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2026.09.30 NEW

強気維持のバリュー株も選別が必要な局面に 低クオリティーを避けた銘柄一覧 野村證券ストラテジストが解説

強気維持のバリュー株も選別が必要な局面に 低クオリティーを避けた銘柄一覧 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

米国のバリューは年初来マイナスに、ハイイールド債は直近大幅下落

日米のバリュー(BPR:PBRの逆数)のファクターリターンをみると、足下では米国のバリューが年初来でマイナスとなりました。これに対し、日本のバリューは大幅なプラスとなっています。

日米バリュー(BPR)のファクターリターン(2026年以降)

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(注)米国株はMSCI North Americaユニバース、日本株はTOPIX500ユニバース。
(出所)QUICK、Bloombergより野村證券市場戦略リサーチ部作成

一方、直近の株式市場では、長期金利の急ピッチな上昇が注目されています。一般的に、国内金利上昇でバリュー株が相対的に優位な展開になりやすいとの認識は投資家の間で強いと考えられます。しかし、バリューのファクターリターンと国内金利の感応度や相関は低下してきています。従って、国内金利上昇がバリュー株を押し上げるという関係は、弱くなっているとの指摘ができるでしょう。

日米国債10年債利回りの推移(2025年以降)

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(出所)Bloombergより野村證券市場戦略リサーチ部作成

また、長期金利が急上昇する中でも、堅調な企業業績などを背景に、株式市場全体への悪影響は現時点では限定的とみられます。ただし、他のリスク資産に目を向けますと、直近ハイイールド債の大幅下落が目立ちます。米国株式上場のハイイールド債ETF(上場投資信託、HYG US Equity)は月初来で‐2.8%(9月28日まで)とこのアセットクラスとしては下落が大きく、懸念が少しずつ出始めている可能性があります。

グローバルハイイールド債指数及びハイイールド社債ETFのパフォーマンス推移(2026年以降)

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(注)Bloomberg Global High Yield Index(LG30TRUU Index)及びiシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG US Equity)。2026年年初を100として指数化。
(出所)QUICK、Bloombergより野村證券市場戦略リサーチ部作成

ただし、今年3月にもハイイールド債は中東情勢の不透明感から大幅に下落した局面がありました。今回の下落も中東情勢悪化を懸念した一過性のものなのか、長期金利の急上昇に伴うクレジット懸念なのか、事態の推移をみておく必要があるといえます。以下ではこの先のバリューについての見通しを述べます。

日本の低クオリティーのバリュー株は今後影響を受ける可能性も

我々のバリューに対するスタンスは一貫しており、日銀による継続的な利上げが見込まれる限り、強気の見方を維持しています。現状では2027年も複数回に及ぶ利上げに対する期待が市場で観察されています。また、上述しましたようにバリューのファクターリターンと国内金利の感応度や相関は低下してきているものの、その値はプラスであり、関係性が失われたわけではありません。

市場が織り込む将来の利上げ回数

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(注)各会合に向けた利上げ回数の織り込み。1回を25bpsと想定している。
(出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

ただし、上述したハイイールド債の下落が、金利の急速な上昇によるものであるならば、これらはグローバル要因とみなされる可能性が高く、足下で確認されている金利とバリューの相関低下の一因であるとも考えられます。この場合、一般的にバリュー株はクオリティーが低い銘柄が相対的に多いことに加えて、直近の日本株市場で一部のクオリティーファクターの有効性が確認できることを重視したいと考えます。

例えば、バリューと、会計上の利益と現金収支(キャッシュフロー)の差額のことで現金収入を伴う高クオリティーの利益かどうかを見極める指標である「アクルーアル(会計発生高)」の2段階ソートポートフォリオの超過リターンをみると、長期(1996年から直近まで)の累和リターンベースでは、バリュー銘柄内でクオリティーの高低で分けたパフォーマンスの差はほぼ変わりませんが、アクルーアルが効果を強めた2006年以降の数年間ではその差が拡大した局面もありました。特にバリューかつ低クオリティー銘柄はこの間のリターンが低迷しており、バリュー銘柄内での選別が必要な期間であったといえるでしょう。

