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野村リサーチ

2026.10.30 NEW

株価の底打ち、わかった頃には手遅れか 10月後半を境に上昇に転じる可能性 野村證券ストラテジストが解説

株価の底打ち、わかった頃には手遅れか 10月後半を境に上昇に転じる可能性 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

重要イベントの通過前に株価が底を打つ例も

10月末から11月初めにかけては、日米ハイテク企業の決算発表や金融政策決定会合、米中間選挙が重なりますが、大きなネガティブサプライズがなければ株価は再浮上しやすいと見込んでいます。これに対し、FOMC(米連邦公開市場委員会)やマイクロソフトの決算発表は無風で通過した一方、メタやアルファベットのように決算発表後に株価が下落した例もあります。このため、各種イベントを無風で通過したと確認できなければ、安心して投資できないとの意見も少なくありません。しかし、全ての懸念材料が解消し、安心して買える頃には手遅れになりがちです。その典型が、10月上旬の小規模な楽観のピークだったといえます。

株式市場の天井と底は事後的にしか分かりませんが、日米株の直近の底が10月22~23日前後だったかどうかは、今後1~2週間で判定されることになります。10月23日午前に日経平均株価は6万2,000円を割り込み、TOPIX(東証株価指数)は3,900ポイント手前まで下落しました。その後は堅調な決算やアンソロピックのIPO(新規株式公開)申請などを受け、いったん反発を試しました。直近安値での12ヶ月先予想PER(株価収益率)は、日経平均株価が20倍台前半、TOPIXが15.5倍前後となっており、今後も指数が下振れした際に参照されやすい水準とみられます。

なお、重要イベントの通過前に株価が底を打つ例は少なくありません。2026年の日米株の大底は3月末で、米国とイランの戦争を巡る停戦交渉が本格化する数週間前でした。株式市場に先読みする傾向がある以上、底値を確認してから強気に転じても手遅れになりがちです。

TOPIX・日本株の底打ち確認前後の傾向

株価の底打ち、わかった頃には手遅れか 10月後半を境に上昇に転じる可能性 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)「底打ち確認」は過去75営業日で-5%、過去25営業日で-3%と株安が進むと同時に、過去10営業日で+3%、過去5営業日で+1%と株価反転となったケース。1980年1月以降にこの基準を満たすケースがTOPIXで28回、日経平均で33回発生(25営業日以内に重複がある場合はサンプルから除外)。
(出所)JPX総研、日本経済新聞社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

日米での低ベータ銘柄の選好の行き過ぎ(過度な景気失速懸念)は、その後、修正されつつあります。東京証券取引所の空売り比率が10月22日に43.2%に上昇した後、低下したことも、株価の底打ち時に起きやすい現象です。国内株投信への資金流入も10月中旬以降に拡大しており、安値圏で押し目買いが入ったとみられます。

アンソロピックIPO:先物との連動性が高いのは日本株では情報通信

アンソロピックがIPOを申請し、早ければ11月16日の週にも上場する見通しです。日本国内でも個人投資家向けに公募が実施されます。8月中旬には、アンソロピックのパーペチュアル先物(満期のない先物)の取引が始まり、市場の期待を測る目安となっています。ただ、10月に入ると、AI・半導体株と同様に軟調な場面もみられました。

アンソロピック先物価格と日米主要株価指数

株価の底打ち、わかった頃には手遅れか 10月後半を境に上昇に転じる可能性 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)BANTHPERはアンソロピックの価格連動型・無期限先物(パーペチュアル先物)の参照価格。
(出所)BITA、S&P、フィラデルフィア証券取引所、ナスダック、Bloomberg、JPX総研、日本経済新聞社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

同先物との連動性を見ると、米マグニフィセント7株のほか、日本の情報通信セクターや証券セクターとの相関も強い一方、パルプ・紙、小売、海運とは負の相関があります。アンソロピックのIPOに応募する個人投資家は、スペースXに応募した投資家と同様に、リスクを取る余力が大きいとみられます。応募資金を捻出するため、ビットコインやメモリー・MLCC(積層セラミックコンデンサー)・電線株の換金売りが意識されやすくなる可能性もあります。ポートフォリオの特性という観点では、アンソロピック先物と似た値動きをする株式を保有する動機も弱まる可能性があります。日本の個別株では、情報・通信、非鉄、電気機器、建設などに、同先物と似た値動きをする銘柄が多くみられます。

アンソロピック先物との連動性が高い日本株
銘柄コード 銘柄名 アンソロピック先物
との連動性
1417 ミライト・ワン 0.22
1893 五洋建設 0.22
1969 高砂熱学工業 0.20
2432 ディー・エヌ・エー 0.26
3635 コーエーテクモホールディングス 0.30
3659 ネクソン 0.30
4689 LINEヤフー 0.27
5016 JX金属 0.27
5711 三菱マテリアル 0.24
5713 住友金属鉱山 0.25
5714 DOWAホールディングス 0.24
6301 コマツ 0.21
6305 日立建機 0.23
6417 SANKYO 0.24
6460 セガサミーホールディングス 0.21
6501 日立製作所 0.21
6702 富士通 0.24
6849 日本光電 0.21
6920 レーザーテック 0.23
7272 ヤマハ発動機 0.20
8056 BIPROGY 0.29
8253 クレディセゾン 0.21
8473 SBIホールディングス 0.20
8570 イオンフィナンシャルサービス 0.21
9432 NTT 0.34
9434 ソフトバンク 0.32
9435 光通信 0.24
9468 KADOKAWA 0.21
9962 ミスミグループ本社 0.20

(注)対象はTOPIX500構成企業(除く小売、陸運)。2026年8月19日から2026年10月28日の間の日次騰落率をもとに算出。時差を考慮して日本株は1日ラグを取った。業績予想はQUICKコンセンサス(東洋経済予想で補完)。2026年10月28日時点。アンソロピック先物はBANTHPER Index、連動性は日次騰落率の相関係数。
(出所)QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株ウィークリー(2026年10月29日) – 重要イベント通過&株価底打ち確認を待っても遅い?(2026年10月29日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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