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野村リサーチ

2026.08.27 NEW

株主還元の見通しを上方修正 9~11月に自社株買い・増配の発表が多かった企業は? 野村證券ストラテジストが解説

株主還元の見通しを上方修正 9~11月に自社株買い・増配の発表が多かった企業は? 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

2026年度の配当総額は31.6兆円、自社株買いは24.0兆円と予想

日本の上場企業の2026年度の配当総額を31.6兆円(前年度比20.3%増)、自社株買い総額を24.0兆円(同27.3%増)、総還元額を55.6兆円(同23.3%増)とするトップダウン見通しに、それぞれ上方修正します。8月10日付のトップダウン業績予想の上方修正に加え、足元までに発表された株主還元額が想定を上回ったことを勘案しました。

2027年度以降も増益に応じた増配を見込みますが、自社株買いは高水準を維持しつつ、微減すると想定します。2026年度の総還元性向は68.5%と、2025年度の65.7%から上昇する見通しです。配当性向も38.9%と、2025年度の38.2%から小幅に上昇すると見込みます。

4-6月期の決算発表では、増配の発表が目立ちました。TOPIX(東証株価指数)構成企業の2026年度予想配当性向では、40~45%の企業数の割合が増え、中央値も40%を超えました。4-6月期の決算発表時には自社株買いの発表も相次ぎ、2026年初来で20.6兆円、2026年度初来で12.9兆円に達しました(8月25日時点)。

自社株買いの設定枠は、年間20兆~25兆円程度が持続可能と試算されます。なお、総還元性向は70~75%の国・地域が多い一方、日本はこの水準をやや下回る状況が続いています。日本企業のバランスシートの余裕度を考慮すると、株主還元を求める圧力は継続しやすいとみられます。

自社株買い・増配発表のアナウンス効果&秋の還元強化発表が多かった企業

2026年の自社株買い発表のアナウンス効果は、翌営業日の中央値でプラス1.7%前後と堅調です。一方、2026年の増配発表のアナウンス効果は、翌営業日の中央値でプラス0.5%前後にとどまり、1週間後以降はアンダーパフォームに転じます。

過去5年間の傾向を点検し、9~11月に自社株買い・増配を発表するケースが多かった企業を整理しました。

9-11月に自社株買い枠設定や増配を公表する傾向が見られた企業(2021~25年)
コード 銘柄名 自社株買い発表 増配発表
2021
年9
~11
月
2022年9~11月 2023年9~11月 2024年9~11月 2025年9~11月 2026年発表済み 2021年9~11月 2022年9~11月 2023年9~11月 2024年9~11月 2025年9~11月 2026年
発表済み
1515 日鉄鉱業 ○ ○ ○ ○ ○ ○
2802 味の素 ○ ○ ○ ○ ○ ○
3003 ヒューリック ○ ○ ○ ○
3231 野村不動産ホールディングス ○ ○ ○ ○
3659 ネクソン ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
3769 GMOペイメントゲートウェイ ○ ○ ○ ○ ○
4202 ダイセル ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4403 日油 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4681 リゾートトラスト ○ ○ ○ ○
4732 ユー・エス・エス ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
5331 ノリタケ ○ ○ ○ ○ ○
5334 日本特殊陶業 ○ ○ ○ ○ ○ ○
5393 ニチアス ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
6101 ツガミ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
6326 クボタ ○ ○ ○ ○ ○
6368 オルガノ ○ ○ ○ ○ ○
6432 竹内製作所 ○ ○ ○ ○ ○
6507 シンフォニア テクノロジー ○ ○ ○ ○
6544 ジャパンエレベーターサービスホールディングス ○ ○ ○ ○ ○
6590 芝浦メカトロニクス ○ ○ ○ ○ ○
6814 古野電気 ○ ○ ○ ○ ○
7167 めぶきフィナンシャルグループ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
7189 西日本フィナンシャルホールディングス ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
7380 十六フィナンシャルグループ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
7729 東京精密 ○ ○ ○ ○ ○
7906 ヨネックス ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8015 豊田通商 ○ ○ ○ ○ ○
8035 東京エレクトロン ○ ○ ○ ○ ○ ○
8066 三谷商事 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8308 りそなホールディングス ○ ○ ○ ○ ○ ○
8316 三井住友フィナンシャルグループ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8331 千葉銀行 ○ ○ ○ ○ ○
8334 群馬銀行 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8336 武蔵野銀行 ○ ○ ○ ○ ○
8341 七十七銀行 ○ ○ ○ ○
8368 百五銀行 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8388 阿波銀行 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8411 みずほフィナンシャルグループ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8544 京葉銀行 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8600 トモニホールディングス ○ ○ ○ ○ ○
8697 日本取引所グループ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8725 MS&ADインシュアランスグループ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8766 東京海上ホールディングス ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
9104 商船三井 ○ ○ ○ ○ ○ ○
9435 光通信 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
9744 メイテックグループホールディングス ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
9869 加藤産業 ○ ○ ○ ○ ○ ○
9934 因幡電機産業 ○ ○ ○ ○

(注)時価総額2,000億円以上で、2021年~2025年の5年間で9~11月に4回以上自社株買い枠設定、または、今期配当予想(会社予想)の上方修正の発表を4回以上公表した企業をスクリーニング。業績予想はQUICKコンセンサス(東洋経済予想)。2026年8月25日時点。
(出所)QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株メモ:26年度株主還元見通しを上方修正 – 利益上振れと自社株買い枠設定増加などを反映(2026年8月26日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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