで、ポリエステル(PET)原料やクロールアルカリ製品、芳香族などをインド市場へ展開
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ ノンバンクに出資、MUFGグローバルサービスのITや事務処理をインドに集約
8316 三井住友フィナンシャルグループ リテール金融を手掛けるSMFGインディアは900超の拠点を持ちROE目標25%超
8411 みずほフィナンシャルグループ デジタル技術を活用した融資業務を手掛ける現地の日系新興企業に出資
8601 大和証券グループ本社 現地ノンバンクに出資(中小企業向けや中古車向けローン)
8830 住友不動産 ムンバイで総事業費約5千億円で2030年代に複数の超高層ビルを開業
9025 鴻池運輸 鉄道コンテナ輸送サービスを提供
9104 商船三井 インドで造船パートナーシップを検討と2025年に報じられる
9147 NIPPON EXPRESS ホールディングス 152.4 5.9 フォワーディング、自動車物流などを手掛け、2028年度までの中期経営計画でインド亜大陸および環インド洋での事業拡大を掲げる
9543 静岡ガス 天然ガス供給事業を手掛け、スズキなどと連携
9735 セコム セコムと豊田通商がインドで総合病院を建設、運営
9843 ニトリホールディングス 2024年にムンバイにインド1号店開業、32年までに289店舗展開を目指す

(注)TOPIX構成企業で時価総額500億円以上のうち、地域別売上でインドあるいは南アジアの売上を開示している企業、または、以下の5条件のうち2つ以上の条件を満たす企業をスクリーニング。(1)日印協会法人会員、(2)インド企業を買収(出資を含む、2018年以降)、(3)インドでの半導体ビジネスを展開、(4)インドで防衛ビジネスを展開(あるいは検討)、(5)インドでBtoCビジネスを展開。業績予想はQUICKコンセンサス(東洋経済予想で補完)。2026年6月24日時点。
(出所)各社開示資料、日本経済新聞社、日印協会、Bloomberg、QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株ウィークリー(2026年6月25日) – 株高に連れて日本の国際競争力も底打ち反転?(2026年6月25日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

手数料等およびリスクについて

当社で取扱う商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(国内株式取引の場合は約定代金に対して最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された購入時手数料(換金時手数料)および運用管理費用(信託報酬)等の諸経費、年金保険・終身保険・養老保険の場合は商品ごとに設定された契約時・運用期間中にご負担いただく費用および一定期間内の解約時の解約控除、等)をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引をご利用いただく場合は、所定の委託保証金または委託証拠金をいただきます。信用取引、先物・オプション取引には元本を超える損失が生じるおそれがあります。証券保管振替機構を通じて他の証券会社等へ株式等を移管する場合には、数量に応じて、移管する銘柄ごとに11,000円(税込み)を上限額として移管手数料をいただきます。有価証券や金銭のお預かりについては、料金をいただきません。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。

株式の手数料等およびリスクについて

国内株式(国内REIT、国内ETF、国内ETN、国内インフラファンドを含む)の売買取引には、約定代金に対し最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は2,860円(税込み))の売買手数料をいただきます。国内株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。国内株式は株価の変動により損失が生じるおそれがあります。国内REITは運用する不動産の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。国内ETFおよび国内ETNは連動する指数等の変動により損失が生じるおそれがあります。国内インフラファンドは運用するインフラ資産等の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。
外国株式(外国ETF、外国預託証券を含む)の売買取引には、売買金額(現地約定金額に現地手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対し最大1.045%(税込み)(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。外国株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。外国株式は株価の変動および為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
詳しくは、契約締結前交付書面や上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。

  • EL_BORDEをフォローする
  • Pick up

    ページの先頭へ