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2026.06.24 NEW

年初から日経平均株価7万円までの上がった銘柄下がった銘柄 上半期の振り返りと下半期の投資テーマを展望 野村證券・大坂隼矢

年初から日経平均株価7万円までの上がった銘柄下がった銘柄 上半期の振り返りと下半期の投資テーマを展望 野村證券・大坂隼矢のイメージ

撮影/タナカヨシトモ(人物)

もうすぐ7月。2026年もいよいよ折り返し地点を迎えます。上半期の東京株式市場では日経平均株価が主要先進国の中でも突出した上昇率を記録し、6万円、7万円の節目を次々に突破しました。メモリー半導体を手掛けるキオクシアホールディングスを中心とした半導体関連株の上昇が目立ちますが、野村證券シニア・ストラテジストの大坂隼矢によると、株価が上昇するにつれてけん引役が入れ替わるなど、この間は物色対象の変化や広がりも特徴のひとつだったようです。7月以降もこの傾向は続くのでしょうか。また、半導体関連株に代わるテーマはあるのでしょうか。詳しく解説します。

年初から日経平均株価7万円までの上がった銘柄下がった銘柄 上半期の振り返りと下半期の投資テーマを展望 野村證券・大坂隼矢のイメージ

2026年上半期は半導体関連株が大幅上昇、「隠れ半導体関連株」もにぎわう

2026年前半の世界の株式市場を振り返ると、日本株の上昇が目立っています。

日経平均株価は2025年末比で41.5%上昇しました(6月19日時点)。この間、米国のS&P500種指数は9.6%高、ドイツのDAX指数は2.0%高、英国のFTSE100種総合指数は4.3%高にとどまっており、先進国株式市場の中でも日本株のパフォーマンスの良さが目立っています。この間、どんな銘柄が上昇したのでしょうか。また、どんな銘柄が株式相場全体の重荷になったのでしょうか。日経平均株価の指数採用銘柄のうち、6月19日時点で2025年末比の上昇率または下落率が高かった上位10銘柄を以下に記載しました。

1~6月の株価上昇率・株価下落率トップ10
上昇率の上位10銘柄
コード 銘柄名 業種 株価騰落率(%)
285A キオクシアホールディングス 電気機器 940.73
6976 太陽誘電 電気機器 445.62
5801 古河電気工業 非鉄金属製品 433.07
4062 イビデン 電気機器 264.88
6981 村田製作所 電気機器 261.98
3436 SUMCO 非鉄金属製品 196.45
4004 レゾナック・ホールディングス 化学 181.80
5706 三井金属 非鉄金属製品 176.84
6963 ローム 電気機器 148.15
6723 ルネサスエレクトロニクス 電気機器 121.21
下落率の上位10銘柄
コード 銘柄名 業種 株価騰落率(%)
8267 イオン 小売業 -46.91
3659 ネクソン サービス -41.83
4506 住友ファーマ 医薬品 -36.60
3697 SHIFT サービス -35.67
7974 任天堂 サービス -33.21
6701 日本電気 電気機器 -29.27
7270 SUBARU 自動車 -28.11
4755 楽天グループ サービス -27.98
4307 野村総合研究所 サービス -27.62
6702 富士通 電気機器 -25.83

(注)日経平均株価採用銘柄が対象。株価騰落率は単位%で6月19日時点の2025年末比。業種は日経業種分類。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

2025年末比で株価が約8.5倍に上昇したキオクシアホールディングス(285A)を筆頭に、太陽誘電(6976)、古河電気工業(5801)、イビデン(4062)など上昇率の上位10社は、AIの開発・処理に必要不可欠な半導体やデータセンターに関連する企業がほとんどです。

同期間では味の素(2802)も75.6%値上がりしました。半導体のイメージはないかもしれませんが、実は高性能半導体の「層間絶縁材」として使われるフィルムで世界シェアをほぼ独占しています。食料品セクターはイラン戦争を受けた原油高で全体的に値下がりしていただけに、この値動きは半導体分野での将来性を評価された結果だと考えています。一見すると半導体関連銘柄とは思えない「隠れ半導体関連株」はいくつかあり、半導体製造に欠かせない「静電チャック」という部材をつくっているTOTO(5332)も93.6%上昇しています。

一方で、下落率の上位10銘柄は小売業、サービス、医薬品、自動車などさまざまな業種が並んでいます。小売業については、食品株と同様に原油高が重荷となりました。店舗の電気代などのコストが上昇したり、インフレの進行が個人消費の減速につながったりして、業績に悪影響を与えるとの思惑が背景にあると考えられます。同様の理由から、鉄道・バスなどもさえない値動きとなっています。また、AIの進化によって自社サービスの優位性が揺らぐとの見方から、ソフトウェアやサービスといった業種も下落率の上位に並んでいます。

日経平均株価の「寄与度」で見ると顔ぶれにはやや変化も

AI・半導体関連株であれば何でも値上がりする、という市場環境だったのでしょうか。

電気機器など半導体関連株が中心だったことは間違いありませんが、株式相場上昇のけん引役は、変わっていました。日経平均株価が次々と節目を突破する中で主役がどう入れ替わったのかを具体的に分析するため、節目を迎えるタイミングでそれまで「各銘柄の株価の上昇幅(下落幅)が日経平均株価をいくら押し上げたか(押し下げたか)」を示す指数寄与度を計算しました。

