2026.10.09 NEW
AI・半導体株ラリーは小休止か 業績期待続くも割安感は後退 野村證券ストラテジストが解説
AI・半導体株ラリーを後押しした米雇用統計下振れの効果は短命か
AI・半導体株ラリーが予想外に続く可能性に注目してきました。業績の上振れ期待は続く一方、割安感の後退やフロー面を考慮すると、1週間前に比べてラリーの小休止が意識されやすくなったといえます。
また、9月中旬以降のAI・半導体株ラリーには、10月2日公表の9月の米雇用統計が下振れし、米国の利上げ観測が後退したことも追い風となりました。ただし、米雇用統計の下振れを受け、初動で株価が上昇する「良いとこ取り」は必ずしも長続きしません。20営業日前後で日米の株高が一巡する傾向もみられました。
(注)2010年以降の米国雇用統計において、非農業部門雇用者数がコンセンサス(Bloomberg)を5万人以上下回ったケース(49回)が対象。このうち、雇用統計発表日のS&P500騰落率がプラスとなった25回、マイナスとなった24回に場合分けして、前後のS&P500とTOPIXの平均的傾向を算出した。なお、コロナ禍のあった2020年1-12月は除外した。
(出所)米国労働省、Bloomberg、S&P、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成
中間選挙後の株高ジンクスが通じなかったケース
米中間選挙で共和党の苦戦を伝える報道が増えた割に、日米株式は底堅く推移しています。過去には、選挙後は「結果にかかわらず株高」となる傾向があり、政治リスクへの警戒が高まりにくい面もあります。ただ、想定外のネガティブサプライズには脆弱である可能性に留意すべきでしょう。目先は、選挙前の日米株式が一進一退となる傾向も意識されやすいでしょう。中間選挙後に株価が軟調だったのは、1994年と2018年の利上げ懸念、2002年の不正会計のケースです。
(注)1950年以降の中間選挙で検証。各ケースの平均値と株安となった1994年、2002年、2018年を表示。
(出所)S&P、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成
10月末までは、AI・半導体株ラリーが小休止しやすいとみています。その後、仮に(1)10月末の日米ハイテク企業の決算が上振れする、(2)日米のMPM(金融政策決定会合)がハト派化する、(3)米中間選挙後も米国のマクロ政策やAI開発に大きな影響が出ない、という展開になれば、ラリーが小休止を挟んで再開するシナリオもあり得ます。(3)には、例えば民主党が勝利しても穏健中道派が主導権を握るケースが該当します。
AI・半導体株を巡る好業績期待vs高金利・開発ブレーキ・循環取引懸念
AI開発の減速懸念に加え、循環取引への懸念も周期的に話題となりやすくなっています。10月1日公表のBIS(国際決済銀行)の「Circular relationships among AI firms(AI企業間の循環的関係)」でも、AI・半導体分野の循環取引に焦点が当てられました。負のショックが発生した際、株価下落と販売減少が同時に起きるリスクが警戒されやすいと指摘しています。2025年秋以降、こうした指摘は周期的にみられており、新鮮味はありません。ただ、足元の金利上昇やAI開発の減速懸念とともに、PER(株価収益率)の抑制要因となる面があります。
日本では、リバーサルを繰り返しながらのローテーション相場が続いています。9月中旬以降は電気機器や非鉄株が上昇し、8月中旬から9月中旬までの下落幅を上回りました。このため、リバーサル局面は終盤との見方が意識されやすくなっています。今後もAI・半導体関連分野の決算への期待が相場の支えになるとみています。一方、AI・半導体銘柄は、バリュエーション面での割安感がやや後退しています。
(編集:野村證券投資情報部)
編集元アナリストレポート
日本株ウィークリー(2026年10月8日) – 9月中旬以降のAI・半導体株ラリーはいったん小休止か(2026年10月8日配信)
(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。
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