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2026.10.15 NEW

日経平均株価65,000円割れ 株価急落につながった3つの要因 野村證券・大坂隼矢

日経平均株価65,000円割れ 株価急落につながった3つの要因 野村證券・大坂隼矢のイメージ

撮影/タナカヨシトモ(人物)

2026年10月15日の東京株式市場で日経平均株価は6日続落し、終値は前日比3,318円34銭安の64,425円95銭でした。下げ幅は一時3,600円を超える場面もありました。市場の潮目は変わってきているのでしょうか。日本株が急落した要因と今後の見通しについて、野村證券シニア・ストラテジストの大坂隼矢が解説します。

日経平均株価65,000円割れ 株価急落につながった3つの要因 野村證券・大坂隼矢のイメージ

3つの米株価下落要因が日本株にも波及

10月15日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、約1か月ぶりに65,000円を割り込みました。急落した背景や要因について教えてください。

10月14日の米国株式市場で半導体株が大幅に下落した流れを受けて、日本株式市場でも半導体をはじめとするAI関連銘柄を中心に売られる展開となりました。要因は3つあったと思います。

1つ目は、10月14日に公表された9月の米消費者物価指数(CPI)です。食品とエネルギーを除くコア指数が市場予想を上回ったことが株価下落の起点となりました。初期反応としては米10年債利回りが上昇し、9月に続き10月のFOMCでも利上げされる可能性が高まった、と市場で意識されました。しかし、その後は利上げの織り込みはそこまで進まず米10年債利回りは小幅ながら低下に転じました。

要因として大きかったのは2つ目の、ネオクラウド企業のコアウィーブの社債急落です。ネオクラウドは、AIデータセンターをAI開発企業やクラウド大手に貸し出すビジネスを指します。その先駆者であるコアウィーブの社債が急落し、AIインフラ整備にかかる巨額の費用への懸念が強まりました。

3つ目は決算発表シーズンが到来し、株式市場のボラティリティが高まっていることです。前回(2026年4-6月期)の決算発表シーズン初期であった7月前半も、AI関連企業の業績動向に対して市場が神経質になる中、AIに対するさまざまな懸念が関連する企業の株価を大きく下落させました。15日の日本株式市場では、場中に半導体受託世界最大手のTSMCの2026年7-9月期の決算発表が予定されていたことも、投資家のリスク回避の姿勢を強めたとみられます。

市場の焦点は米国のハイパースケーラーの決算へ

次に市場を動かす要因はなんでしょうか。

やはり日米の決算発表が重要です。前回(4-6月期)の決算発表シーズン初期であった7月前半の下落は、総じて好調な企業業績を確認したことで、回復に向かいました。

今後の決算発表では特に、AIインフラ構築に向け巨額の設備投資を行っているハイパースケーラーの決算において、そうした投資が実際の利益に結び付いているのかが焦点の一つとなりそうです。AI投資に対する懸念が後退すれば、株式市場の回復の材料となるでしょう。ただし、不十分な内容になってしまうと、上値が重い展開が続く可能性には注意が必要です。

10月に入り日経平均株価は一時70,000円台を回復する場面もありました。今の日本株の水準が割高ということはないでしょうか。

足元の日本株のバリュエーションを確認してみましょう。15日の日経平均株価終値64,425円では、12ヶ月先予想PER(株価収益率)が15.0倍です。東証要請のあった2023年3月以降の基本レンジである16~18倍のレンジを明確に下回る水準となっています。資産バブル期のようなPERの上昇にはなっておらず、企業利益と株価の関係からは、AIブームによる過熱感は限定的と言えそうです。引き続き、企業業績を確認しながら、株式市場の動向を見ていくことが重要になりそうです。

日経平均株価の予想PERの推移

日経平均株価65,000円割れ 株価急落につながった3つの要因 野村證券・大坂隼矢のイメージ

(注)株価、EPS、PERの直近値は2026年10月15日時点。なお、予想12ヶ月先EPSは、今期の残存期間に応じて、今期/来期の予想EPSを期間按分したもの。予想は東洋経済新報社。棒グラフのEPSは2025年度以前が実績で、このうち2002年度と2008年度は赤字。2026年度以降は予想。
(出所)日本経済新聞社、東洋経済新報社、野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成

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野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
大坂 隼矢
2010年入社。3店舗での支店業務を経て、2015年3月より投資情報部。現在は月刊誌「Nomura21 Global」等、個人投資家向け株式資料の作成をはじめ投資情報の提供を行う。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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