2026.08.21 NEW
金利上昇でもメガバンク株足踏み&地銀株高値パターン 日本株は一進一退後に上振れる傾向 野村證券ストラテジストが解説
メガバンク足踏み&地銀株高値パターン
メガバンク株が2026年7月27日前後に直近高値を付けた一方、地方銀行株は8月に相次いで高値を更新しました。利上げ期待よりも、割安感や出遅れ感が影響したと言えます。1980年代後半も、メガバンク株は1987年春に高値を付けた後、日銀の利上げ局面で一進一退となりました。一方、TOPIX(東証株価指数)と日経平均株価は地方銀行株の上昇を伴い、その後2年半かけて高値を形成しました。
(注)メガバンクと地銀の株価は各時点で上場している企業をもとに時価総額加重平均リターンを算出して作成。直近は2026年8月19日時点。
(出所)JPX総研、QUICKより野村證券市場戦略リサーチ部作成
銀行株のファクターリターンでは、直近は個人投資家の保有比率に加え、低PBR(株価純資産倍率)と低PER(株価収益率)が有効です。銀行株の銘柄選別では、過去40年間にわたりバリューが安定して有効な傾向にあります。特に2025年以降は、低PBRの有効性が目立ちます。
地方銀行株が高値を更新する一方でメガバンク株が足踏みする局面では、メガバンク株とともにTOPIXや日経平均株価も2~3四半期ほど一進一退となり、その後は上振れる傾向がみられました。
(注)メガバンクと地銀の株価は各時点で上場している企業をもとに時価総額加重平均リターンを算出して作成。地銀が過去1年の高値を記録する一方、メガバンクは過去1年高値ではないケース。重複を除くため、直近15週間内に同様の条件を満たすケースが無い場合をサンプルに抽出。直近値は2026年8月19日時点。
(出所)JPX総研、日本経済新聞社、QUICKより野村證券市場戦略リサーチ部作成
目先は出遅れ銘柄や割安銘柄が物色されやすいことを念頭に、銀行株の中でも割安感があり、個人投資家の保有比率が高く、外国人投資家の保有比率が低い銘柄群に注目したいと考えます。
| コード | 会社名 | 時価 総額 (10億円) |
来期 PER (倍) |
実績 PBR (倍) |
予想配当 利回り (%) |
外国人 持株比率 (%) |
個人 持株比率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5832 | ちゅうぎんフィナンシャルグループ | 624.5 | 12.9 | 0.94 | 3.02 | 13.8 | 30.1 |
| 7150 | 島根銀行 | 4.4 | 16.2 | 0.40 | 1.92 | 1.9 | 47.5 |
| 7161 | じもとホールディングス | 14.7 | 4.0 | 0.17 | 0.91 | 1.7 | 43.4 |
| 7322 | 三十三フィナンシャルグループ | 207.5 | 11.7 | 0.93 | 2.22 | 11.6 | 31.5 |
| 7381 | CCIグループ | 276.7 | 12.9 | 1.09 | 2.48 | 14.6 | 29.6 |
| 7384 | プロクレアホールディングス | 129.8 | 14.9 | 0.80 | 2.21 | 7.0 | 39.0 |
| 8338 | 筑波銀行 | 58.8 | 8.7 | 0.57 | 0.70 | 7.7 | 50.5 |
| 8343 | 秋田銀行 | 154.0 | 17.3 | 0.85 | 2.35 | 11.5 | 36.5 |
| 8344 | 山形銀行 | 143.5 | 18.6 | 0.93 | 2.20 | 7.0 | 40.6 |
| 8345 | 岩手銀行 | 172.8 | 15.0 | 0.85 | 2.48 | 13.9 | 37.9 |
| 8349 | 東北銀行 | 14.9 | 9.0 | 0.46 | 3.20 | 4.4 | 49.0 |
| 8364 | 清水銀行 | 35.6 | 11.9 | 0.46 | 1.96 | 7.3 | 31.4 |
| 8365 | 富山銀行 | 12.8 | 9.2 | 0.42 | 2.34 | 1.4 | 32.1 |
| 8383 | 鳥取銀行 | 18.5 | 11.2 | 0.37 | 2.59 | 2.6 | 51.0 |
| 8387 | 四国銀行 | 143.7 | 15.1 | 0.75 | 2.54 | 13.3 | 38.7 |
| 8392 | 大分銀行 | 214.7 | 17.3 | 0.83 | 1.83 | 14.6 | 31.1 |