日経平均株価採用銘柄の指数寄与度ランキング

年初から日経平均株価7万円までの上がった銘柄下がった銘柄 上半期の振り返りと下半期の投資テーマを展望 野村證券・大坂隼矢のイメージ

(注)5万円→6万円は2025年10月27日から4月27日までの指数寄与度の内訳。6万円→7万円は4月27日から6月18日までの指数寄与度の内訳。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

まず日経平均株価が終値で初めて5万円を超えた2025年10月27日から6万円台に到達した4月27日までの約6ヶ月間を見ると、半導体製造装置を手掛けるアドバンテスト(6857)1銘柄の上昇が日経平均株価を3,271円も押し上げました。

一方で、4月27日から7万円台に乗せた6月18日までの約1ヶ月半を振り返ると、顔ぶれは変わります。6万円の到達までの期間にもっともプラス寄与したアドバンテストが日経平均株価を289円押し下げました。また、データセンター向け光ファイバーケーブルなどを手掛けるフジクラ(5803)は、6月18日の引け後に会社業績見通しの上方修正を発表し、19日以降はプラス寄与に転じていますが、7万円到達までの期間では最もマイナス寄与した銘柄となりました。

代わって存在感を高めたのが、キオクシアです。年初来で株価は8倍強に達しているものの、日経平均株価を大きく押し上げるほど株式市場への影響力を強めるようになったのは、ここ1ヶ月半のことだったと言えます。MLCC(積層セラミックコンデンサー)を製造するTDK(6762)や村田製作所(6981)、太陽誘電も5万円から6万円に上昇する過程ではそれほど目立った値動きはありませんでしたが、ここにきて注目度が高くなり、上昇幅が大きくなっています。

こうした物色の広がりの背景にあるのは、AI市場のすそ野の広さを投資家がより深く理解し始めているからかもしれません。当初は「AIや半導体とは距離がある」あるいは「AI向けの事業は伸びているが、主力ではない」と考えられていた銘柄でも、決算発表を機に市場の想定を上回るAI向け事業の成長が確認され、AI関連株として評価されるようになったケースも多かったと思います。さきほどお話しした味の素やTOTOがまさにAI・半導体関連株として評価をされた例に挙げられると思います。

投資テーマはAI・半導体関連株以外にも

これからもAI・半導体関連株は日本株市場の主役であり続けるのでしょうか。

AIの進化によって、半導体やデータセンターに関連する部品・素材の需要は増えていくと考えられています。供給が追い付いていないものもあるため、企業も値上げがしやすく、当面は業績面での追い風が吹き続けると見込まれます。もちろん、いつかは需要が一巡し、株価が調整する場面が訪れるはずです。ただし、その調整局面がいつやってくるかは判断が非常に難しい状況です。少なくとも、米国の大手テクノロジー企業による巨額の設備投資が続いている状況を鑑みると、現時点で需要のピークアウトが確認できる状況ではありません。

AI・半導体関連株の調整を見越して早いタイミングで分散するとすれば、どんな投資テーマが考えられますか。

AI・半導体関連銘柄として評価されていないものの、しっかりと業績を拡大させており、今後も成長が見込める銘柄への投資が有効であると思います。ひとつは銀行セクターが考えられます。インフレや賃金上昇を理由に日本銀行が政策金利を引き上げていく方針を示す中、利ざやの改善などを背景に銀行は業績の改善がある程度見込まれています。AI相場の調整に備え、運用資産の一部に銀行株を組み入れることは、配当利回りの高さから見ても検討の余地があると考えています。

また、不動産セクターについては、見直される余地が出てくると考えています。日経平均株価が7万円台に乗せる過程でも住友不動産(8830)がマイナス寄与度の上位に顔を出すなど、中東情勢の緊迫化による国内金利の上昇が嫌気され、不動産セクターは大きく調整しています。しかし、東京都心部のオフィス空室率は低下傾向にあり、賃料上昇への期待は後退していません。緊迫した中東情勢が沈静化すれば、いずれ割安感が修正されると期待しています。

AI以外の成長期待が高いテーマとしては防衛が挙げられます。半導体関連株の盛り上がりですっかりなりを潜めてしまいましたが、日本政府は防衛力の強化に前向きで、防衛産業を17の「戦略分野」の1つに位置づけています。防衛は息の長いテーマであり、中長期的な成長が期待できる投資先として評価できると考えています。

個人投資家へのアドバイスをお願いします。

日経平均株価の指数寄与度を見ても分かるように、いまのところ日本株市場の中心はAI・半導体関連株です。AI・半導体市場の急速な成長は、多くの市場参加者の予想を上回るものとなっています。AI・半導体関連株にまだ投資をしていない場合は、機会損失を防ぐためにも自身のポートフォリオに組み入れることを検討するとよいかもしれません。一方で、株価の上昇が急ピッチだっただけに、先行きを不安がる気持ちも十分に理解できます。半導体関連株で十分なリターンを確保したうえで、もし他の投資テーマへの分散も考えているようであれば、ポートフォリオの一部を中長期的な成長が期待できたり、株式市場の調整局面で下値抵抗力を発揮できたりしそうな投資テーマの銘柄に組み替えることも、選択肢になるでしょう。

年初から日経平均株価7万円までの上がった銘柄下がった銘柄 上半期の振り返りと下半期の投資テーマを展望 野村證券・大坂隼矢のイメージ
野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
大坂 隼矢
2010年入社。3店舗での支店業務を経て、2015年3月より投資情報部。現在は月刊誌「Nomura21 Global」等、個人投資家向け株式資料の作成をはじめ投資情報の提供を行う。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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