BPRとアクルーアルの2段階ソートポートフォリオにおける累和超過リターン(BPR割安側:1996年以降)

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(注)TOPIX500ユニバース。BPRに基づいて3分位に分けた時の最割安分位について、アクルーアルに基づいて3分位に分けた時の高クオリティー及び低クオリティーの超過リターン。1996年以降。
(出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

つまり、日銀の利上げ継続を前提にバリューに対しては強気姿勢を維持するものの、長期金利の大幅な上昇によって、この先についてはバリュー株の中で選別が必要な局面となる可能性もあるとみています。足下では高クオリティー銘柄に全面的にティルトするべき局面であるとは判断していないものの、現時点ではロング側で低クオリティー銘柄を避けることを推奨したいと考えます。具体的な銘柄を以下に示しました。

低クオリティー銘柄を除いたバリュー銘柄
コード 銘柄名 東証17業種 時価総額 予想PER 実績PBR
(10億円) (倍) (倍)
1417 ミライト・ワン 建設・資材 324.9 11.90 1.18
1605 INPEX エネルギー資源 4,803.6 10.05 0.94
1860 戸田建設 建設・資材 473.7 11.87 0.98
1911 住友林業 建設・資材 749.7 7.52 0.68
1928 積水ハウス 建設・資材 2,199.1 9.29 0.98
2587 サントリービバレッジ&フード 食品 1,392.0 14.96 1.03
2784 アルフレッサ ホールディングス 商社・卸売 448.8 17.97 0.92
3116 トヨタ紡織 自動車・輸送機 421.6 8.14 0.86
3391 ツルハホールディングス 小売 974.8 17.71 1.11
3402 東レ 素材・化学 1,882.9 16.27 1.04
4042 東ソー 素材・化学 860.2 13.42 1.02
4045 東亞合成 素材・化学 196.8 15.07 0.90
4202 ダイセル 素材・化学 365.3 10.51 0.99
4272 日本化薬 素材・化学 312.0 12.18 1.10
4540 ツムラ 医薬品 296.1 10.21 0.91
5019 出光興産 エネルギー資源 2,040.3 10.59 1.24
5105 TOYO TIRE 自動車・輸送機 601.0 8.38 1.09
5110 住友ゴム工業 自動車・輸送機 531.3 7.15 0.70
5406 神戸製鋼所 鉄鋼・非鉄 829.7 8.61 0.66
5947 リンナイ 建設・資材 485.1 13.22 1.11
6326 クボタ 機械 3,133.2 12.13 1.12
6471 日本精工 機械 550.0 13.74 0.80
6473 ジェイテクト 機械 676.1 9.67 0.84
6902 デンソー 自動車・輸送機 5,587.6 12.20 1.09
6923 スタンレー電気 電機・精密 443.5 11.30 0.96
7202 いすゞ自動車 自動車・輸送機 1,499.1 8.36 0.99
7259 アイシン 自動車・輸送機 1,627.4 9.06 0.77
7270 SUBARU 自動車・輸送機 1,886.6 10.15 0.68
7282 豊田合成 自動車・輸送機 619.1 9.46 1.06
7313 テイ・エス テック 自動車・輸送機 226.5 18.67 0.73
8129 東邦ホールディングス 商社・卸売 293.1 22.15 1.10
9101 日本郵船 運輸・物流 2,960.1 13.73 0.95
9104 商船三井 運輸・物流 2,585.2 11.90 0.87
9401 TBSホールディングス 情報通信・サービスその他 929.2 17.82 0.58
9404 日本テレビホールディングス 情報通信・サービスその他 761.5 12.21 0.72

(注)TOPIX500ユニバース。BPR割安度上位30%銘柄かつ、デットエクイティレシオ・アルトマンZスコア・低ボラティリティ・利益安定性・収益持続性・アクルーアルの全てにおいて下位20%の低クオリティー側に属する銘柄を除いた。PERはIFIS予想、来期優先。9月28日時点。
(出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株クオンツメモ – バリューの傾向が変化していく可能性(2026年9月29日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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