| 8395 | 佐賀銀行 | 110.3 | 11.0 | 0.87 | 1.69 | 12.4 | 30.8 |
| 8398 | 筑邦銀行 | 15.0 | 9.0 | 0.37 | 2.50 | 0.3 | 36.1 |
| 8399 | 琉球銀行 | 137.1 | 12.5 | 0.94 | 3.08 | 13.9 | 41.3 |
| 8416 | 高知銀行 | 11.9 | 5.7 | 0.27 | 2.15 | 3.4 | 43.2 |
| 8537 | 大光銀行 | 28.6 | 7.0 | 0.37 | 3.58 | 7.6 | 35.1 |
| 8542 | トマト銀行 | 22.5 | 10.7 | 0.39 | 2.59 | 4.8 | 43.7 |
| 8550 | 栃木銀行 | 115.3 | 11.5 | 0.71 | 2.85 | 19.3 | 36.8 |
| 8551 | 北日本銀行 | 61.9 | 13.5 | 0.64 | 1.75 | 4.6 | 44.9 |
| 8554 | 南日本銀行 | 11.9 | 6.0 | 0.26 | 3.26 | 0.0 | 45.8 |
| 8558 | 東和銀行 | 52.3 | 10.5 | 0.65 | 3.42 | 12.6 | 35.6 |
| 8559 | 豊和銀行 | 2.9 | 3.2 | 0.10 | 2.07 | 0.0 | 35.5 |
| 8560 | 宮崎太陽銀行 | 14.1 | 8.8 | 0.30 | 1.89 | 0.5 | 39.3 |
| 8562 | 福島銀行 | 12.8 | 11.7 | 0.55 | 1.36 | 1.3 | 40.7 |
| 8563 | 大東銀行 | 14.2 | 8.2 | 0.51 | 3.58 | 7.9 | 43.8 |
| 8600 | トモニホールディングス | 211.0 | 10.1 | 0.72 | 2.75 | 17.3 | 29.5 |
| 8713 | フィデアホールディングス | 48.3 | 14.6 | 0.54 | 2.82 | 9.3 | 53.2 |
(注)対象は上場地銀株。(1)時価総額がユニバース中央値以下、(2)予想PERがユニバース中央値以下、(3)実績PBRがユニバース中央値以下、(4)予想配当利回りがユニバース中央値以上、(5)外国人保有比率がユニバース中央値以下、(6)個人保有比率がユニバース中央値以上という6条件のうち4条件以上を満たす企業をスクリーニング。業績予想はQUICKコンセンサス(東洋経済予想で補完)。2026年8月19日時点。
(出所)QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成
日経平均先物は米韓株先物に連動:国内株投信への流入は鈍化
8月18~19日に日本株の主要指数が比較的大きく反落したのは、AI・半導体株と銀行株の下落が影響しました。日経平均先物の動きを説明する変数としては、原油や金利よりも米国・韓国株先物の影響度が高くなっています。7月の指数急落時には個人投資家の押し目買い意欲が相場を支えましたが、8月中旬以降は国内株投信への資金流入が鈍化しています。
8月18~19日の需給関連ファクターリターンでは、外国人投資家の保有比率が高い銘柄や信用倍率が高い銘柄のアンダーパフォームも目立ち、需給悪化への懸念が意識されたとみられます。ただし、8月18日までのEPFRのファンドフロー統計では、ファンドを通じた日本株への資金流入が続いています。また、信用買い残は6月26日の7兆円から8月14日時点で6.2兆円に減少しました。時価総額に占める信用買い残の比率も、8月14日時点で0.45%と比較的低い水準に抑えられています。
7月末のアクティブ投信のポートフォリオでは、メガバンクの組み入れ比率が上昇した一方、AI・半導体、電線、MLCC(積層セラミックコンデンサー)、メモリー株の比率は低下しました。主要ファンドのTOPIXベータは高水準にあるものの、8月6日以降は低下しており、決算発表を境にリスクを抑える動きがみられました。
(編集:野村證券投資情報部)
編集元アナリストレポート
日本株ウィークリー(2026年8月20日) – 金利上昇でもメガバンク株足踏み&地銀株高値のパターン(2026年8月20日配信)
(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。
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